Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】vs名古屋(A) アクシデント〈ルヴァン杯グループC 第2節〉

難しい試合だった。

多くの実験を行い、そうそうに失点。さぁ立て直していこうという所でのアクシデント。自分たちの新しい形を模索する中でのトラブルは大きくトリニータにのしかかってしまった。

 

この日のメンバーは以下のように。

名古屋グランパス

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……カップ戦でこのメンツ!?

うちから点取って割りとすぐ名古屋に加入した前田直輝にSBでめっちゃ点取ってた金井貢史、影武者小林裕紀に千葉ディーマーキュリー、最前線にはグルテンフリーのジョコビッチまで。ズルイズルイ!!サブに中谷おっぱい之介にジョー、シャビエルって豪華かよ……

武田くんおひさ!

 

大分トリニータf:id:west242447:20190604202246j:image

豪華さではまけても試合で勝てばよろし。

3バックの真ん中の庄司朋乃也が初の出場。レフティーの高畑奎汰が右WBという驚きもあった。

そしてベンチは7人まで登録できるが5人のみ。少数精鋭で。

 

突然の

さぁ、前半どんな入りするのかな~!と思ってたらたったの4分で相馬勇紀に直接FKを決められてしまった。壁の横を抜けてワンバウンドで枠ギリギリ。ボールスピードも早く、小島亨介も反応がやっとだった。しゃーない。

早稲田大学の同期の小島と相馬。ポジションこそ違えどバチバチやってくぞ!ってのが感じられてちょっと鳥肌だった。

 

狙いは「ライン間」

出鼻を挫かれた大分だったが、徐々にやりたいことが見えてくる。キーワードは「ライン間」だ。

名古屋の4-4-2のSB-SH間に逆足のWBを侵入させることで選択肢を増やす狙いがあった。これはルヴァン杯第1節でセレッソ大阪松田陸を逆足WBとして配置したところからヒントを得たのだろう。

逆足WBにすることでどんな選択肢が増えるかだが、タッチライン際より内側でボールを持てるため、ドリブルがしやすい。またアーリークロスでインスイングのボールになるためDFの対応が難しい。そしてアーリークロスを餌にシャドウがハーフスペースで相手の背後を取りやすくなるという3つの利点がある。

そしてここで大切なのが「2ライン間」になる。パスを受けた状態で相手SHより高い位置で受けることで選択肢が大きく増えるからだ。ボールを受けたWBのチェックのために名古屋のSBは寄せて、逆のSHがスライドをして枚数を合わせなければならない。するとWBからするとファーサイドで大分のシャドウと名古屋のSBがマッチアップをすることになる。このミスマッチをつくる事で効果的に攻めようとした。

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(大分左サイド、星雄次が前田の背後を取って菅原由勢を引き出す。星はカットインして伊藤涼太郎が菅原の裏を突くか、ミスマッチが起こる馬場賢治に当てるか、対面するボランチを抜くか、のビッグチャンスになりうる3パターンを用意できる)

特に昨年はバリバリのスタメンだった星は上手くこなしており、島川俊郎がさりげなーく下がって岡野洵に高い位置を取らせる事で上手く機能させようとしていた。

 

名古屋の大分対策

一方の名古屋も大分のストロングポイントにしっかりと対策を講じてきた。

大分の長所は右サイドの分厚い攻撃。WBが幅を取って、CBがハーフスペースにガツガツ入ってくるため対応が難しい。名古屋はこの対策として大分のビルドアップの制限と可変によってマークのずれをなくす事を行った。

フォーメーション的に見れば、小林がDFラインに落ちて伊藤洋輝をアンカーに。左サイドを1つずつスライドさせて相馬をシャドウにして3トップに。

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これにより大分の3バックに前3枚をぶつけてWBの高畑を金井、馬場を櫛引一紀が見るようにして対応。大分はGKを含めたビルドアップにより前線のプレスを剥がすが、小島は大分のDFラインに入ってバリバリのフィールドプレイヤーとしてプレーができないためにしっかりとハマった。

 

不自由なビルドアップ

大分はビルドアップで蓋をされてしまい、なかなか効果的にボールを前線に運べない。数的優位が作れないため3バックとボランチの5人で回して名古屋のプレスが強くなると慌てずにGKやWBを使って上手く剥がそうとする意識は見えた。しかし、普段は数的優位をつくる事を前提にしたビルドアップを行っているためか、プレスがハマってしまうと極端に精度が下がってしまった。

プレスを剥がすには「目線を切る」という言葉がよく使われる。隣どうしの選手でパスを繋いでも、プレスをかける側からするとそんなに苦ではなく連続してボールを追いかけやすい。カバーシャドウなどがしやすい状態とも言える。しかし、選手を一人飛ばして相手の背後を取ったり、サイドを変えるといった「幅」や「奥行き」を使った「目線を切る」プレーをされるとプレスを外すことができる。大分はこの「目線を切る」プレーの精度があからさまに低かった。GKからWB、CBからシャドウなど、1列飛ばした奥行きを使う場面でボールがうまく繋がらずに、セカンドボールを回収されまくった。

そしてWB、CBが高い位置が取れずにチームの重心が下がってしまうという結果に。前線で5人が幅を取って強制的に1対1を5つ作るミシャ式の原点が作れない。これは大分に取って致命的な事であった。

 

泣きっ面に蜂

悪い流れの大分。なんとか建て直していこうと31分に早くも片野坂監督は動く。中盤と最終ラインの調整役を担った島川を下げて小林成豪を投入。3センターに変更をして選手のポジションも逆足WBを実行しつつ昨年ベースに戻した。

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が、直後に伊佐が負傷交代。オナイウ阿道が出場。

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流れを掴みなおすために交代をして残り2枚で……というプランもあっただろうが、負傷による交代は仕方なし。こんな日もある。

 

35分ほどから名古屋は杉森考起前田直輝の位置を入れ替えて、ハイプレスを途切れさせない。41分には左サイドを小林裕紀と相馬勇紀のワンツーから長谷川アーリアジャスールから背後を取った金井貢史へと渡りマイナスの折り返しを再び長谷川。綺麗に崩されてリードを2点に広げられる。

 

早くも万事休すかと思われたが、2分後の43分に千葉和彦のトラップミスを伊藤涼太郎がかっさらってゴール。大分はビハインドをなんとか1で折り返した。

 

中間的な

後半に入り、名古屋は前田から榎本大輝を投入。高速キュンキュン系ドリブラーを入れてとどめを刺しに。

大分は3-1-4-2と3-4-2-1の中間的なプレーをする。おそらく相手のスペースを突くための策だったはずだ。

守備では2トップが制限をかけて内側をシャットアウトしにいった。
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が、2トップが攻撃→守備時に適切なポジションにつけずに、制限をかけられなかった。

1stラインが突破されると、相手SBに対面するWBが寄せて一時的に4-4-2的な形に。

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自陣では5+3でブロック。ビルドアップはヘッドアップが出来ないため致命傷に成りうる。ラフに蹴り出されたボールをオナイウの身体能力!でなんとかするのが精一杯だった。

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名古屋はこれに対してSHを高くして、大分のWBが前に出づらいようにピン止め。そのSHに相馬、榎本という強烈な個がいるため下手にスペースを作るわけにはいかない……

 

閉塞感が漂う大分は73分に小手川から三平和司へと変更。自陣でのビルドアップの形に変化をつけてズレを探す。

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これにより多少は風通しが良くなったが……大きく流れは変わらず、試合終了。苦しい90分だった。

 

選手個人の印象
21.小島亨介

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ハイプレスをされると一番皺寄せが来るポジション。そんな中でもFWを引き付ける、であったりWBへのフィードであったり1列飛ばしたクサビであったりと、チャレンジをたくさんしていた。チャレンジはしてなんぼ。どんどん頭のネジを緩めてほしい。

最初のFKこそ防げなかったが、後半は相馬のシュート、小林のミドルなどスーパーセーブもあった。身体の使い方の上手さは流石。またみたい。

 

8.丸谷拓也

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守備に奔走して3バックでは目立った攻め上がりは披露できずに、本職ではないためかサイドに引っ張られる場面も散見された。

アンカーポジションに入ってからは散らし役として堂々としたプレーもハイプレスの餌食になる場面も。密集での落ち着いたプレーを片野坂さんは求めているのかもしれない。

 

39.庄司朋乃也

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対人での強さを随所で発揮。1点モノのシュートブロックもあった。一方でボール保持時には縦と横にしか配球ができずに読まれていた節も。対角線!ダイアゴナル!

もっと余裕が出てくればプレーも変わってくるだろうが、そんな上手い選手はうちは取れないし、成長してほしい。

 

16.岡野洵

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なんとなーーーくだが、調子の良し悪しがプレーに出やすいのか?という印象。対人プレーで身体より足が先に出てしまうことが多かったこの日は調子悪かった気がする。

ビルドアップ時には幅ばかりを意識してしまい、ハイプレスの餌食に。奥行きも見れるようになればなぁ、と。一方でボールを持つとフィードだけでなくシャドウにズバッとクサビをいれる場面も。それもっとみたい!

 

38.高畑奎汰

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突然の右WBでの先発も、逆足からチャンスを作る。縦に抉って右足クロスも上手かった。器用ね……。CBになってからは積極的にオーバーラップを仕掛けるが小林との連携がイマイチだったこともありトーンダウン。これも経験。

 

20.小手川宏基(73'Out)

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相変わらずめちゃんこカッコいい写真。プレー写真が絵になる選手。

ルヴァン杯で実験的な意味合いが強かったこと、アクシデントでガチャガチャしてたことからかバランス取りにとても苦労していた印象。そんな中でも自分の位置で前を向けたらチャンスになることをわかっている変態なのでサラッとオシャレターンとか魅せていた。

 

4.島川俊郎(31'Out)
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ほぼほぼ懲罰的な交代だった。

押し込まれていたため彼のカバーリングが生きる場面も多々あったが、片野坂さんが求めていたプレーとは違ったのだろう。ビルドアップの際のポジショニングがパターン化されてしまっており、後ろに人数がいるにも関わらず最終ラインに落ちる姿は昨年の宮阪政樹(現松本)とダブった。

しかしまだ3月。こっから理解を深めていけば良さを生かしつつビルドアップも上手くなるはず。その見込みがなければ少ない予算でうちは取ってない。次に期待。

 

19.星雄次
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高畑と共に重要なタスクを担う。昨年はレギュラーだっただけあり、機動力と右足なら可能性があるプレーを何度も作ってくれた。

特にこの日はライン間でのポジショニングとインスイングのクロスはあと少し噛み合えば1点モノだっただけに惜しかったな、と感じた。

 

11.馬場賢治
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相変わらずのポジショニングの良さ。滅茶苦茶気が利く選手。プレスバックでボールに寄せられるので攻守両面で上手いなと感じるプレーを随所で魅せてくれた。

一方で、アタッキングサードでのプレー精度は課題か。「違い」が求められる位置でのロストが多かった。

 

46.伊藤涼太
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ミスをしっかり突いて1ゴール。ガムシャラさが結果に繋がってよかった。

アクシデントから2トップの1角としてプレーをしてからは消えがちに。多分ぶっつけ本番だったので仕方のない事だっただろう。

果敢なドリブルは可能性を感じたが、スペースに走る味方を見られるともう一段上のレベルに行けそう。

 

18.伊佐耕平(33'Out)
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前線からのチェイスや、広大なスペースを突いてサイドに流れて起点となったりと対ハイラインの動きに慣れてるなぁ、と。見せ場が絶対来るだろうな、と思った矢先に負傷交代。それも長期離脱のようで残念。もっと見たかった。

 

25.小林成豪(31'IN)
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後ろでダブつくならサイドで奥行き作ろうや!ってことで投入も、高畑との関係性はあまり見られずに同じスペースを食いあったり、馬場がカバーリングに入っているのに下がっちゃったりと慣れてないな感が凄かった。だからといって前線で張って幅を取っても効果的なパスは来ない……悶々とした展開に。

 

45.オナイウ阿道(33'IN)
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伊佐の負傷交代により投入。山口在籍時は3トップの真ん中だったが、トリニータの求めるCF像とは違うようだ。ポストプレーは収まるけと判断が悪く収支はトントン。しかし、密集で絶対前向けるという特殊能力を生かして中盤で密集作ってクルッとして剥がす力業で何度かチャンスを演出。特徴を出し始めた様子。

 

27.三平和司(73'IN)
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シャドウ寄りのOHのようなポジションでプレー。なんとか中盤と前線を繋げようと頑張っていた。その頑張りの最たるものがサイドとの関連性。ボールを受けると星に預けて自分も前に行くだけでなくボランチも使って全体を持ち上げようとしていた。が、右CBの庄司の攻撃参加が積極的でなく(元々サイドでの経験がないし頭のネジがブッ飛んでる訳でもないからあるあるだが)、サイドの厚みを持たせる事はできなかった。しかし、この気の利かせ方はモテる男だからできるプレーだ。昨年からの継続が随所に感じられた。

 

やりたいことができないとき

問われたのは対応力。突然のアクシデントにどうするのか?という意味合いが強い試合に図らずもなってしまった。

現状のトリニータでは「剥がす」作業の意思統一に時間を割いているのでかなり酷な要求になってしまったが、苦しいがゆえに選手の特徴もよく見える試合になったとも感じた。

これからシーズンが進んでスタメンに割って入るのか、オプション止まりか、はたまたメンバーにもかすらないか。それは誰もわからないが、実にシビアな世界である。この苦しみを次に、そしてこれからのシーズンに繋げてほしい。

 

選手の写真は大分トリニータ公式HPより

 

 

 

 

 

 

【大分】vs横浜FM(A) 背後がない!〈J1 第18節〉

【報告】

滞ってるブログですが、リーグ戦折り返しという事でとりあえずは最新の試合から振り返っていき、時間があれば過去の試合(ルヴァン杯第2節~)のも更新、という形を取ります。

 

 

さて、ここからは週末の試合。

リーグ戦上半期を4位という好成績で折り返したトリニータ。序盤戦の貯蓄と接戦の取りこぼしが少なかった事が、ACL一歩手前という4位で折り返せた理由だろう。一方でGW明けあたりから明確に「トリニータ対策」をされてしまい、工夫は見えるがちょっとしたクオリティの差でやられてしまう事も多くなった。非常に難しい時期だ。

そしてリーグ後半戦の初戦はリーグ3位で勝ち点差1の横浜F・マリノス。前期での戦いではトリニータの完勝、前半戦のベストバウトだった。しかし今回はしっかりと対策をされて敗戦。それもやりたいことをほとんどさせてもらえない完敗に近い内容だった。難しかった試合を振り返っていこう。

 

この日のメンバーは以下のように。

横浜F・マリノス
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えっ!天野純スタメン!?海外移籍決めてJ1100試合出場決めてラストゲームは大分戦!トリサポからすると久保建英とか去年の山﨑凌吾とか思い出すからやめてほしい。トラウマスイッチ。

前期では4-1-2-3を採用していたが、今回はダブルボランチで来た。マルコス・ジュニオールがサイドからインサイドになってたりGKも飯倉大樹から朴一圭へ。アップデートが為されてる雰囲気。

会場は今季初のニッパツ三ツ沢。J1からJ3まで毎年ニッパツで試合をしてるので新鮮味はないがダイナミックプライシングでアウェイG裏が2500円と5000円が混在してた。すげぇダイナミックな上がり幅……

 

大分トリニータ
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今季(おそらく)2回目の3-3-2-2でのスタート。1回目もマリノス戦だった。右CBの岩田智輝が前節の浦和戦で負傷交代しており、かわりに島川俊郎が入る。インサイドハーフにはティティパンが久々にスタメン入りして長谷川雄志がベンチスタート。2試合連続途中出場からゴールを決めたスーパーサブの小林成豪はベンチ外に。怪我らしい。

 

サイドバックVer.2.0

今季のマリノスを継続して追っているわけではないが、前半戦と比べてより個人の特徴を生かした形の「偽サイドバック」を実施していた。

前半戦でのマリノスの偽サイドバック(後日掲載予定)はティーラトンが上手くハマらずにいた印象が強かったが、そこを修正してきたイメージ。8分に見せたビルドアップからもそれが伺われた。

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まずは基本の立ち位置の確認。

ここからボードに変わって……

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ダブルボランチの片方(主に喜田)が左CBに落ちて、もう片一方のボランチ(だいたい天野)が中央でリンクマンとしてプレー。

両SBがぐわーっと上がり中盤のサイドorハーフスペースまで上がる。ウイングはSBの立ち位置を見てレーンが被らないような立ち位置を取りつつ、ボールを受けるとカットインをしてハーフスペースでいじめる形。

中盤4枚はSBが幅を取って天野とマルコス・ジュニオールが縦だったり横だったりとビルドアップの出口に顔を出して大分の制限をのらりくらりとかわしていた。

 

守備、特にボールを取られてすぐの強度がとても高く、密集を作ることにより、大分が局面を変えられないうちに奪いきる。ネガティブトランジッションの精度が高いため、ハイラインでも破綻する事はほぼなかった。

 

 

前回の対戦時からの印象の変化としては、攻守の分業(または分断)がなくなり人数を掛けられるようになっていたこと。そして、ビルドアップの際にボールホルダーと同じレーンに立たないこと。さらには縦パスが入った瞬間に複数人がレーン移動を行い、深い位置でも余裕が持てるポジショニングを行っていたことが挙げられる。

 

大分の対策

複雑なビルドアップを行うマリノスに対して大分は前回と同様に3-3-2-2を採用し、球際の強度を上げる事をメインに行うことで相手の背後を狙った。

サイドバックの監視役にインサイドハーフの小塚和季とティティパンを置いてマリノスのビルドアップに蓋をする。中央で可変の肝になる喜田の監視を前田凌佑がマンマークで行った。

両チーム共にボールを持ちたがるため、自陣に押し込まれた際には偽SBをWBが、ウイングをCBの左右がそれぞれ見て3センターがバイタルエリアを埋める事を目標に。

攻撃では小塚、ティティパンが偽SBの背後を狙う事、WBとFWの距離感を大切にして狭いスペースでひっくり返そうとしていた。

 

が、この日はマリノスのマークの外し方が上手すぎて、攻守共に全く機能しなかった。というか機能させてもらえなかった。

 

大分の誤算

まずは相手が上手かった。が、これに関しては「J118位からのスタート」というのがチーム共通の認識(多分)であるためそこまで重要でなく……3センターの裏を取られまくった事だろう。

3センターの真ん中の前田は喜田とデートをしてるので自陣よりも敵陣での制限を行う。マリノスは喜田のボールの受け所を左にズラして中央の前田を釣り出す。小塚、ティティパンは偽サイドバックの監視をしていたが、背後のウイングが内側に絞るためにWBが前に出られない。


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大分の動きを赤、マリノスの動きを黒で。

喜田のDFライン落ち。前田はマンマークをしているため中央からサイドへ。

小塚、ティティパンは対面するSBを見るが、そのSBは内→外へ。これについていくと中央の天野、マルコス・ジュニオールがフリーになるし、かといって動かなければ中盤のサイドで起点を作られる。

SBが外に開くタイミングでマリノスのウイングはハーフスペースの攻略へ。大分のWBはサイドに流れてくるSBを見るか対面するウイングを見るかに悩み、左右のCBは突っ込んでくるウイングを潰しに出るかリトリートをしてスペースを埋めるかの判断を迫られる。

 

守備でことごとく後手を踏まされて究極の二択を迫られ続ける。中央のスペースを消してサイドに追い込む事すらもさせてもらえなかった。

また、3センターを球際に強く行かせたが為にバイタルエリアを空けてしまう場面も弊害として表れてしまった。

 

やりたいことができない。いつも以上に守備に追われる。なんとか高木の好セーブによって失点は免れたが、切羽詰まったまま前半が終了。

 

応急処置と我慢

片野坂さんにしては珍しく全く狙いがハマらなかった前半。後半の修正はシンプルなものだった。

相手がボールを持って確実に大分のブロックを崩してくる。ならば……相手からボールを取り上げてしまおう!という。

前半からハイラインをひいて局面をクローズして即時回収を目指すマリノス。大分はこれに全く歯が立たなかった、というわけではなく、局面をひっくり返す事さえできれば、逆サイドには広大なスペースがあり、そこを狙い目にはしていた。後半から大分がボールを握ることで、この逆サイドのスペースを狙いにいった、と感じた。

また、ボールを握るにあたり、3センターはボールを受けるとターンやドリブルを増やしてなんとか前に運ぼう、剥がしてやろうという気概がみえた。

 

背後がない!

マリノスのようにポゼッションで押し込みたい!となるとハイラインをひく、という結論に至る。それによりGKの守備範囲が広くなり、PA内から外へ大迫力のカバーリングが行われる。今となっては昔の話だが、佐藤優也(千葉)のミサイル特攻は鈍足のDFと相まってスリル満点のエンタメと化していた。

しかし、マリノスはそんな可愛い気のあるハイライン!ではなく、質を伴った暴力装置として大分に次の手を打たせなかった。

 

大分の「引き込む」ポゼッションに対してハイライン・ハイプレスで息をさせないマリノス。背後を狙えど、藤本憲明にはチアゴマルティンスがぴったりついていくし、朴一圭が広大なスペースを大胆に、そしてセーフティにカバーリングを行っていた。そのため、大分は背後がない状態に陥ってしまい、手持ちのカードにない「ポゼッションしながら位置を確保し、相手を押し込む」以外に有効な手立てがなくなってしまった。J1との質の差を「疑似カウンター」でなんとか五分五分に持ち込んでいた大分は、このマリノスの背後潰しによって強制的にがっぷり4つ組まされる羽目になってしまった。

 

また、56分には今季全試合フル出場だった松本怜が負傷により星雄次と交代。ツキもないのか。

 

 

やりたい事、できる事

後半からボール持ってマリノスの良さを消そうとしたが、それも45分間ずーーーっと続く訳でもなく。60分ほどからは、試合の流れが再びマリノスへと傾く。62分にマルコス・ジュニオールから三好康児を投入し一気に試合を決めにかかる。

大分は我慢の展開が続くが、ボールを持つ意識を持ったことで多少は攻撃でチャンスができはじめていた。よりボールを大切にするために、70分にプレス強度の高いティティパンから配球のうまい長谷川雄志を投入。

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3-4-2-1に変更をして、今できる押し込むためのポゼッションへとシフトを図った。

 

今のトリニータができる「押し込むための」ポゼッション。それはビルドアップの際のDFの動きにある。

 

緑がボール

破線がパス

実線が人の動き

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ビルドアップ時にCBの鈴木義宜から島川俊郎へ横パス。この際に島川の前に長谷川雄志がサイドへ流れる。

マリノスはハイプレスを行うためもちろん制限を。仲川輝人は島川へチェックしつつ縦の楔をケア。エジガル・ジュニオは鈴木へのリターンパスのコースを消すために鈴木-島川の間を埋めに行く。

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長谷川が空けた中央のスペースをCBの鈴木が埋めて、サイドの星はロングボールを受けるために前方へフリーラン。鈴木のカバーリングに前田が入る。

エジガル・ジュニオが蓋をしたはずの位置には鈴木は居らず、一列前のアンカーのポジションに入るため、島川からリターンパスを受けた段階で仲川とエジガルを剥がすことができる。といったカラクリだ。

 

これは片野坂監督が見てると話していたキケ・セティエンのベティスで、バルトラが行っていたビルドアップの形の1つ。鈴木がこの「バルトラロール」を行う事で局面を変えようとしていた。

基本的には「引き付ける」ことの応用であるが、このバルトラロールは神戸戦から少しずつ行っているためまだまだ実戦で有効な手立てにはなっておらず、実験段階である。そのためこの試合でも狙い通りに剥がせたシーンは1~2回ほど。義宜がそこで受けてからどうする問題もあるし難しいなぁ、という感想だが、切羽詰まった悪あがきのパワープレーなんかより片野坂監督の「らしさ」を感じられる采配であった。

 

「やりたい事」を「できる事」まで落とし込めれば良かったが、この日はまだ「やりたい事」の輪郭がぼんやりみえるかなー?くらいだった。シーズンは長いししゃーない。

 

高木の好セーブやDFが身体を投げ出しての守備によって瀬戸際で失点を免れていた大分だったが、74分にシュートブロックのこぼれ球をエジガル・ジュニオに決められて遂に均衡が破られる。スコアレスでもしんどかったのに失点をしてしまい、その後は相手がゲームをクローズして試合終了。0-1以上に差を感じるゲームであった。

 

しんどい時期

川崎戦からだろうか。良いゲームはできているが、「良いゲーム」止まり。やりたい事は見えるし創意工夫は痛いほど感じるが、結果になかなか結びつかない。ここ数試合はまさに「停滞感」の一言に集約される。

今あるすべてを出しきって、それ以上を求めるのはとても烏滸がましいと感じるが、これから先を考えるなら個人のレベルアップは必須だ。多分この停滞感を打破できるかでこの先のトリニータも大きく変わってくるはず。とても苦しく、もがいているのを知っているからこそ、報われてほしい。それだけ。

 

次は札幌戦!

妥当!停滞感!!!

 

 

大分トリニータ外国籍選手列伝(2005~)

試合のブログはドン詰まりだけど流行りには乗ってくスタイルで。

流行りはこれよこれ。

Jリーグ外国籍選手列伝まとめ|ジェイ|note

 

サンドロとかウィルとか思い入れが強い選手はいるけれど、初のトリニータOB監督だった皇甫官(記憶の片隅に「おい!ファンボ!いい加減にしろ!」と言ってた記憶がある)らへんから、つまりはイケメンなシャムスカになるちょっと前から書いていきます。

 

 

と、その前に。

05年からだと、外国人選手の中で我が家でイチオシのロブソンが抜けるので先に消化を。 

 

ロブソン(03年5~8月)
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Google先生が出した答えはテントと浦和のポンテ。俺の見たロブソンは……幻……?

 

2003年の5~8月という超短期間在籍していたロブソン。お前は蜃気楼か。守備放棄事件で話題になったFKの上手いロドリゴとレジェンドおじさんエジミウソンの間だっただけにトリサポですら「誰?」となっているはず。

当時の自分は小学3年生だったが、FWのクセに「走れない」「競れない」「決められない」の地獄のような3拍子揃ったダメダメ選手と理解。今にして思うと絶対的なコンディション不良という名のデブだった。夏の暑さにバテて45分でへばってた。通算7試合で0ゴール。最たる特徴は「目が青い」くらい。なんだそれ。

一番の思い出は、夏休みに犬飼リバーパークに行き、恐怖の摩擦熱を誇る滑り台を堪能しまくってから選手たちにサインをもらいに行く。トリニータのキャップにたくさんの選手からサインをぎっしり貰う中、ロブソンもついでに……と鍔の裏にお願いしたらロブソンはデカデカとサインを書いた。「空気読めや!」これがロブソンとの思い出。絶対居た。トトロ居たもん!

 

 

 

さて、こっから本題。

マグノ・アウベス(04年-05年)
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伝説のストライカー。このブログもホントはマグノからスタートするはずだった。すべてはロブソンが悪い。

前年の2004年に加入するとスピードを生かして得点を量産。昇格2年目でなかなか勝てなかったが、11点と気をはいた。シーズン終了後にはサポーターが段幕でマグノ残留を懇願。マグノもそれに応えて契約を更新する。

05年はファンボ!の半年があり、シャムスカに替わるがトリニータのエースとして18得点を記録。シャムスカ体勢初のアウェイ浦和戦でのヒーローインタビューでの「トリニータはまだ死んでいない」と語り草になる名言も。レジェンド。

同年に大分で行われたJOMOオールスターサッカーでMVPになる。試合後に隣のパークプレイスのカジャ(焼肉屋)でたまたま自分の後ろに並んでて握手してもらったよき思い出も。よくジョイフルにも行っており、CMにも出てたなぁ……パワフォー ジョイフォー

 

パトリック(04年7月~05年7月)

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熊猫さんブログより

見ての通りのイケメン。女性人気高かったなぁ。母も好きだった。

パットは前年のハン・ベルガー政権時に呼ばれてサンドロとCBを組んでいた。よく試合後にスパイクを投げ入れてたり、メンバー外になったらゴール裏に顔出したりしていた。7月の退団ではセレモニーもあり、滅茶苦茶悲しかったなぁ。

そして時は流れ2013年。ACLで柏と対戦をしてたり、小野伸二の居たウェスタン・シドニー・ワンダラーズ相手にゴールを決めてリーグ優勝を決めたりしてた。やべっちでも取り上げられてちょっと話題に。

 

ドド(05年~8月)

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2005年らへんはファンボ!のおかげ?で蔚山からブラジル人を取ってた。ドドもそう。

なんか上手くてFK決めてたような。あとタラコ唇って印象だったけどそんなにだった。

今年春に出たトリニータのオールゴールズにてマグノとドドは練習でも口利かないくらい仲悪かったらしい。知らんかった。

 

トゥーリオ(05年8月~06年)
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漢字じゃないトゥーリオ

ファンボの解任、シャムスカ就任に伴い一緒に来たブラジル人。エジとボランチやってたけど印象が全くない。なんだろう。黒子っぽさ。1年以上在籍していたし、たぶん良い選手だった。(ふんわり

たまたまフェイスブックアカウントを発見。未だに「以前の勤務先:大分県」にしてくれてる。律儀!そういうの好きよ。

 

エジミウソン
(03年10~12月、05年7月~06年、07年7月~09年)
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やべぇ!降格しちゃう!ってときにエジミウソン。効くんだわこれが。全国のJクラブを見ても3度同じチームに在籍していた選手ってエジと甲府マルキーニョス・パラナおじさんくらいではなかろうか?

試合では集塵機のごとく圧倒的なボールスティールと機動力。しかし、ガチャついたドリブルやダフるパスなど不器用だけど滅茶苦茶頼りになってたおじさん。これでも最初の所属の時は10番だったんだぜ……未だに謎だけど。

ピッチ外では明るく気さくなブラジリアン。そして高松大好きおじさん。ホーム最終戦後のピッチ周りをぐるーっと回る時にずっとマイクを持ってカタコトの日本語でわちゃわちゃしてたり、高松のチャントやったりと楽しいヤツだった。

不器用でずんぐりむっくりな憎めないおじさん。大分はそれに頼りすぎた。3度目の所属でクラブの初タイトル獲得に多大な貢献をしてくれたレジェンドは、翌09年は怪我がちに。すると中盤は一気にスカスカになり泥沼の14連敗……チームの層に関しての教訓という意味でも貢献してくれた。

 

日本ではその後、神戸と熊本でもプレーしたが、本人のなかではトリニータに一番の思い入れがあるようで、腕にはナビスコ杯の刺繍も。

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今でも元気にしているようで、フェイスブックのプロフィール写真はトリニータ在籍時のもの、サポーターにはDM「Tanjobi omedeto!!!!」とか送ってくれる。最高か!

14年に鳥栖で行われたレジェンドマッチでは、身体こそパンパンになっていたが相変わらずのボールスティールを披露。やっぱりエジはいつだって最高。

 

オズマール(06年~6月)
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ゴールセレブレーションでバク宙してたから小学生の自分はワクワクしてたけど3ゴールのみ。守備頑張ってたらしいけど半年でグッバイ。チャント好きだったなぁ~。

 

ラファエル(06年6月~12月)
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写真はおそらくマルハンサンクスデーで配布してた選手カード。西川のレア当ててめっちゃ嬉しかった思い出。

ラファエルはアウェイ福岡戦で点決めて「こっから調子あげてくれ!」と思ったらそれだけだった。ダービーで決めてなかったら絶対記憶にない。

 

プラチニ(06年8月~07年6月)
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我が家ではピント(01年)マルセロ(02年9月~12月)に次ぐ久々のブラジル人留学生、くらいの認識だった。サイドやってたなぁ、くらいでどっちサイドかすら覚えてない。謎にリーグ戦とカップ戦に1試合ずつ出てるが記憶になし。

Wikipediaで見てみると、やはりC契約。後のC契約の外国人は2014年まで待たなければならない……

 

ジュニオールマラニョン(07年~7月)
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シャムスカ・マジックと呼ばれる躍進を遂げた翌年、エジミウソントゥーリオを解雇してまで取って来たマラニョンシャムスカのお墨付き!外人の一人目だったが見事にダメだった。ボール奪うよりミドルふかしまくる印象しかなく、枠に飛ばない。シャムスカも人の子とよくわかった補強であった。

 

セルジーニョ(07年~7月)
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シャムスカのお墨つ……

シャムスカも人の……

太ってた。高松も松橋章太もブレイク。山崎雅人も居たため空気だった。以上。

 

アウグスト(07年)
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シャ……お……

彼は他のブラジル人2人とは違い、前年に横浜FCでプレー。10アシストもしてたそうな。

トリニータではトップ下のポジションだった。他のブラジル人がアレだったことも差し引いてもうまかった。だが、シーズン序盤で怪我をしてそのままフェードアウト。もうちと見たかったようにも思えたが、トリニータにそんなカネははい。

 

ホベルト(07年7月~09年7月)
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ナビスコ杯優勝やリーグ4位、リーグ最小失点を話すで欠かすことのできないボランチ。加入の経緯は外国人枠3人のうち2人が期待はずれ、1人は怪我で一時帰国でいよいよドーピングしねぇとな、ってことで「リベンジ16」と銘打ち、鈴木慎吾エジミウソン(3度目)と共に加入。

半年前に福岡でリティがホベルトを干してチェッコリを加入させていなければ、こんな優良物件が大分に来てなかったらしい。ウケる。

エジミウソンとのダブルボランチJリーグで最強のフィルターとなり、リーグ戦24失点という堅守を築き上げた立役者。エジとホベが森重を育てたといってもいい。たぶん。

スーパープレーは記憶にないが、ナビスコ杯決勝でCKのこぼれ球を近距離で枠に当てたのにはすごく悶絶しました。

09年は怪我で離脱をするとザルになってしまった。長期離脱だったが、夏場に復帰することになった。が、一度登録抹消をしてしまっていたために同一年で再登録が認められなかったため鳥栖でプレー。大誤算だった。と、Wikipediaを見ながら思う。

 

ウェズレイ(08年~09年8月)
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加入時にはなんでうちに!?ってくらい実績十分にも程があるピチブー。ムチムチな身体から放たれる理不尽キャノンはやっぱり凄かった。マグノ以降のFWが軒並み不甲斐なかったために「ほ、本物だぁ~!」とときめいたなぁ。開幕戦で理不尽ミドルを決めたり、ナビスコ杯決勝でダメ押しゴールを決めるなど、その実力を十二分に魅せてくれた。

しかし、広島のJ2降格に伴うおこぼれであったにしても、こんな反則外人を大分が取れたのには裏があった。ずーーーーっと膝にテーピングをしており、決して万全な状態ではなかったのだろう。そんな中で頑張ってくれたことには感謝しかない。翌年も1年通してプレーしてほしかったが夏に引退を表明。大銀ドームの芝問題も足枷になっていたであろう。本当に申し訳なかった。

 

チェ・ジョンハン(09年7月~14年6月)
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初の降格からJ1復帰までよくぞついてきてくれた。難しい時期での活躍、華やかさよりも泥臭いプレーが印象的だったためレジェンドというよりは功労者的なイメージ。

加入時はFWで、2年目にはハットトリックを記録。3年目にはタサカイズム(コンバートウズウズ)によりWBにコンバートされて今の松本怜プロトタイプ的な存在に。このときのWBの役割はクロスに突っ込む人間魚雷の役割だったため松本怜とは旧ザクハイザックくらい違う。ちなみに逆サイドはまだ坊主だった三平和司でした。

不器用だけど泥臭くてあきらめない。ほんと走る。J1でプレーしてる姿を見れて嬉しかった。

 

フェルナンジーニョ(09年7月~12月)
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ちっさいおっさん。

点取れないから外国人!とか安易にやっちゃうからカネがなくなる。カネがないのに買っちゃうからカネがよりなくなる。仙台さんごめんなさい。ありがとう……

という愚痴はさておき、ポポヴィッチ体勢からは活躍してた。根腐れして魔法の粉で誤魔化しまくった大銀のクソ芝でよく走ってた。伝説の名古屋戦で東のプロ初ゴールのアシストは彼。と思ったらその前のピンポイントクロスだった。やっぱり上手い。

 

キム・ボギョン(10年)
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セレッソに内定も、外国人枠の関係で大分に来た大卒新人。セレッソには上本大海清武弘嗣高橋大輔を買い取って頂き金銭的に援助をしていただいただけでなく、こんなスーペル外国人を貸していただけるとは……。

開幕してすぐは柏とかにも点取ってたしトリニータから初のワールドカップ選出もされるしで凄い期待していたけれども、その後はフェードアウト。左足のカットインを防がれると右足オモチャとバレてた。監督が再びファンボだったからボギョンのフォローも用意できなかった。翌年は借りパクなんて言える身分でもないためセレッソへ。言えるのはボギョンはJ2が育てた!かな。

 

チャン・ギョンジン(10年)
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当時はなんか中川家っぽいなって思ったけどそんなことはなかった。緊縮政策で選手がぶっこ抜かれてたけれど、DFラインには菊池直哉、藤田義明、池田達哉に小林宏之も居たからそんなに……というか全く印象に残ってない。

 

姜成浩(カン・ソンホ)(10~11年)
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デカいボランチ兼DF。トリニータでは2シーズンで54試合にも出場。だがプレーは覚えてない……謎に清水に引き抜かれてからは京都→東京V→金沢とレンタルで移籍するもどのチームでも主力にはなれていないようだった。

引退後は京都のフロント入り。大学が関西だったため度々見かけたが、いかんせんトリニータでのプレーを全く思い出せないために「ほぇ~、カン・ソンホだ~」となるくらいだった。申し訳ない。

 

 

 

ここで突然ですが

記憶の欠如。

09年~10年にかけて、チーム存続のために主力を放出しまくった大分トリニータ。自分も「やむなし」と腹を括っていたが、ファンボの無味無臭なクソサッカーで急激に興味がなくなってしまう。何試合か試合を見たが「こんなのはトリニータじゃない!」と思ってしまい、ミスチルやAKBにどっぷりハマったりして徐々にフェードアウト。翌11年には高松もレンタルながらFC東京に移籍をしてスタジアムで見ることはなくなってしまった。そこからトリニータとはスポナビとテレビでハイライトをながら見くらいの距離感に。すべてはカネが無いのが悪い。

 

再びトリニータにどっぷり浸かるのは2年後の12年。自分でもよくわからないが、J1昇格支援募金らへんから「なんか昇格するかも知れん……」と思って足を運ぶように。PO準決勝で森島の4ゴールに父とキョトンとして決勝をTVで見て田坂さんの涙にもらい泣きしてからは再びトリニータが人生の中心らへんに。

 

……ということで11年、12年前半戦くらいの選手はわからん!知ってる人は情報求ム。

 

イ・ドンミョン(11~12年)
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見てない時期に結構出てたみたい。知らん。

 

キム・チャンフン(12年)
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見てない時期にそんなに出てなかった。そら知らん。

 

こっから覚えてる!

 

キム・ジョンヒョン(12~15年)
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最初の2シーズンはゴリゴリ削りまくるファイターというか武闘派だった。だが、14年夏にダニエルが加入してから急に覚醒。アグレッシブなプレーでボールを刈り取り、ブレ球FKやドライブ性のミドル打ったり。185㎝とデカイから競れる。そして期待した15年はチームも不調で柳田がクソすぎてジョンヒョンもそんなだった。柳田じゃなかったらもっと活躍できてただろう。

 

金永基(キム・ヨンギ)(13年~7月)
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J1昇格のタイミングで加入も、丹野研太清水圭介の壁を越えられずに第3GK。出場機会はなかった。夏には福岡にレンタル移籍も翌年の契約更新はなかった。長野で阪田章裕と一緒に写ってる~!くらいしか話題を知らない。

 

ロドリゴ・マンシャ(13年)
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フェルナンジーニョ以来のブラジリアン。J1に戻ってきたなぁ~と実感した13年の春。まだサポーターは元気でした。

宮沢正史梶山陽平ボランチを組み、スカスカのDFラインの前で削りまくっていた。チームの状態が悪すぎたからそこそこ以上の印象。しかし、贅沢は敵だ!ということかシーズン終了前に契約満了が発表。カネはまだないからしゃーない。

 

ジョナサン(14年)
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鳥栖からレンタルで来たクラブ初のコロンビア人。そしてプラチニ以来7年ぶりのC契約での選手。出場はゼロ。Wikipediaに大分退団後の消息がわからないのはちょっとさみしい。

 

カン・ユング(14年)
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神戸からレンタル加入。左SBらしいが安川有のバックアップにすらなれないまま1シーズンでチームを去った。出場はゼロ。

確かうちに居たときか翌年の愛媛在籍時に靭帯断裂してたような。

 

ラドンチッチ(14年7~11月)
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大宮がムルジャを獲得したことにより外国人枠を超過。なぜか大分に来た。

来日初ゴールは07年の九石ドーム甲府なんかには絶対負けないやろ~とタカを括っていたが自分は甘かった。なんであんな電柱に裏取られてるんや!と苦い記憶。

トリニータ加入後初の試合では、札幌ドームにて。札幌は小野伸二加入で盛り上がってたが、それを沈黙させる一撃を食らわす。アーリークロスをボックス内のカマボコらへんでヘディングすると綺麗にゴール。あれは理不尽。

そこから、圧倒的な高さに目が眩んだのはトリニータ。ショートパスを繋げるのを放棄し「戦術、ラドン」に。閉塞感を徐々に感じてきた11月に膝の治療のために契約を解除。Jで実績のあるFWはやっぱり間違いないな、って思った。チャントもシンプルで好きだった。

 

ダニエル(14年9月~16年)
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こちらもレジェンド。14年9月に加入をすると、その年はボランチとしてプレー。長い足を生かしてボールをスパッと奪い、持ち上がってのミドル。福岡戦でのゴールは最高だった。キム・ジョンヒョンを魔改造したのはダニエルだと思ってる。

翌年からはCBとしてプレーすると共に、サンドロ以来実に11年ぶりの外国人でのキャプテンを務めた。ルーキーの鈴木義宜は彼の背中をみてJ1屈指のDFになった。福森直也もたまに行方不明になるが、立派にプレーしてる。それは一重にダニエルの人徳ゆえに為せる業。

J2・J3入替戦では先制点を決めるも、相方の鈴木がプロ初の退場をするなどしてJ3降格。失意のシーズンオフに真っ先に契約更新もしてくれた。

16年は苦しみながらもJ3優勝。ダニエルは鈴木、福森にスタメンを奪われたがチームを支えてくれたが、惜しまれつつも退団を発表。後に大分在籍時には肺癌を患っていたことがわかったが、その時にはダニエルはこの世に居らず。今年の2月の事であった。

最後までトリニータの為に尽くしてくれたこの男を我々は忘れる事はない。

 

エヴァンドロ(15年)
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22試合で3ゴール。めちゃくちゃ気分屋でムラッ気が半端なかった。が、ポテンシャルは凄まじく、パンチのあるシュートを突然放ってたりしてた。だけど3ゴール。

初めて行った群馬で来日初ゴール。ゴールパフォーマンスがかっこよかったのと、シンプルなチャントが好きだった。けど3ゴール。J3に降格しました。もっと決めんか。

 

ムリロ・アルメイダ(15年~3月)
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15年に加入も3月でレンタル移籍。よく写真あったなあ……

この時の無能強化部はクソボケ柳田。東ティモールってなんやねん!代表で7試合6ゴール……って東ティモールやないかい!!!

おそらく無能柳田もキャンプ時に「やべぇの取っちまったぞ」と思ったはず。契約書にサインする前にプレーくらいみろクソボケェ!

大分での出場はゼロ。レンタル先の長野でも出場ゼロ。なめとんのか?

 

フェリペ(15年3~8月)
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クソバカ無能柳田がよーし!東ティモールのパイプ作っちゃうぞ☆と張り切って取って来たフェリペは、加入後すぐに外国籍の関係でJFLヴェルスパ大分にレンタル。ムリロが無理とわかってからレンタルバックするも怪我で出場ゼロ。大分ではこれから「東ティモールガチャ」なるパワーワードが生まれたとか生まれないとか。

 

東ティモールのこの2人は後に経歴詐称で問題になったのをちらっと耳に。柳田無能伝説の始まりである。

 

パウリーニョ(15年9月~16年)
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京都や甲府で猛威を振るったFWも年齢には敵わなかった。大分ではリーグ戦2試合1ゴール。ふらっと出た磐田戦で理不尽ゴラッソを決めてエグさの片鱗を見せたがそれっきりだった。

パウリーニョといえば……この試合。

J2・J3入替戦第2戦では、第1戦を1-2で落とし、この2試合目も前半に高松がPKを外すと、58分に町田の鈴木孝司に、逆にPKを決められてトータルで2点のビハインドに。無能柳田は考えに考えて90+3分にパウリーニョを投入。パウリーニョはピッチで項垂れるためだけに生け贄として捧げられたのは伝説の無能采配だった。

今、当時のハイライトを見てもパウリーニョからの下りが蛇足すぎて柳田のアホっぷりがわかるので是非。宇宙から来てるの?

このクソボケ柳田のせいでファンボがマシに見えるから困る。クラブOBを立てる柳田って本当に凄い。

 

黄誠秀(ファン・ソンス)(16年~18年)
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大分では3シーズンで19試合と出場時間こそ少なかったが、プロってすげぇなぁ……と感じた選手。

ユーティリティさで生き残ってきた選手という印象。それは裏返すと器用貧乏であり、本職の選手にはどうしても見劣りしてしまう。18年は現在の片野坂さんのサッカーと同じ内容。右CBが固定されていない時期で、ソンスもそこでプレー。はじめてプレーした新潟戦ではビルドアップにあまり関与できずに相手からも狙われたりと散々だったが、夏以降にしっかりと修正。柔軟性があるからこそたくさんのポジションをこなせるのだろう。

昨年末でプロを引退したが、井筒陸也などと関東2部のCriacao Shinjukuにてプレーをしている。

 

キム・ドンウク(16年3~12月)
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居たけど印象にない。片野坂体勢初年度は442を採用していたが、FWは後藤優介、三平和司、吉平翼、伊佐耕平、大津耀誠で回していたためスタメンにはほとんど名を連ねず。 

 

キリノ(16年7~12月)
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湘南からレンタルも、衰えからか不幸にも……違う違う。衰えからか全くインパクトを残せず。記録をみても14年からノーゴール。当時はDAZNでもJ3は全試合配信はしてなかったからそんなに知らない。大分退団後は1年挟んで鹿児島へ。

キリノ東ティモール国籍でザワついた。やっぱり東ティモール商法は悪徳なので要注意。

 

シキーニョ(17年6月~12月)
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久々にそこそこのインパクトを残したブラジリアン。そりゃ東ティモール詐欺に2年くらいあってたしその後だからハードルは下がっていたけれども。

足の速さと足元が上手い左SH。大分では左のWBをしていたが、走力はそこそこだったため守備でへばってた。それでもボールを持てば何かやってくれそうな雰囲気があり、深い切り返しとかは良い選手だな、と思った。

ピッチ外では伊佐から「しっっっっぽり飲み」を教わってた。使用用途がわからねぇ。

 

ムン・キョンゴン(17年8月~)
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ムンちゃん。大卒で加入したが、GKの層は厚く今は高木駿、ポープ・ウィリアム、小島亨介に次ぐ第4GKという位置付けだ。この夏からでインパクトを残せなかったらちょっと厳しそう。伊佐スタグラムにて日本語を頑張って覚えて積極的にコミュニケーションを取ってる。報われてほしい。

デジっちでは好きな女優にキム・サランを挙げて「誰やねん!」と突っ込まれてたが、伊佐スタを見る限りたぶんボケよりもツッコミだと思ってる。

 

イム・スンギョム(18年~7月)
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名古屋が大分へレンタル移籍することをお漏らしした事くらいしか印象にない。一度ムン・キョンゴンのストーリーにひょっこり出演。母国で元気にしてるっぽい。

 

ウイリアン(18年8~12月)
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ウイリアン・エンリケ・アントゥネス。なげぇよ。ってのでちょっと話題に。

竹内彬の移籍により来た長身DFだが、加入1ヶ月で怪我に泣いた。トリニータでの出場はなかったが、全く入る気配がなかったセットプレーとか、ドン引きした相手にFWとして大作戦とかワクワクしてたけど実現ならず。片野坂さんがどうチームに組み込むか見てみたかった。

トリニータ退団後は鹿児島に移籍。MF登録だしおそらく足元も持ってるんだろう。

 

ティティパン(19年~)
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正直東ティモール詐欺にあってたからタイ代表でもそんなに信じてなかった。ヒョロヒョロの山口蛍やろ、くらいの気持ちだったため、開幕スタメンを飾るとは思わなんだ。

球際の強さとスペース認知を生かしている。開幕当初は球際の強さを生かしてボランチをしていたが、最近はシャドウでプレー。確かにボールを散らすよりは受ける方がイメージしやすい。ハーフスペースでパスを呼び込んでるときは結構チャンスになってる事からもピッチを俯瞰して見れる選手なんだろう。

アドレナリンバキバキに出てるため、ピッチ内ではよくファールをしているような。ベトナムとの代表戦でビンタしてたんはさすがに笑った。そらあかんで。

一方でピッチを出ると微笑みの王子に。髭のない伊佐は代表帰りに選手たちに洋服買ってきたりとけっこう太っ腹。伊佐スタでもっと弄られてほしい選手。

 

振り返って

ざっと40人。とりあえずは満足です。

とにかくトリニータ時代の写真が少ない!トリニータのカードをアップしている青紙応援団様には特に感謝です。

 

教訓は

・ガチャは回すもんじゃない

・稀にUR級の選手が来たりするが期待するな

・ダブルボランチ外国人はチート

東ティモールガチャを信じるな

・柳田は宇宙人

 

以上!

【大分】㊗️大分から世界へ〈コパ・アメリカ ブラジル2019〉

2008年のナビスコカップ優勝の翌年。大分から「チームで」世界へ!と大きな期待を胸に始まった翌09年シーズンは怪我人の多発やコンディション不良もあり、まさかまさかの14連敗。他にも芝問題や経営難により降格。シーズン後には経営状況の改善のために多くの主力選手を手放していかなければならなかった。

そんな失意のシーズンオフ。アジア杯予選のイエメン戦西川周作菊地直哉金崎夢生の3人が選出される。これがおそらく「所属:大分トリニータ」の最後の選手達だった……

 

そこから10年。トリニータは激動の10年を過ごす。メンバーはガラリと変わり、J2で中位に甘んじ、苦しみながらJ1へ再昇格をしたかと思ったらホーム戦未勝利で再び降格。それどころかJ3まで落ちた。片野坂体制で見事に建て直されたことにより、「3年でのV字回復!」とメディアに取り上げられているが、我々からしたらJ1の舞台で「戦えている」と感じられるのは実に10年ぶりなのだ。それだけでも感無量である。

 

ほとんど忘れかけていたトリニータ所属の代表選出。イマイチ実感がなく、「ワシが育てた!」くらいの意味合いになりつつあった「大分から世界へ」というワード。それが昨日、久々に蘇ってきたように感じる。

 

小島亨介選手・岩田智輝選手CONMEBOLコパアメリカブラジル2019(6/14~7/7)SAMURAIBLUE(日本代表)メンバー選出のお知らせ | 大分トリニータ公式サイト

 

 

「日本代表」に「所属:大分トリニータ」から2名も選出。チームで活躍し、Jリーグでも注目されている高木駿や藤本憲明の選出はなかったが、久々にトリニータから日本代表に選出。それもA代表に、だ。

じんわりと実感がわいてきた。大分から世界へ。年代別の代表で正GKを務めてきた小島亨介が「ここなら成長できる」と選んでくれたトリニータ。ユースからずっとトリニータで、「育成の大分」の看板になりつつある岩田智輝。彼らの選出を心から嬉しく思う。

そして、片野坂監督をはじめチームが上手くいっているからこその代表選出だとも感じる。快くコパ・アメリカに送り出してくれた大分トリニータや所属する選手たちにも感謝をしたい。

 

 

 

今の日本代表には、正直あまり良い印象がない。ロシアW杯の後にこれからの指針も明確にせず、昨年のアジア杯ではやりたいサッカーが見えずに即興性にばかり固執。相手を全く見ていないチームには本当にガッカリした。だが、「トリニータの選手が出場する機会があり得る」代表戦はやはり気になるもの。ちゃんと特長を出せているか?チョンボしてないか?チームに貢献できてるかな?……

今の日本代表には期待より不安が大きいが、そんな先が見えないチームでトリニータの選手達がどんなプレーをしてくれるのか?楽しみで仕方ない。頑張ってほしい。継続して呼ばれてほしい。

 

 

 

今回のコパ・アメリカの召集メンバーはA代表の選出がない選手が多い。他チームや代表を中心に見る方々にトリニータの2人がどんな選手なのかをざっくりと書いていく。

 

GK 小島亨介
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今季大分に加入した大卒新人。U-16から毎年年代別の代表に選ばれ続けてきたエリート。

トリニータではリーグでの出場は無いが、ルヴァン杯で2試合に出場。GKにビルドアップを求められるため、それに順応中といったところ。

ビルドアップではポジショニングやパスにまだ課題が残るが、守備に関してはすでにほぼ完成された選手に思える。予備動作のプレジャンプが小さく、どちらかの脚が地面についている状態をしっかり作っており、シュートに対する反応が早い。プレジャンプはシュートのタイミングが合わないと着地から動き直しをしないといけないため、反応が遅くなってしまう。

13年の横浜FM戦での中村俊輔(現磐田)のFK。この場面でGKはプレジャンプをしてしまったがためにタイミングを外されて決められてしまった。こういった細かい動作にも注目してほしい。

 

DF 岩田智輝
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昨年の夏前頃から不動の右CBとしてプレー。今季もリーグ戦全試合フル出場と元気。

トリニータでは右サイドの松本怜と共にチームの攻撃を支える攻撃的なDF。サイドのハーフスペースに飛び込みボックス内からマイナスのクロスやシュートを持つ。今季は既に2得点。頑張ってる。

攻撃面に目が行きがちだが、特筆すべきは対人能力の強さ。2種登録でありながら天皇杯3回戦横浜FM戦で右SBとして出場すると、マッチアップしたアデミウソン(現G大阪)を完封する。今年は自信初のJ1でのプレーになるが、能力の高い選手が相手でも対人での強さは変わらなかった。

基本的なポジションは3バックの右と右のWB、4バックの右サイドになるが、ユースではボランチを中心にGK以外全てのポジションを経験。トップチームでも展開によってシャドウを務めるなど、ポリバレントさを持っている選手だ。

 

今回のコパ・アメリカに選出された23人の内、初のA代表となった選手は13人も居る。

前述のイエメン戦では、選出された19人の内、14人が代表初召集。吉田麻也酒井高徳大迫勇也もこの時が初の召集だった。

コパ・アメリカに召集されたメンバーもA代表ではあるが、東京五輪世代が中心のチーム。ただ、学ぶだけの場にするのではなく、ここで結果を残して継続して代表に選ばれてもらいたい。

 

いやぁ、嬉しいなぁ~!亨介!智輝!頑張って!!

 

 

写真は大分トリニータ公式HPより

https://www.oita-trinita.co.jp/match_info/gallery/

 

【大分】vs磐田(A) 確実に〈J1 第3節〉

こんにち令和!元号も変わったのに未だにし3節。ヤバいヤバい。

 

名前を見ると豪華なメンバーな磐田。しかし戦術が「気持ち」になると個々のアイディアが足りねぇよ!と細かい所がすべて選手に丸投げにされてしまい、行き詰まってしまう。

そんな相手のゴタゴタに巻き込まれることもあったが、大分は淡々と出来る事をしてがっちり勝ち点3を掴んだ。

 

この日のメンバーは以下のように。

ジュビロ磐田
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「偽SB」をするために、本来は中盤の選手である松本昌也をSBに。両SHは馬力のある外国人に任せる形。

不運な事にCBの要である大井健太郎を怪我で、左SBの高橋祥平が体調不良でベンチ入りすらしなかった。

 

大分トリニータf:id:west242447:20190507225128j:image

俺たちのゴレアドールこと後藤優介が先発に入ったこと以外はスタメンは変更無し。小林成豪や伊藤涼太郎はベンチからスタート。

前回対戦は2015年。パウリーニョのスーパーゴールも、土壇場で小林祐希に決められて磐田はJ1昇格、大分はJ2J3の入替戦に回る。入替戦で迷将柳田は後半ATパウリーニョ投入の伝説を作った。その後に片野坂さん来るんだからホントわかんないなぁ……

 

ざっくりとした狙いでは

冒頭にも書いたが、磐田は「気持ち」を重視した究極の個のチーム。名波さんは偽SBをしていたが、なんのためにやっているかは全くの不透明さ。そんな歪んだ中でもざっくりとした大分対策らしきものはほんのり感じられた。

攻撃ではトップ下でポジションをとる大久保嘉人が大分のDFと中盤の間で受けることで相手にボールを見せて、サイドで強力な個を使い突破をする事。守備では大分のボランチである前田凌佑を川又堅碁や大久保がプレスバックをしてボールの即時回収を目標にしていた。

しかし、大分それで捕まるほどJ2でヤワな試合をしてきてはいない。ビルドアップでは高木駿がCBの一角として振る舞い、大分は高木+3バック(+ボランチ)で組み立て。磐田は川又、アダイウトン、ロドリゲスが3バックに蓋をして大分が無理に通そうとした縦パスを大久保が切るのを狙っていたようだ。大分は4人(+ボランチorWB)がビルドアップをしているのに磐田は4人しか制限をかけに行っていない。それでは磐田は守備の方向付けをできたとしても高木→逆サイドのWBで一気にひっくり返ってしまう。また、磐田の両サイドのアダイウトン、ロドリゲスが大分のビルドアップの制限をあまりかけられておらず、自由に振る舞い、プレスに行ったり行かなかったりで全く連動性がなかった。

ここで出てくるのが磐田の個々のアイディアと言う名の「気持ち」だ。連動性が全くないプレスにしびれを切らして大久保は勝手にボールへと食らいつきバランスを崩すと、ボールが取れないからとよりプレスにいかなくなるSH。気持ちが揃わないので大分は気持ちよく相手を釣り出して背後、背後へとボールを回していくだけでよい。相手のざっくりとした狙いを上手く往なしていた。

そして13分。サイドに流れた前田凌佑が内側に入ったSBの背後へとスルーパス。これに後藤優介がサイド深くでボールを受けてCBを引っ張り出してクロス。これをニアサイドに飛び込んだ藤本憲明がしっかりと決めて早速の先制点。ゴールパフォーマンスで「LTポーズ」も。

ちょっと違うかもだが、昨年の水戸戦のゴールみたいな。ワンタッチできっちり決めて「これは決めて当然」みたいなふてぶてしさ。最高にクール。

 

大分の磐田対策

あんまりにも基本的な釣り出して背後→背後という安直すぎる(と言っては失礼か)形で幸先の良いスタートを切った大分。磐田に問題があったこともあるが、大分がエラーを引き起こしやすくしたのはしっかりと準備をしてきたからだ。

 

大分の対策は攻守共に関わる点と攻撃面でのものであった。

攻守共に関わる点ではSTは開きすぎない事。

大分は守備で5-4-1のブロックを作りSTはサイドを守るが、この日は1つ内側のレーンに立ち位置を置いていた。これにより守備では待っていたら相手SBが内側に絞るためにゾーンで守り易くなり、攻撃では内→外に流れてSBが空けたスペースを使いやすくなる。

攻撃面ではビルドアップ時にST-WBの間でボランチがボールを受ける事。先制の場面ではWBの松本怜とSTの後藤の間で前田がフリーでボールを受けてサイドを攻略。これは前田がサイドに流れてボールを受ける事により、内側に絞った磐田のSBを釣り出す事ができる。するとWBもSTも相手の背後を取りに行くだけだ。得点の場面でもSBの背後を後藤が取ったため、磐田のCBがサイドに出ていくしかなくなった。それだけではなく、前田がサイドに流れた際にティティパンが内側に絞ってアンカーとして立ち振る舞ったため、リスク管理まで行えていた。まさに狙い通りだろう。

 

磐田のリアクション

内側での数的優位を作り出していくサッカーをする磐田だが、内側に人数をかける代償としてサイドをハチャメチャにやられまくっていた。これに対して磐田は最終ラインを高くする事を選択。それにより中央の密度を高めて、スモールスペースを攻略していきたい意図を感じることができた。

……が、背後に広大なスペースがあることは大分の裏抜けマシーン藤本がイキイキする事を意味する。大分はビルドアップも主体にしているが、無理に繋がずにロングボールを蹴るために大分を押し込むという目標は達成できない。

30分には、スルーパスに抜け出した藤本を大南拓磨が倒してしまい一発退場。残り60分を磐田は10人で戦う事になる。

 

策がことごとく裏目に出る磐田は33分にロドリゲスを下げて櫻内渚を投入。DFの数を合わせる。

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セットした守備時ではアダイウトンをトップ的な役割をさせてコースを限定。ムサエフを最終ラインに落として大分の攻撃陣と人数を合わせる。

被カウンター時は、大分WBにSBをぶつけてSB-CBの間にボランチが落ちてカバーをする。

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攻撃では大久保が前線に上がり、大久保の立ち位置を見てアダイウトンと川又が幅を取るように。大久保が右サイドに流れたら川又が中央、のように流動的だった。

皮肉な事に、磐田は1人減った事によりスペースが出来、誰がどこを見るかの判断がハッキリする。特に守備は人数が揃っている時よりも強度が確実に上がった印象であった。

41分にはムサエフが上がって川又がシュート。福森直也がブロックしたボールは宙に浮くとアダイウトンがバイシクルのスーパーゴールで同点に。やはり個の力では上回る磐田が前半の内に追い付いて折り返す。

 

見られた変化

大分からすると上手くいっている中で前半終了という不気味な流れ。後半の入りは前半と同じく、ボールをしっかり保持して全体を押し上げることからはじめた。

磐田はこれに対してアダイウトンをサイドに戻して川又を真ん中にした4-4-1で守る。

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4-4-1に変更した事により、大分のGKとDFラインのビルドアップの誘いには乗らなくなっていた。

そんな相手のブロックを崩せない、いやーな流れを変えたのは福森直也だった。55分に中盤左サイドで前田からパスを貰うと、一度は高山薫に預けて大外に開くと、高山→前田→福森とボールが回り浅い位置から突然のクロス。ボールは相手DFの頭上を越えて後藤がファーサイドでボレー。これが決まって再びリードを奪う。

相手が引いて守る中で、左右のCBが高い位置を取ってフリーでアーリークロスを放り込むという出し手の変化を加えて最初のプレーで得点。ニアサイドに走りDFを引き付けた藤本の動きとファーに走り込んでボールの落下点にしっかりと走り込む後藤の嗅覚と決めきる技術も素晴らしかったが、福森の攻撃参加がとても効いた。今まではWBの背後のスペースをカバーする事をメインにしていたため、あまり攻撃面での貢献は見られなかった福森。前節の交代で久々にフル出場を逃したが、その際に投入された高畑奎汰が見せた溌剌とした攻撃参加から、福森は攻撃に対する意識を高めたのだろう。片野坂監督のチームマネジメントと、それにしっかりと答える選手。ただの勝ち越しゴール以上の価値のある得点だった。

 

しっかりとゲームを閉める

大分がリードを奪ったため、点を奪いにいかなければならなくなった磐田だが、プレスがかからない。それを尻目に大分は58分に高山を下げて星雄次を投入。変化を加えるというよりは、ゲームプランでリードをして60分程で星にJ1の試合を経験させるというのが片野坂監督の頭にあったのだろう。

数的優位を生かしてプレスのかからないミドルサードまで楽々と運んで磐田の選手を釣り出していくか、誘いに乗らなければアーリークロスを放り込む形を繰り返す大分。押し込まれる可能性が低くなったため1ボランチに変更も加える。

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一方の磐田は62分に大久保を下げて中野誠也を投入。山田大記を上下させて攻撃に人数をかける。

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磐田が高い位置で大分のビルドアップを引っ掻ければチャンスができるが、なかなかそのチャンスは巡ってこない。

 

大分は73分にティティパンから丸谷拓也を投入して守備の安定を図り、86分に疲れの見えた?藤本を下げて伊佐耕平を投入。

磐田は83分にアダイウトンから荒木大吾へと変えるが得点は奪えず。大分が勝ち越しゴール後にしっかりとゲームを閉めて勝利を納めた。

 

磐田の最大の弱点

選手の名前はビッグだが、やっているサッカーは結構ガチャガチャしていた磐田。その最大の弱点はトランジションの設計が全く為されていなかった事だろう。

大筋ではSBを内側に入れて相手のサイドの選手を内側にピン止めをして、サイドのスペースでロドリゲスとアダイウトンが1対1になることを目標に設計された偽SBだと思われる。しかし、それが上手くいかなかったら?が全くなく「選手のアイディア」に基づいた球際に負けない、走力で勝るというもの。もうちょっと煮詰めないとそりゃやられる……。

この日の大分はトランジションでどこにスペースが出来ているかの共有ができていたのに対して、磐田はボールに近いヤツが寄せる!くらいなアクションしか出来ていなかった。その結果が内側に絞ったSBのスペースを大分が有効に使えただけでなく、自陣深くまで守備をするタイプでないアダイウトンとロドリゲスが大外サイド張っとくマンになり2CBが右に左に動いて山田大記のサッカーIQでかろうじで防ぐだけになった。

攻撃はこうしたい、守備はこうしたい、というのも重要だが、その間の攻→守、守→攻でリスク管理を行えないと途端に脆くなるのでは上手くいかない。攻守で人を動かしすぎているためトランジションが上手くいかず、自らミスマッチを作り出すのはすごく勿体ないと見ていて感じた。

 

積み上げ、そして成長

自分たちの持っている手札と手段を有効に使って相手の弱点を突いてのゲーム進行。上手く行きすぎて数的優位をつくるという「アクシデント」もあったが、選手たちが監督のやりたい狙いをしっかり遂行しながら個々の持ち味を生かしたり、苦手な事にもチャレンジしつつも積み上げた勝ち点3はそれ以上の価値がある。それをJ1の舞台でできる幸せを噛み締められる今季はチームもスタッフも、そしてサポーターもとても充実している。できるだけ多くの勝ち点を積み上げて、1つでも上の順位でシーズンを締め括れるように、目の前の1つ1つを大切にしてほしい。

 

【ハイライト】2019明治安田生命J1リーグ第3節 ジュビロ磐田 vs 大分トリニータ - YouTube

【大分】vsC大阪(H) それぞれの現在地〈ルヴァン杯グループC 第1節〉

ひさびさの!ヤマザキナビスコカップ!じゃなくてルヴァンカップ!!!天皇杯以外のカップ戦をみると「あぁ、J1なんやなぁ~」とじんわり感じる。

ルヴァン杯の特徴はスタメンの1人は必ず21歳以下の選手を登録しなければならない事。そして、チームによりけりだが、リーグ戦に出場できていない多くの選手がみられる点が魅力だ。ルヴァン杯初戦に出場できるようにとU-18の矢野太一、西城響也、工藤大雅の3選手が2種登録でトップチームに登録もされた。

この日の大分は、選手のそれぞれの立ち位置、チームとして要求された役割をどれだけできるかの確認の場であった。

 

この日のメンバーは以下のように。

大分トリニータ
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先週末の松本戦から11人全員を入れ替えた大分。小島亨介と長谷川雄志はプロ初の出場。小林成豪も移籍後初の出場に、オナイウ阿道、高畑奎汰は初スタメンと初物づくし。

高畑奎汰はU-21でのスタメン枠としての扱いという側面もあっただろうが、先週末のプレーを見る限り、戦力として期待されてのスタメン起用だろう。

3バックは岩田智輝、鈴木義宜、福森直也の3人以外では三竿雄斗刀根亮輔は怪我、庄司朋乃也は契約の関係で出場できないこともあり、丸谷拓也が右のCBに入った。

 

セレッソ大阪
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昨年も手に汗握るひりひりした試合をしたロティーナ監督率いるセレッソ。開幕の神戸戦では左利きの舩木翔を右のWBに置いたりと、何か企んでる感じがビンビン。この日も右利きの松田陸を左WBに置いてきた。

セレッソもスタメンは木本恭生以外は全員ベンチやベンチ外の選手ばかり。それでこのメンツってやっぱりJ1やなぁ……とひしひしと感じた。

U-21枠ではCBの瀬古歩夢を起用。J3に参戦しているU-23チームで昨年も活躍していたらしいし、嫌な存在になるのかな、と感じていた。

スタメンに丹野研太、ベンチに清武弘嗣も居た。久しぶり!

 

基本の確認

この日の大分は、対戦相手のスカウティングをして想定した場面毎に選手がその日の任務を遂行するというよりは、「自分たちがやりたい事ってこんなだよね」という確認の意味合いが強かった印象。このような強度を弱めた中で選手がどう振る舞うのかが見られるのがカップ戦序盤の醍醐味かもしれない。そのため、個々の戦術理解度がどれくらいのものかや、攻守の決まり事を確認しながらのゲーム展開になった。

 

組み合わせの工夫

大分は基本の確認をしつつ、スタメンの選手にも「選手層の底上げ」を期待されていたと考えられる。

大分は基本的に3~4人の関係性を大切にしている。それは大分が「ボールを大切にするチーム」だからだ。近年ではバルセロナポゼッションサッカーの基礎として「三角形を作る」ことからフォーメーションとは違ったユニット論も重要視されるようになった。ボールホルダーは味方の一番近いポジションの選手の動きがわかれば、相手から多少の圧力を感じても選択肢を減らさないで済む。それだけでなく、フォーメーションとは違ったユニットでの大胆なポジションチェンジによって、相手を崩す意図もある。

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この日の大分のスタメンは、昨年からのメンバーが6人、新加入が5人とほぼ半々。昨年からのメンバーで公式戦で始めて見るのは岡野洵が右CBではなく中央だった事のみ。そしてどこで三角形を作っても必ず1人は既存のメンバーが居る配置であった。この狙いは、新加入選手がチームの約束事を守れなかった時の保険という意味合いと、ユニットで新加入の選手が機能できるようにするための配慮であったと思われる。

 

攻守の約束事

攻守でフォーメーションを変える事で、その日の狙いがぼんやり見えてくる大分。

攻撃ではWBを高くして幅を取ってボランチの背後にシャドウが落ちることによってサイドの攻略を第一に、外から中に揺さぶりをかけようとしていた。

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攻撃の時にWBを高くするため、背後は狙われやすい。そのケアを高畑奎汰と丸谷拓也が担い、中央では長谷川雄志が1列下がりプレーメーカーとして振る舞った。

 

守備では敵陣と自陣の2パターンで変化。

敵陣では5-3-2で前からプレスをかけてサイドに誘導。

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それを掻い潜られて自陣での守備では5-4-1でスペースを消す。

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基礎の基礎はこんなに感じ。

 

セレッソの狙い

今年からロティーナ監督を迎え、3バックを軸にするセレッソ。リーグ開幕戦で左利きの舩木翔を右WBに置いていたが、その狙いは全くわからなかったが、この日も「逆足WB」を採用。右利きの松田陸を左WBで起用してきた。

守備では5-4-1のブロックでボールサイドにボランチ2枚がコースを切って同サイドのシャドウがボールホルダーへ寄せるような形をメインにしていた。

 

主導権は握るが……

共にボールを持ちたがる傾向にあるチームの対戦。先にボールを持ったのは大分だった。

この日中盤と最終ラインの梯子役となった長谷川雄志が相手のプレスを受けない位置から長短の正確なパスでリズムを作った。また、丸谷拓也のCB起用も昨年はあまり上手くいかなかったが、攻撃参加のタイミングと積極性が増して小林成豪、オナイウ阿道とのトライアングルを形成し、押し込む事に成功。特に丸谷の攻撃参加により対面する高木俊幸を押し下げて被カウンターの予防にもなった。

しかし、先制をしたのはセレッソだった。23分に松田陸高木俊幸を使いワンツーでインナーラップをすると縦パス。抜け出したブルーノ・メンデスは岡野洵を引きずりながら冷静に流し込んだ。

チームファーストシュートがゴールになったセレッソ。この得点シーンではWBの逆足配置が見事にハマった。高木がやや開き気味の位置で小林成豪を引き付けて、後ろから松田陸がサポート。小林が高木に寄せたため、丸谷は高木のマークを引き受けるために前に出てカバーリングの準備。高木にボールが入ると松田は高木が開けたハーフスペースへと侵入して、小手川宏基の背後を取りつつ丸谷が高木と松田の2人を見なければならない状態に。そして丸谷が前に出た背後をメンデスが突いて大分の3バックの中央の岡野をサイドに引っ張り出すことに成功。後は岡野を千切ってしまえば大分の守備は高畑と長谷川だけになるのでマイナスの折り返しでも強引にシュートでも大チャンスになる。それをしっかりと決めきったのはJ1の質、といったところだろう。大胆な内側へのオーバーラップは岩田智輝がよくする大分の得意な形だっただけにやられた印象が凄く残った。

 

噛み合わない中で

ボールは保持したが、押し込めずに失点。大分は違和感を感じながらプレーをしていたように見えた。特に、右サイドの丸谷、小手川、小林のトライアングルは互いにポジションを移して変化をつけていたが、シャドウのオナイウを絡めてのプレーになると途端にギクシャクしていた印象があった。

失点の5分後に片野坂監督はそこを修正。シャドウのオナイウと馬場賢治を入れ替えた。

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これにより大分はパスワークの右サイド、スペースを活用する左サイドと左右非対称な攻撃の形に。

これにより、多少は整理されたかと思われたが、左サイドで星雄次と高畑が攻撃時に共に大外で引き付けようとしてポジションが丸かぶりになる場面が多々あった。

ギクシャクしながら、変えられる所は柔軟に対応をした大分。相手がどうこうというよりは自チームの動きの確認の方を大切にしていた印象。修正を行い、どう変化するか?と思っているところで前半を折り返す。

 

徐々に、徐々に

後半に入り、大分は昨年から所属する選手を中心に今できること、できないことを考えながら徐々に狙いを合わせていく。

前半の課題であった左サイド星、高畑丸かぶり問題は、星が内側のハーフスペースを埋めることで対応。ボールを持ったときにごちゃごちゃすることが少なくなった。

小島亨介は高木駿とは違い、DFラインに参加して積極的にビルドアップに参加することができなかった。これにより、3バックの左右を押し上げる機会が減ったが、岡野がメンデスにマンマークをすることで守備でメンデスに前を向かせないこと、向かれてもカバーリングをしやすくした。ビルドアップでは長谷川が上手くポジション取りをしてバランスを取った。

 

満足できたら?

60分を過ぎて両チームに動きが出てくる。

セレッソは61分に松田陸→舩木翔、64分に片山瑛一→山下達也、71分に高木俊幸→福満隆貴と交代。

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リーグ戦にも絡む松田と片山、起点になった高木が退く形になった。

 

大分も66分に小林成豪→岩田智輝、71分に馬場賢治→後藤優介、75分に長谷川雄志→前田凌佑と交代。

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それぞれの役割を果たした3選手から、松本戦で上手くいってなかった前田、リーグ戦の出場がない後藤、いつもとは違うポジションで出場した岩田と、コンディションの確認とプレー適正をチェックする意味合いが大きかったと考えられる交代だった。

 

激動のラスト15分+α

共に交代カードをすべて切り、残り15分。大分は攻勢に出るために、ボランチの動きを変化させる。

相手を押し下げてるために小手川が高い位置でプレーをして、前田が中盤とDFラインのどちらにも顔を出し相手シャドウを監視をし、高畑をプレッシャーから離して、高い位置でプレーさせる、といった形に。

これが功を奏したのか、89分に劇的な同点弾が生まれる。丸谷が相手からインターセプトをすると後藤と伊佐を使い、少ないタッチ数で崩してボックス内に入ると左足で巻いてシュート。綺麗に決まって追い付く。

90+2分には小島のゴールキックから伊佐が反らして裏のスペースを星が使いカットイン。ボックス内で木本恭生に当たりごちゃっとしたが、後藤が詰めて逆転!

大分が2009年の名古屋戦のような劇的な勝利でルヴァン杯初戦を飾った。

 

選手個人の印象

ルヴァン杯ではリーグ戦で見れない選手が多いため、トリニータの選手それぞれの印象を書いていく。

 

21.小島亨介
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U-23代表の正GKはこの日がプロデビュー。

最後列からビルドアップをする大分のサッカーにすぐにアジャストするなんて無理な話で、最初からDFラインまで上がってプレーなんて頭のネジが飛びきってる。だからすぐにできなくても……

頑張ってパスをつけていたが、解説の高松大樹議員にも指摘されていたように、パススピードが遅く、ビルドアップでリズムが作れない事が多かった。また、右足でのキックが苦手な様子。大分のサッカーでは、左右の蹴り分けやGK→WBへのロブパスができてやっとスタートラインという非常に要求の高いポジション。自分の成長のために来てくれた事はインタビューでも語ってくれてるしこれからが期待。

 

8.丸谷拓也
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昨年MVP級の活躍をした縁の下の力持ちは、今年のリーグ戦ではベンチに甘んじているもどかしい日々だろう。丸谷ですらクローザーって……とは思う。

この日は昨年ほんの数試合しかしなかった右のCBで出場。このポジションは岩田がハマるまで刀根亮輔岸田翔平も、そして丸谷も物足りないという評価だった。しかし、岩田のプレーを見てからか格段にプレーの質が高くなり、劇的な同点弾もゲット。新境地を開拓したかもしれない。

 

16.岡野洵
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リーグ戦では鈴木義宜が不動のCBなため、昨年は右のCBのクローザーに。しかしこの日、本職であろう真ん中で起用されると、持ち前の空中戦の強さとフィジカルを生かして安定したプレーを披露した。失点の場面では引きずられてしまったが、その前で半分詰みかけていたからしゃーなし。これからJ1の強さをつけてほしい。

そしてビルドアップがめちゃんこ上手くなってた。日々成長してるんだなぁ……!!

 

38.高畑奎太
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第2節で早くもリーグ戦デビューを果たしたルーキーはこの日も堂々としたプレー。試合後のラインダンスからもなんとなくメンタル強そうな印象。

オーバーラップの際に、自分の前に居るWBのポジショニングが大外なのかハーフスペースかを判断して自分がどこのスペースを攻略するかの判断が正確になれば面白い存在になりそう。守備では最終ラインの5枚ブロックを敷く時に対面するSTを意識しすぎてラインが整わない事が多かったのは課題。

まだまだ若いから……ではなくギラギラしてほしい。松本戦で見せたようなクロスをもっと見たい。

 

25.小林成豪(66'Out)
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てっきりシャドウでのプレーを期待しての加入と思っていたため、WB起用は意外であった。しかし、この日の狙いは攻撃時にWBが高い位置を取ることを目標にしていたためアタッキングサードでのプレーを期待されての起用だったのかな、と。松本怜は大外レーンを走るスプリンターという印象だが、小林は大外レーンだけでなくハーフスペースを使えるため、フィットすれば戦術的な幅が見込めるのではないだろうか。

ボールを持った際のヌルヌル感は守備でも生かされたが、3バックの特性上、大外レーンを一人でカバーしなければならない。走力がもっとつけば松本怜のスタメンも不動ではなくなるだろう。期待。

 

20.小手川宏基
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相変わらずサッカーセンスに溢れるというかバランスを取るのがめちゃめちゃ上手く、それもさりげなーくこなしちゃう天才肌。この日も右サイドの要としてプレー。

しかし昨年の甲府戦と同じく、攻撃から守備に変わった際に1プレー遅くなり、大きな穴になりかける所が散見された。失点のシーンも戻りきれておらず、本来はもう一列前の選手なのかも。今年は走れるプレーメーカーの小塚和季が居るため正念場の一年になるかもしれない。頑張れ……!

 

40.長谷川雄志(75'Out)
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この日最大の発見。大卒ルーキーながらチームのリズムを生み出す存在として一番目立っていた。

九州選抜には1度のみの選出ながら、めちゃんこ上手かった。これが他のスカウトにバレなくてよかった~!西山強化部長サンキュー!

長短の配給が正確で、パススピードも申し分なし。特にゴロパスはしっかり転がして味方がトラップしやすい優しさもあるし、左右両利き。ピルロみたいなプレイヤー。早速FKも任されていたし、とんだバケモンが入ったな、と。フィジカルもそこそこ強そうで、ある程度完成されたプレイヤーっぽく見えた。

トップチームの選手との違いは剥がせるかどうかかな、という印象。ボールを受ける、渡すをフリーな状態で正確にプレーできるのはとても貴重だが、相手がプレスに来たときにフリックやワンツーで剥がすとうプレーはそこまで見られなかった。前を向くための引き出しが増えれば、ボランチのスタメン争いはより激化するだろう。

 

19.星雄次
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今年は高山薫が開幕スタメンを勝ち取り、ベンチに。この試合では大外で高畑と被る場面が多くあったが、後半からは整理された。

ボールを持つとカットインからワロスで昨年最終盤は詰まった印象だったが、CBに高畑のようなクロッサーが居ればそこまで悪目立ちはしなかった。

90分を越えてもさすがの走力で、劇的な逆転弾を呼び込んだ。ほっしゃんのカットインからハーフスペース攻略は左サイドの肝になるはず。こっからこっから。

 

45.オナイウ阿道
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昨年山口でブレイクするも、開幕スタメンは奪えずに1.5軍的な位置付けに。

この日は攻撃時に2シャドウの一角としてプレーしたが、ポジショニングと状況判断が甘く、停滞する原因に。守備でも前から制限をかけるのか引いて守るのかがハッキリせずに浮いていた印象。激戦区のシャドウではちょっとフィットしてない印象だった。

ただいま絶賛大注目の藤本憲明も、最初はトリニータの戦術にフィットできずに夏場までスタメン奪取はできなかった。周りの理解もあって生きるポジションなため、もう少し我慢して使うのかな、と。バレないまま浦和から借りパクもしたいけど、多分うちにそんな余裕はないため、結果を残して評価をあげてほしい。やってやれ!

 

11.馬場賢治(71'Out)
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一番ギラギラしてる最年長。この日も対面するU-23枠の瀬古歩夢にバチバチ当たりにいき、喰ってやろう!くらいの気概を感じた。

そして相変わらず状況判断が良く、オナイウが戸惑ってるのを感じてプレーエリアをやや下げたり、ポジションチェンジ後はサイドとの関係性を築き、手本としてチームがやりたい事を見せていたと感じた。リーグ戦でも熱いプレーで魅せてほしい。

 

18.伊佐耕平
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今年は藤本が1トップとして不動になりつつある中で、オナイウも加入。正念場の一年になりそうだが、やはり片野坂監督の求めていることはJ3の時からやっているだけに、新加入選手にはまだまだ負けていない。この日は前から制限をかけるのか引いて守るのかを身ぶり手振りでオナイウにレッスン。

逆転弾の場面ではロングボールを繋げるために下がって相手に一瞬、だれが伊佐につくのか?と迷いを生じさせたと思う。そこから逆転弾に繋がったし、できることはやれた。

あとは得点が取れれば、欲を言えば年間7点は計算できる選手になればもっと上へ行けるはず。バモス!伊佐!

 

29.岩田智輝(66'~)
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この日はCBでなくWBで途中出場。そういえば去年のはじめは松本怜岸田翔平に次ぐ右WBの3番手だっただけに、刀根亮輔の怪我から右CBのスタメンになるところをみると持ってるなぁ、と。この日は最初のプレーでチャンスが来たが決めきれず。雰囲気だけのクロスの精度があがればこのポジションでもやっていけるはず。

 

9.後藤優介(71'~)
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やっぱり俺らのゴレアドール。嗅覚ある。

スピードとスペースへの動き出しが上手く、J2では2年連続で2ケタ得点。J3で自信をつけてJ2で伸びた印象。そんな選手がたとえカップ戦であってもJ1の舞台で躍動する姿はやっぱり来るものがある。しゅき。J1でも初ゴールを早くしてできれば3年連続2ケタ得点を目指してほしい。楽しみにしてる。

 

32.前田凌佑(75'~)
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松本戦では全体をコンパクトにする役割を遂行できなかった前田。この日の途中出場は、「危機感を持ってやらんとすぐにスタメンはなくなるぞ!」という意味合いがあったはず。それはどの選手でもそうだけど。

ビハインドで迎えた残り15分からのミッションは重心を前にするためにリスク管理をすることと、DFラインからボールを引き出してコンパクトな陣形を保つことだった。直接的な得点の要因は相手のビルドアップでのミスとGKからのロングボールだったが、どちらもコンパクトにしていたからこそ前からプレスに行けたし、伊佐がロングボールの落下点に入ることができた。たぶん。スタメン組の意地を見た気がする。上出来。

 

内側に向けた矢印を

勝敗にあまりシビアにならなくてよい、と言っては失礼だが、試合の強度が落ちる試合でサブ組が「トリニータのコンセプト」をどれだけできるかの確認の場になった。

GKを使ったビルドアップができないときにサポートをどうするか?パスの各駅停車でWBに入った時にどう動くか?シャドウがボールサイドに寄った時にバイタルエリアを誰が埋めるのか?など問題点を炙り出すための試合だった。それはただ単に選手が戦術に合わせられていないというヒューマンエラーという訳ではなく、今のやってるトリニータのサッカーの構造的な問題にもなっているため、チーム全体の底上げとしてとても有意義な90分だったと思う。そんな課題も見つかりつつ勝利で終えられたのは幸運だ。

次は、この内側に向けた矢印をリーグ戦や選手たちにどう還元していくか。こういった面にも注目していきたい。

 

選手の写真は大分トリニータ公式HPより

 

 

 

【大分】vs松本(H) 裏目に出た工夫〈J1 第2節〉

開幕戦で鹿島に勝って勢いに乗りたかったトリニータ。しかし、この日のトリニータは全くといって良いほど良さを出せずに、反町監督の罠にまんまとかかってしまった。

 

この日のメンバーは以下のように。

大分トリニータ
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開幕戦と全く同じ11人を起用。唯一の変化はベンチに今年ユースから昇格した高畑奎汰がメンバー入りを果たした。

前回のJ1での戦い(2013年)では年間2勝、ホーム勝ち無しという不名誉な記録を持つ大分は、ホームでの10年ぶりの勝利が欲しいところ。そして大分銀行ドームから昭和電工ドームへと名称が変わり、2014~2016年までの激動の3年間を共に戦ったダニエルに勝利を捧げたかった。

 

松本山雅FC
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こちらも開幕戦からの変更はなし。最終ラインにエドゥアルド、服部康平と高さ強さが魅力の選手を補強し、パウリーニョも怪我から復帰。J1仕様のフィジカルへとアップデートした印象になった。そしてベンチには大分県出身の安東輝が入った。

 

松本のビルドアップ対策

昨年も対戦経験のある両チーム。2試合で4-1、1-0で共に大分が勝利。松本にとっては嫌な印象があったのだろう。反町監督は、大分の特色であるビルドアップの制限をエリア毎に設定をしていた。

ビルドアップは基本的に自陣から中盤までどうやってボールを運ぶか、相手をどう動かしたいかが重要なことだと考える。ただボールを持っていても効果的な攻撃に繋がらなければ意味がない。大分のビルドアップの特色はGKの高木を含めた形とボランチを1枚下ろした形の2つを主に行う。そしてどちらがDFラインに加わるかによって、そのときのビルドアップが自陣寄りなのか中盤寄りなのかの基準になっているように思われる。

松本はまず、大分の自陣寄りでのビルドアップには、1トップ2シャドウの3人が対面するDFを見る5-2-3で蓋をする。

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自陣深くで1on1を3つ作られると、大分はGKの高木をDFラインに上げて数的優位を用いて、プレスから逃れるようにする。しかし、松本はボールホルダーに対して1stプレスをかけて横パスを誘導。1stプレスをかけた選手はカバーシャドウをかけて選択肢をひとつ消す。大分のGK+DF2人に松本の3トップがハマる形になれば、前田大然の脚力を生かして猛烈にプレスをかける。

 

次に中盤が落ちて行うビルドアップの対応だ。

この日の大分は、開幕の鹿島戦と同じく前田凌佑を下げてティティパンをアンカーにしたビルドアップをメインに行っていた。それに対して松本は、セルジーニョを中盤に下げた5-3-2をベースに、パウリーニョが中央に構えて藤田息吹が前田凌佑を監視。

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藤田がマンマーク気味に前田凌佑を見ることで前を向かせないことを第一に、藤田が剥がされた際にDFラインが剥き出しにならないようにセルジーニョを下げてリスク管理も同時に行っていた。

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大分は小塚和季を中盤に下げて伊藤涼太郎を前線に上げて中盤のスペース、特に前線と中盤を繋ぐセルジーニョの背後を狙い、タスクオーバーに持ち込みたかったが、パスコースがなかったため、小塚が中盤中央で効果的に受ける場面は少なかった。

 

狙いは「蹴らせる」事

サイドを有効に使いつつ、中央からのパスワークでの突破を狙う大分に対して、ビルドアップに蓋をしてまずは内側のケアをしてきた松本。上記の大分のGKを含めたビルドと、ボランチが下がったビルドのそれぞれに対して松本はそれぞれにアクションを起こしていたが、その狙いは「蹴らせる」事だった。

大分はビルドアップで相手を食いつかせて、意図的に相手の中盤-DFラインに間延びを起こさせたり、DFラインの裏を狙うが、その際には長いクサビやロングボールを放り込む事になる。松本の3バックはフィジカルに長けた選手が並び、空中戦で持ち味が出るタイプ。一方の大分は、藤本、小塚、伊藤とポストプレーが得意かというとそんなでもない。大分の細かい繋ぎを封じてしまえば、焦れてロングボールを放り込むから、松本はこのロングボールを絶対に回収することでボールの取りどころをハッキリと決めていた。

 

見えた綻びを突けず

5-2-3と5-3-2を併用も、松本に全く綻びがなかったかと言われるとそうでもなかった。大分が中盤より前までボールを運ぶと、松本は永井龍をトップにした5-4-1に可変。

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5+4のブロックを作り、リトリートをして構える形になるが、中盤中央のダブルボランチの前でフリーに近い形でボールを回し、どちらかが食いつくと途端にDFラインと中盤にエアポケットができる。バイタルエリアでスペースができると、大分のシャドウがよい状態でボールを受けられると共に、DFラインが剥き出しになるため大きなチャンスになる。

実際、15分の場面でもバイタルのケアやスペースを埋める意識はめちゃくちゃ敏感、というよりは人数は揃っているから大丈夫、というように見えた。

大分はビルドアップを焦れずに続けて、ボールを持ち上がって相手が5-4-1のリトリートをするまで持ち上がる機会が増えれば、持ち味を生かして突破を試みる機会が増えると感じたが、まだチームは未熟でやり続ける意識よりどう工夫するかに重点を置いてしまい、本来の"らしさ"すら見失ってしまった。

 

大分の迷走

大分は相手のDFラインと中盤の間で1トップ2シャドウが受ける中央突破と、両WBを高くしてサイド突破から逆サイドへのプレーが強み。しかしこの日は、2シャドウの所でボールが上手く収まらずに、ズルズルとポジションを下げてしまうことで次第に攻撃の手が少なくなってしまった。

開幕の鹿島戦では2シャドウの片方が中盤に顔を出すと、もう片方はCFに近い位置取りをして強制的にバイタルエリアにスペースを作る事をすることで多くのチャンスを作ったが、2シャドウが共に中盤に下がったことにより2つの大きな問題が発生してしまった。

 

問題①:サイドの間延び

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大分のシャドウが共に下がると、擬似的な4-1-2-3のような形になる。これはマッチアップをずらしてマークを外すために昨年も行っていたが、福森-高山と岩田-松本の位置が間延びをしてしまう。この状態でボールを奪われると、WBの帰陣に時間がかかるため、前田が中央で構える事になり、中央でミスマッチが起こりやすくなる。

 

問題②:壁が2つ

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このマッチアップを見てもわかるように、シャドウが下がりすぎると、相手ボランチの前に居る形になり対応がされやすい。もし、伊藤や小塚が上手く対面するボランチを剥がせたとしても、松本の3バックがカバーリングに回るだけなので、シャドウは常に2人を相手にプレーをする形に。守りやすく崩しづらいので、大分からすると切羽詰まった状態に。

2枚を剥がす労力は広いピッチなので相当なもの。それゆえシャドウは工夫をしてなんとか状況を打開しようとするが、それがまた状況を悪くしてしまった。

 

更なる悪手

中央突破ができずに、「ボールを大切にしながら攻める!」というミッションをこなそうとした2シャドウ。次の1手は「開く」事だった。

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松本はブロックを作る際には5-4-1でリトリートをする。この並びをずらして中央に穴を作りたかったと見えた。

シャドウが中盤で開くと、大分はサイドで数的優位に立ち、深い位置で構える相手WBを引っ張り出そうとした。もし松本がこれを嫌がってシャドウにマンマーク気味にボランチを付けてしまえば中央で藤本とボールと逆のシャドウが内側に絞ってバイタルエリアを攻略しようとした。が、これも失敗。

松本のボランチは中央を空けない事を共通意識として持っていたため、中央にスペースはできないばかりか高山、松本怜は大外レーンの上下動には長けるがカットインの選択はそんなにしないし、チームの決まり事としてカットインは敵陣深くまで押し込んでからの選択肢としての意識が強いために、サイドでWBとシャドウが被ってボールは運べないわ、奪われたら誰が誰に付くかがハッキリしないわでより混乱をしてしまった。

32分の場面は象徴的で、松本怜セルジーニョを監視して、大外から来る高橋諒がフリーになってしまい簡単にクロスが上げられるような問題を抱えていた。

 

状況の整理と相手のストロングポイントを消す

この日の片野坂監督は、全くの無策!では全くなく、相手2シャドウの良さを消しにかかっていた。

浮いたポジショニングを取るセルジーニョの動きを逆手に取って、小塚・松本怜・岩田の動きを変えて松本の左サイドの攻略を試みた。

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前田を最終ラインに下げて疑似4バックを作り、右にスライド。小塚が下がってセルジーニョに姿を見せてカバーリングの意識を持たせてピン止めをする。次に岩田を高い位置から内側に走らせて左WBの高橋を内側に引き付けて5-4-1の「5」の隅をつつく。最後に、岩田が高橋を引き付けてできたスペースに松本怜が走り込んで3バック左のエドゥアルドをサイドに引っ張り出そうとした。

 

逆サイドのシャドウの快速海坊主前田大然の対策は、前田が5-4-1ブロックのサイドを担当することから、ボールをしっかり持って松本の5-3-2ブロックの「3」の脇をしっかり使って5-4-1へと押し込む事でゴールから遠いところに追い込むというシンプルなものだった。

 

前半途中でこの2つの確認を行っていたようだが、前線にいい形でボールが入る場面はほとんどないまま、前半が終了した。

 

片野坂監督の調整

ハーフタイムに大分は、攻撃時のポジショニングをもう一度整理。前半と同じくWBを高くした4-1-2-3を採用したが細かい所を修正をして建て直しを図る。

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問題になっていたサイドの間延びについてはラインを高くして福森、岩田を高山、松本怜に近づける事で対応。

シャドウは鹿島戦とは違い、どちらかが藤本と並んで2トップ気味に見せることはせずに、中盤的な役割を求めてセカンドボールの回収を意識しつつ、サイドに流れない事を目標に。

 

アクシデントと想定外

大分はポジションを整理してさあ!これから!という場面で大分は失点をしてしまう。

カウンターからシュートブロック。こぼれ球を左サイドの高橋がフリー受けると、インスイングのクロス。鈴木が頭でクリアを試みるが、それが枠に当たり、跳ね返りを永井龍に押し込まれた。

おそらく、大分が想定した松本のカウンターで一番やられたくない形での失点だったはず。まずは中央からの早いカウンターで大分はシュートコースを消しながら、DFが5枚セットして押し込まれた際の強度を高くしたい。5枚揃えるということは両WBが構える事になり、ミドルサードでプレッシャーがかからない。また、被カウンターの場面で大分のシャドウが的確な守備位置に付けない。

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WB-シャドウ間にスペースができて、中盤の大外で相手WBがフリーになってしまうのだ。

 

次に、しっかりとディレイをした大分に焦れた前田大然が強引にミドルシュートを放ったが、運悪くフリーの高橋にこぼれてしまう。ミドルシュートを打った前田含め、前線の3人が勢いそのままに突っ込んできていてパスの出し手の高橋にはチェックにいけない。大分からすると非常に守りづらい形で一番嫌なインスイングで大分DFとGKの間にクロスが放り込まれた。インスイングのクロスは守備者からすると触らなければファーサイドに転がってしまい、相手に先に触られてしまうと反射神経で勝負!になるため分が悪い。鈴木はなんとか頭でクリアをしてCKでもいいから一旦守備を整えようとしたが、運悪く枠に当たってしまった。高木も反応をしたが、ボールに触れられずにこぼれ球がボックス内でスクランブルに。失点してもしなくても最悪な形で、いち早く反応したのが永井。松本からしたらしてやったりの得点であった。

 

悪かったのは失点の形だけではない。後半開始から5分での失点は、これから修正をして先制点を!という気持ちで入ってすぐの出来事。これからまだ40分も時間があるなかでどう立ち振る舞うか、どうゲームを組み立てるかがボヤけてしまった。積極的にアクションを仕掛ける大分が、この失点により受け身に回ってしまった瞬間だったのかなぁ、と。

 

混乱に乗じて

失点により大分が動揺したとみると、反町監督はさらにダメ押しの策に出る。

前田を1列上げてセルジーニョをサイドに。服部もサイドに流れて4-4-2へと変更。

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大分に対して松本は、ビルドアップの制限を積極的に行う5-2-3をキッパリ止めて1stDFのラインをハーフラインまで下げた。これにより前線の選手の体力を温存しつつも前田大然をトップに置くことによりカウンターの威力は落とさない策に。

また、細心の注意を払っていた大分のビルドアップに対しても、ただラインを下げて引きこもるわけでなく、藤田息吹を前田凌佑にマンマーク気味につかせてミスマッチを作らないようにしていた。

 

大分は前田→丸谷拓也、伊藤→オナイウ阿道とカードを切り打開を試みる。

2トップにして前線のポイントを増やして丸谷をアンカーにして小塚とティティパンを横並びに置いた。

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前線の形を変えてバイタルエリアを攻略しようとする大分だったが、松本ボランチパウリーニョが良いフィルター役になっていたため、大分は松本の最終ラインと勝負ができない状態になっていた。

上手くいかない大分だったが、61分のオナイウ投入から20分後の81分にようやくチャンスを作る。オナイウが中央からサイドに流れて、松本怜がインナーラップ。ボックス内で受け、藤本に合わせるも枠に飛ばず。

 

最後に見えた光明

中央で崩せずサイドからもなかなか崩せない大分。切羽詰まりに詰まったゲームとなったが、最終盤に光明が見えた。

84分に福森を下げて投入をされたのは、ルーキーで初のベンチ入りを果たした高畑奎汰。3バックの左である福森を下げて、サイドな選手との触れ込みであった高畑の投入は驚きであったが、決してこの試合を捨てて若手に経験を積ませるというネガティブな意味合いの投入ではなく、戦力として状況を変えるために投入されていた。

昨年の第2節山形戦(だったと記憶している)で3-4-2-1で押し込めなかった際に、福森を下げて、WBの星雄次を左CBとして投入したことがあった。この時と同じように、サイドに厚みを持たせてリトリートした松本にパワープレーで押し込む意味合いでの高畑の投入。

5レーンの左の大外を高山がカバーをして、高畑をハーフスペース(HS)で縦突破をさせる狙いがあった。高畑がHSで低い位置からボールを運べると、相手のシャドウを押し込めるだけでなく、相手WBを釣りだすことにも繋がるため、大分は敵陣深くでサイドの角を取れるようになった。

高畑は守備ではマーカーを見るべきかスペースの管理をするべきかの判断が曖昧で非常に不安定だったが、高山と小塚、丸谷がしっかりとサポートをして守備に穴を空けなかった。そして大分ボールになると、積極的にボールに絡み前線に顔を出していった。

最終盤にはその高畑のクロスからオナイウのヘディングで得点か!?という場面も作ったが、無念のタイムアップ。昇格組どうしの戦いは松本に軍配が上がった。

 

「松本戦動き悪っ!」の真意を探る

執筆にだいぶ時間が掛かってしまったため、この記事を書くまでに数試合が過ぎてしまったが、松本戦の4日後に行われたルヴァン杯vsC大阪戦後のイサスタグラムにて、撮影者の伊佐耕平が前田凌佑に対して「松本戦動き悪っ!」と言っていたのはちょっと印象的な出来事であった。普段は選手の素の姿が人気を博すイサスタグラムだが、それまでは前節について遡ってのイジりはなかった様に記憶している。そんな中での前田に対してのこのドキツいイジりはなんだったのか?それは多分、この松本戦での「ベンチがやってほしかった工夫」と関係しているのではないか?と邪推をしてみた。

松本戦で大分が切羽詰まってしまったのは「シャドウがバイタルエリアで気持ちよくプレーができない事」に起因していたと思う。それが負の連鎖を引き起こしてやられた。ならば、その対策はなんだったのか?どうすればもっと上手くやれていたのか?はたくさんの原因があると思われるが、ボランチのプレーはシャドウの動きに大きく関係していると考える。

シャドウがプレーエリアを下げて押し上げられない問題を手っ取り早く解決するのはボランチや最終ラインが勇気をもってボールを持ち運び、最終ラインを押し上げてしまえばよい。そうすれば相手ボランチはボールのチェックに行かなければならなくなるし、シャドウはバイタルでプレーがしやすくなる。

実際、この日の最後の交代カードは高畑と縦への意識を強める采配であった。しかし、「この日の」前田は最終ラインに下がってのビルドアップの関与はしていたが、持ち上がりは少なく、パスが主な仕事になっていた。「フリーな選手は持ち上がる」。これができないといつまでたってもボールを効果的に前に運べないし、相手のラインを押し下げることもできない。そういった意味で、前田とティティパンにはもっとフリーな場面では持ち上がる事を試合後に要求されていたのではないか。というのがなんとなーく感じられた。

 

松本の印象

いけ好かないメガネにまんまとしてやられた。本当に本当に悔しい。やっぱり前田大然は相変わらず速いしカバーシャドウ上手いしで守りにくいし攻めにくかった。パウリーニョに中央でボールは回収されまくるしストレスしかなかった。

今年の松本は、ただ単に補強をしてJ1でも5-4-1でソリボールや!というのは全くなく、守備ではセルジーニョを中盤に下げた5-3-2を織り混ぜたりとボールの位置に合わせて前から奪う意識をより持つようになった。これにより確実にJ1仕様に変わってきている印象だ。当面の問題はこの戦術の刷新にどれだけの選手がアジャストできるか。主にセルジーニョの動きを他の選手ができるか、前田のカバーシャドウのように1人で2人分守れるような守備ができる選手の代役探しにはこれからも大きな悩み所になるだろう。それでも相手の長所を徹底的に潰して力こそパワー!なゲームができれば残留が見えてくるはずだ。

とりあえずニヤニヤしてたメガネを皮脂でベタベタにしてやりたい。とても悔しい。

 

まだ、そして、もう2試合。

開幕から2試合目で早速、去年の夏場に見たようなストレスの溜まるボールは回せるがゴールに近づけないサッカーをしてしまったのは残念であったが、まだチームを作っている段階。これからチームで競争がしっかり行われて戦術理解が深まれば、多分きっとひょっとしたら上位も目指せるかもしれない。一方で、開幕2試合目で残留争いをするであろう昨年J2の1位2位の対戦を落としたのは痛恨の極みであるのも確か。次を見据えるのも大切だが、ここで叩けなかった事が、後々大きく響く……なんてことがないようにしていってもらいたい。

一寸先は闇。それは勝負事の常である。そのもっと先にあるであろう光をしっかりと掴むためには、目の前の90分を全身全霊で戦うのみだ。

 

【ハイライト】2019明治安田生命J1リーグ第2節 大分トリニータ vs 松本山雅FC - YouTube