Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】2018年シーズンレビュー 掴んだもの、足りなかったもの〈選手編②〉

シーズンレビュー、選手編の②です!

DF登録の選手!

 

第1弾(GK編)はコチラ


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※詳細ポジションはフットボールラボJリーグ公式を基準(先発出場時のポジション)に、得点はJリーグ公式、アシストはゴールの2つ前のパスまでとしてます。大体の数ですので悪しからず……

 

DF

2.ウイリアン
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今年の夏に加入のブラジル人DF。登録された時に「ウイリアン・エンリケ・アントゥネス」と結構長い名前で話題になる。ネマニャ・ヴチチェヴィッチ(元FC東京)や長谷川アーリアジャスール(名古屋)などと比較されていた記憶。うちの長い選手名だとジュニオールマラニョンくらいしか思い付かなかったので最長の登録名に。結局、Jリーグでの登録はウイリアンに。(みんなウィリアンって結構誤字ってたな……)

190㎝と長身のCBだったが、純粋なCBタイプは鉄人鈴木が居た。おそらく夏にレンタル移籍をした竹内の代わりとして鈴木のバックアップとしての加入だったのだろう。大分加入後1ヶ月ほどで肉離れで離脱。ゲキサカの写真はチェルシーのウィリアンだったりと結局、謎外人枠として終わってしまった。

「謎は謎のままがいい」とは大分の土産物、謎のとり天せんべいのCMで言われたりしてるが、最近は謎の東ティモール国籍の選手たち()やパッとしなかったエヴァンドロ、パウリーニョ、キム・ドンウクなど外国籍選手は軒並み助っ人にはなり得てないケースが多い。ポルトガル語が話せる(はずの)我らの西山強化部長にはもうちょっと頑張ってほしい。

話は逸れてしまったが、ウイリアンは補強というよりは補充の意味合いが強かった。怪我で離脱と練習からも離れる事もあったがメキシコから大分までわざわざ来てくれてありがたかった。今季で契約満了ということだが、また何かの機会に大分に来てほしいなぁ、なんて。アディオス。

 

3.那須川将大

Pos:LWB,LB

1G2A

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今季加入の職人っぽいLWB。シーズン開幕前は同ポジションに星と山口がいたためひょっとして福森とポジションを争うかなー、なんて思ってたが、LWBの2番手に収まった。

第2節山形戦で4-4-2のLBとして出場もその後はベンチ外に。久々にGWの第13節新潟戦で出場すると低い位置からの高精度のクロスを供給して逆サイドの松本にアシストをするもまたしてもメンバー外に。そして8月に入り、久々に来た出番をシュータリングで決めてから4試合連続で出場。しかし8月最後のゲームとなった第30節徳島戦での敗戦を最後に先発はなし。ベンチには居るが出番が回ってきたのは第36節京都戦のみだった。

浅い位置からのピンポイントのクロス、深い所でボールを受けてのグラウンダーのパスなど技術で魅せてくれたが、絶対的な存在にはなることができずに、1年で契約満了となった。J1では厳しいという判断だろうか……

30歳を越えてベテランの域に入ってはいるが、最近では珍しいクロッサー。デカイFWがいるクラブやサイドの選手が不足するチームならまだまだ主力としてやれる。頑張ってほしい。

 

5.鈴木義宜

Pos:CB

1G1A

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今年も元気にフル出場。これで3シーズン連続のフルタイムでの出場となった。フィールドプレイヤーでこれってしゅごい。ほんまの鉄人。真ん中には必ず鈴木が居るだけで安心だし、居ないのが想像できない。大卒1年目の入替戦で退場という苦い経験をしてから年に1枚ペースの警告と怪我をしない丈夫な身体って。マァ~ヤダワァ~!これ、うちの子なんよ!って本当に自慢できる息子(違う)。

これだけ丈夫な身体で試合に継続して出場できるんだからたぶん、厄除けとか家内安全、学業成就くらい願っても良いと思うの。

今季はセットプレーがなかなか上手くいかずに得点もないな~なんて思ってたらホーム最終戦で得点。痺れたなぁ……

今年上がれなかったら即J1に引き抜かれていただろうし、今もオファーは来てるはず。できれば来年も大分のユニでプレーする姿をみたい。

 

6.福森直也

Pos:CB

4A

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鈴木義宜によく似てるといわれるCB。鈴木とは同期、ポジションも隣、数字も1桁となんだかんだで似てるらしい。知らんけど。

今季もCBの左の主力として37試合に出場。第18節愛媛戦から第22節甲府戦まで約1ヶ月出場がなく、その前後でセレッソ大阪大熊清さんが大銀に来ていたらしく関西学院大出身……セレッソジュニアユース……あっ!引き抜き!と謎に脅えたが、その後はまたスタメンに名を連ねてホッとしたおもひで。

現状では3バックの左は福森オンリー。左利きでCBってだけでも希少なのに「ちょっとLBも噛ってました」みたいなタイプはなかなか居ない。攻め上がりのタイミング、ロングフィードのタイミングなど攻撃面で特徴がある福森は替えが居ない。

そんな彼だが、ビルドアップでのショートパスがやや弱かったり、高木にやや弾んだバックパスをしたりと詰めの甘さが目立つ。「福森そんなよくない」おじさんには、そんなことねぇから!と言いたいが、ちょくちょく「気ぃ抜いてたやろ!」ってパス出すのはちょっと怖い。改善できれば一番良いけど可愛いから許す。

 

14.岸田翔平

Pos:RWB,CB

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加入2年目のカバさん(弟)。昨年はLWBがあまりハマらなかったため、RWBの松本が逆サイドに回ったということもあり主力に。今季はそのLWBに星、那須川、山口と補強をしたこともあり、松本とポジションを争うことに。結果はコンディションが絶好調だった松本のサブという役回りになり、4試合の出場に留まった。第22節甲府戦ではじめてCBの右に入り攻撃力を生かすのかな、と思ったが上手くハマらず。その試合を最後にベンチ入りもなかった。立場としては有力なRWBの獲得があれば放出されるかも、といった立ち位置か。ユースっ子だし大切にしたいけど編成次第かなぁ……といった感じだと思われる。頑張ってくれ!!

 

16.岡野洵
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夏に千葉からレンタルで加入した喫茶モンテの主。明るいキャラクターで伊佐や藤本、同い年の岩田らとよくご飯に行ってたCB。先発での出場はなく、クローザーとしての投入が多かった。一番長い時間見れたのは第32節熊本戦。前半で岩田が怪我で退き45分間プレー。積極的な攻撃参加と負けん気の強さを見せたが、それと同時に若さも見られた。被カウンターで相手との1対1、味方DFはまだ戻りきれていない。ここでの判断でベストなのは相手を遅らせる事だが、岡野は結構迷いなく突っ込む場面が多かった。もし交わされてウラを取られたら……もし突っ掛けてカードをもらったら……と考えると冷や汗モノ。それは守備と言うよりはギャンブルに近い、伸るか反るか!みたいな対応だった。まぁ普段慣れ親しんでいた千葉のハイライン・ハイプレスの犠牲者かもしれない。攻撃のセンスや積極性に判断の良さが加わればもっと良い選手になってくれそう。千葉も良いけど大分で成長、しよ?

 

19.星雄次

Pos:LWB,LB

5G6A

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可愛っ!

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今季加入のLWB。伊佐曰く「ぶりっ子おじさん」らしい。可愛いから許す。

開幕の栃木戦から惜しいシュートをしたと思ったら、第5節水戸戦でカットイン→シュートで綺麗なゴールを決めるなど、いつの間にか点決めてる印象。天敵の千葉にホーム、アウェイの両方でゴールしてくれたのもメンタル的に非常にありがたかった。

右利きの左サイドという事で、結構カットインが好きな様子。リーグ戦序盤ではカットインとファーサイドに詰める形で得点の雰囲気がよくあった。しかし、厄介なカットインは次第に対策されてしまう。第37節町田戦ではハーフスペースに人を置かれてカットインに持ち込めずに縦突破からクロスをするも精度の低さを露呈した。足の速さとWBに必要な運動量は文句ないが、中を切られた時の引き出しの少なさ、特にミドルレンジでのプレーの選択肢が少ない(縦ぶち抜きorカットイン)ため浅い位置からクロスを入れたりできるとより厄介な存在になれるのかなー、とは思う。

伊佐スタグラムをみてるとシャイなタイプっぽい。笑って何かをごまかしてそう。まぁ可愛いからなんでも良いんやけど。

 

29.岩田智輝 

Pos:CB

5A

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シーズン開幕当初はRWBの控えとしてたまーに出てくる程度であったが、刀根の長期離脱によってCBの右として第25節愛媛戦から出場すると、持ち前の攻撃力を生かして積極的に前線に顔を出していき、岩田、小手川、松本のコンビは後半戦のキーマンになった。

試合を重ねる毎に攻め上がりのタイミングやクロス、相手を抜くドリブルをしたりと今年一番伸びた選手と言っても過言ではないだろう。また、試合の流れによってシャドウでプレーをしたりと器用な一面も見せてくれた。

今季のアシスト「5」はCBとして立派な数字。ただのロングフィードだけでなく前線にたくさん顔を出せたからこその結果だろう。

ただ、今季13本のシュートを放つも得点はゼロ。惜しいミドルシュートはたくさんあっただけに1つは決めたかった。

来期は東京オリンピックを目指すためにもJ1でしっかりと活躍してもらいたい。オフのニヘーっとした笑顔をゴールでみたいぞ!

 

41.刀根亮輔

Pos:CB

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厳つい見た目のCB。伊佐スタグラムでは「チィーーッス!」の一本槍で突き通す丸坊主オネエ。

今季、久々に大分に復帰すると第4節から右のCBとして先発を掴み取る。第18節からは福森の失踪により左のCBとしてもプレー。対人の強さと厳つい見た目で相手選手を恐喝するのが得意な選手(語弊ありまくり)。結構際どいプレーでもしっかり身体を入れて奪ったり跳ね返してくれるからとても頼りになる選手だ。

しかし、第22節甲府戦後の練習で前十字靭帯の損傷により8ヶ月の離脱と発表された。自分も前十字靭帯の断絶を経験したことがあるが、受傷日よりも手術後の方が痛い。そして膝を捻ると違和感があったりする。前十字を切った後にスピードキュンキュン系のFWが全く別のプレイヤーになるのをみると膝やるとやべぇ、って思う。が、先月には練習場でランニングをしたりと確実にリハビリは進んでいるので復帰が今から楽しみ。

 

50.山口真司
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(※画像は2016年のもの)

J2復帰の際に最終盤でLBのスタメンを勝ち取った山口だったが、今季は星、那須川の壁を破ることはできずにのリーグ戦と天皇杯でフィールドプレイヤーでは唯一ベンチ入りもなかった。

シュッとしたイケメンだけど結構、無精髭を生やしがち。せっかくのイケメンも小汚なく見えるのが残念だった。

本日、神戸と大分から契約満了が発表された。これからどうなるのか……

 

レンタル・途中移籍組

4.竹内彬

カマタマーレ讃岐(loan)

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昨年の主力だったキャプテンの竹内だったが、今季は3バックの真ん中から右に回されると、フル出場は開幕の栃木戦のみ。先発が1試合、途中出場が2試合、合計154分と出場機会が激減。

チームとして最終ラインからよりつなぐ事を大切にしたことにより、空中戦で強い竹内よりもパスを回せる鈴木を真ん中に据えた。右に回った竹内は攻撃面での物足りなさが浮き彫りとなる結果となってしまった。そしてシーズン中盤の8/15に讃岐へと期限付き移籍

移籍の際に異例となる監督と社長からのコメントがついており、あー、多分こりゃ片道切符なんだな、と思った。年齢的にも試合に出られるクラブにいた方が幸せだろうしなぁ……

去年のアウェイ名古屋戦の竹内彬チャントしまくったのは良い思い出。サンキュー。

 

25.佐藤昂洋

ラインメール青森(loan)

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(※写真は2016年のもの)

地元大分出身でスクール→U-12→U15→U18と駆け上がってきた純トリニータ産の選手。駄の原グラウンドでボールを蹴ってたらしく、地元感がすごい。今季は新体制発表時には在籍していたが、1/19にJFLラインメール青森期限付き移籍

プロ入り4年目となったが怪我が多く、試合にあまり絡めなかったが、今年は青森で夏場からスタメンを勝ち取り、11試合に出身。

来期はカテゴリーが上がること、プロ5年目となるため結果を残したい所。動向はわからないためなんとも言えないが、できればトリニータのユニを着ててほしいけど、どこ行っても応援するぞ。

 

16.イム・スンギョム

→(名古屋)→木浦市庁FC(KOR)

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今季、名古屋から期限付きで加入した選手。

天皇杯2回戦の山口戦でフル出場もそれっきり。天皇杯の放送が無かったため、どんな選手かわからないまま7/12に名古屋との契約も切り韓国へと戻っていった。

昨年の出場記録を見る限り、福森のバックアッパー的な立ち位置だったのかも知れない。

唯一の思い出は名古屋公式が夜中にレンタル移籍を発表するお漏らしがあったことくらいかなぁ……

ちょっと前に帰省中のムン・キョンゴンのストーリーに讃岐のソン・ヨンミンと一緒に写ってた。韓国でもがんばれ!

 

 

総評

DF登録の選手、でまとめるとポジションがまとまらないため、とりあえず3バックの総評を。

今季は3バックにはビルドアップの能力が強く求められるだけでなく、左右のCBは攻撃にも積極性を求められた。その結果、SBとCBの中間的な役割が必要となったために、シーズン開幕から右CBの模索、福森の離脱後は両サイドのCBが試される事になった。右CBに刀根がハマるかなぁという時期に長期離脱をしてしまったが、岩田がその穴を上手く埋めてくれた。

一方で、CBにハマらなかった岸田、竹内、イム、ウイリアンは厳しい立場に。手薄な左CB、鈴木の控えとなる真ん中、岩田と張り合える右CBとJ1を戦う上で3バックの実力の向上は至上命題かもしれない。

 

写真はトリニータ公式HPトリニータ公式Twitterより

 

次回はMF編!

強い気持ちで!

 

【大分】2018年シーズンレビュー 掴んだもの、足りなかったもの〈選手編①〉

阿鼻叫喚のJ1参入プレーオフ紙一重でなんとか回避し、自動昇格の切符を掴み取った大分トリニータ。シーズンも終わった事なので、選手やチームの一年を振り返っていきます。

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まずはGK登録の選手から!

 

GK

1.修行智仁
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(※写真は2016年のもの)

4年前に加入。1年目こそ夏場から上福元直人のポジションを奪い、J3優勝に貢献も2年目からは出場機会は激減。今年は出場なしだった。しかし、チームが苦しい時にポッと更新してくれるTwitterやベンチ外のメンバーに言葉や背中で「プロとしての在り方」を魅せてくれた選手。試合に出ることだけがチームに貢献してるんやないぞ!という事を改めて教えてくれた。

シーズン末に契約満了で大分を後にするが、その時のコメントの一部を。

大分のことが大好きです。ただ、選手として僕が大分でやれる事はもうありません。この4年間で僕のやれる事は全てやりきりました。今年で最後。その覚悟でこの1年を過ごしてきました。僕が大分でやりたかった事は、J1に昇格する事、少しでも若い選手の力になる事、そして大分の人を幸せにする事です。
 皆さんの応援のおかげでJ1に昇格する事ができました。ただ、僕の仕事はJ1に上がるまでであり、昇格したその時が大分とのお別れの時だとずっと思っていました。昇格しても大分でプレーすることはない。それでもみんなと昇格したい。そう思わせてくれるクラブでもありました。みんなの喜ぶ顔が見られて良かったです。

全文はコチラで

選手として「このチームでやりきった」という気持ちと「まだまだ現役を続けたい」というプロとしての向上心とがコメントから見えて心から応援したいと思った。ありがとう、修行さん。

 

22.ムン・キョンゴン
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今季は天皇杯山口戦で出場、リーグ戦はベンチ入りのみ。デカさとシュートストップが魅力のGKとの触れ込み(だったはず)だが映像で見ることはできず。天皇杯ではハイクロスをファンブルして失点とほろ苦い感じだったそうな。GKは失点の場面が目立つからそこだけで語りたくはないかな、と。

大卒で初の海外挑戦だが、インスタや伊佐スタなどで日本語頑張ってるなぁと。全体見て指示を出すポジションだから言語は大切。存分に三平や伊佐あたりと絡んでほしい。

来年はルヴァン杯など試合数も増えるはずなのでプレーをみたい。

 

23.兼田亜季重
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今季加入の爽やかイケメン。ベンチ入りがなく、GKの中での序列は低かった。彼の話題だと途中で坊主にしてよりかわいくなった事くらいしかわからない……

クラブからの発表はまだだが、JFAのフリーの選手に名前が載っていたのでおそらく退団。アディオス。

 

31.高木駿
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今季リーグ戦全試合フル出場。一年を通して大きく崩れる事はなかったが、夏場までは周りの評価は高くなかった気がする。おそらくビルドアップの起点やシュートストップはおそらくJ2トップクラスの実力があったが、WBへのロブパスがタッチラインをよく割っていたため、「おい高木ィィィ!!」と謎の激昂おじさんがたくさんいたのだろう。しかし夏場あたりからコツを掴んだのかWBにも正確にボールを付ける事が増えた。この中距離のロブパスの精度が上がったことにより、チームとしてもビルドアップの逃げ道を作りつつ幅を持たせるができた。

完成度の高い選手になりつつあるが、気になる点がひとつ。大分のビルドアップはよくGKが関わるので必然的にボールをさわる回数が増える。高木にボールが入って味方にパスを出す、となった時に相手選手がパスコースに入ってきてもそのままパスをしてしまうクセがある気がする。(ウイイレのスーパーキャンセルができないみたいな。)アウェイ福岡戦のドゥドゥにカットされた場面に象徴されるようにGK-DF間でのパスミスはほぼ失点!となるため丁寧さは絶対だが、基本的にGKにマンマークを付けてくるなんて事はまずないので、もうちょっと余裕をもってほしい。繋ぎのミスから慌ててしまいバタつく場面も散見されるので、決め打ちのパスを減らすのはその後に影響が及ばないようにするためという意味でも大切にできるといいなぁ、と。

ビルドアップの際に1列飛ばして中盤にパスを付ける機会が増えるとより戦術の幅が広がりそう。J1というより高いレベルでチャレンジしてほしい。

試合後の伊佐スタグラムにて「マンオブザマッチタカーギー」とかラインダンスでよく前に出たりと明るいキャラクターだが「でも1失点~」とかコメントを見ると三平と同じて真面目な所がふと表れる。そういう所好き。

契約更新もそうそうに発表。来期もヨロシク!

 

 

総評

結果としては高木がシーズンフル出場。ポゼッションを志向するためクラシカルなタイプは活躍の機会はなかった。2番手争いをムン、修行で行い兼田はベンチ入りも果たせなかった。基本的にGKは戦術がガラリと変わったり、アクシデントがないとなかなか入れ替えはないポジションなだけに出場時間だけでは貢献の具合は測れない。けれどもみんな仲が良い雰囲気は伝わってきた。

 

 

写真はトリニータ公式HPJリーグ公式より

 

次回はDF編!

 

 

 

【大分】vs山形(A) 割り切って、乗り越えて〈J2 第42節〉

リーグ戦終了。最後はヒヤリとしたが、なんとか得失点差で2位で自動昇格を手にした。

いやぁ、良かった。ホッとしたから更新が遅くなりまして……

 

とりあえず、当初の目標を上回り、自動昇格。その振り返りはするとして、まずは山形戦の振り返り。普段とは違う、ピリッとした空気は冬の寒さではなく、メンタルから来るものだったのかもしれない。

 

この日のメンバーは以下のように。

モンテディオ山形
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この日は栗山直樹が出場停止。かわりに坂井達弥がスタメン。シャドウには南秀仁が入り2枚の変更。

松本怜大がこの試合でJ通算100試合出場。おめでとう!

 

大分トリニータ
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この日は伊佐耕平がメンバー外。コンディション不良でメンバーから外れていた藤本憲明が先発に復帰。

 

丁寧な準備

最終節、勝てば自動昇格と緊張しないわけがないシチュエーション。もちろん硬さはみられたが、大分はしっかりと狙いを持って山形戦に挑んでいた。

①低い位置でのビルドアップでは、大分は両サイドのWBが高い位置を取り、丸谷拓也が1列落ちて4-1-2-3に。

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②最終ラインがボールを持って相手を自陣に押し込むと、両WBと左右のCBが近づきシャドウとトライアングルを作り、狭いスペースでの崩しをみせていく。

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このボールの位置の違いでWBの役割を変える事により相手を押し込む事ができた。

相手とのマッチアップを見ながらその違いを見ていこう。

①ではWBが高い位置に居ることで、対面する相手WBを自陣に押し下げる。またある程度は割り切って中盤を省略してロングボールを入れても良い、という考えがあった。

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しかし、このままではDFラインが低く前線に人数をかけていくから意図的に間延びをしている状態になっているため、前線にクサビのパスを入れようとしても相手ボランチがフィルターになっているため外へしかボールが回らない。

 

そこでDFとダブルボランチ、GKで相手のプレスをかわしていき、自陣に押し込むと、②へと変化していく。

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ここでのミソは大分のシャドウが山形のボランチの外側に顔を出すこと。これにより、左右のCBにボールが入ると、相手の嫌なところにスペースを作る事ができる。

大分のWBが下がって対面するWBを釣り出し、シャドウがその背後を突けば相手CBをサイドに引っ張り出すことができたり

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(この場面ではボールホルダーの岩田に松本怜が近づき、内田を釣り出す。内田の背後に三平が入り、松本怜大をサイドに引っ張り出す。ボールサイドのボランチの中村は松本怜大のカバーに入れば前田がフリーになり、前田のマークを離さなければ藤本がクサビを受けやすくなる。

または松本にボールが入るとフリックして三平に早くボールをつけたり……)

 

シャドウが下がってボランチを引っ張り、WBやCBがハーフスペースへと入りマークをずらしたり

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(この場面では三平がボールサイドに寄り岩田とパス交換をして岩田は中村の内側へ侵入。

もしくは三平、岩田でパス交換をしている間に内田が三平へと寄せてきたら松本怜が裏へ抜ける。)

 

などサイドでボールを持った際のバリエーションが多くあり、山形は誰が誰を捕まえるか、どこのスペースを閉じるかが曖昧になっていた。

主導権を握った大分は②の形で岩田、三平、松本がサイドで少ないタッチ数で崩して相手をボールサイドに寄せておき、大外の星雄次が合わせて先制点を奪う。

 

一方の山形は、攻守を5人ずつで分業気味に。

1トップ2シャドウ、ダブルボランチの5枚で相手のビルドアップを制限して中央を閉めて外へと追い込み、3バック+両WBはセットして相手との人数を合わせつつスペースをなくす。

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しかし、山形がボールを持つと3バック+両WB+GKで回し、幅は作れるが奥行きが出てこないままロングボール。

大分に先制を許してからはボールを持つ場面が増加。これにより本田拓也南秀仁が1列ずつ下がり、4-4-2へ可変。

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これによりサイドの厚みとビルドアップに奥行きができた。が、実況からも指摘があったようにパススピードが遅く、大分のプレス(特に馬場賢治)に寄せられてパスコースがなくなる事も多く、効果的に前線にまで運べなかった。

 

流れを掴めない山形、サイドから攻める大分、という感じで前半は進んだが、大分はもう1つ準備をしてきた。

それはセットプレーの場面。

15分の大分のCKの場面ではマンマークを敷く山形に対して大分はペナルティスポットあたりに鈴木義宜、福森直也、丸谷拓也を置いて山形DFをピン止めをしてその前に三平がセット。ボールが入るタイミングで三平はファーサイドに逃げてマンマークについた選手は鈴木、福森、丸谷のブロックに捕まり三平はフリーに。ボールは弾かれたがデザインされたものであった。

また、35分のCKでは馬場がキッカーの星に近づき、山形の選手がマイクで「ショート(コーナー)あるぞ!」と声がかかっていたが、星はセンタリング。三平が高い打点で合わせるも枠に嫌われた場面。これも今年は松本がショートコーナーからクロスを散々見せたのが功を奏する形になった。

そんなこんなでボール持って主導権を握り先制点→ボールを持たせて時計を進めつつも抜け目なくセットプレーから追加点を狙うといった形で前半を折り返す。

 

消極的な慎重さ

後半に入ってすぐの48分、大分がこの日はじめてのFKのチャンス。ボールの近くに大分の選手が8人も集まり入念にFKのサインプレーの準備らしき事をするも上手くいかずに、山形にボールを持たせると次第に山形がチャンスを作る。ペナルティアーク付近で得たFKを素早いリスタートでサイドにまわして熊本雄太がシュートも枠を外してしまう。

徐々に流れが山形に傾くなかで大分が1枚目の交代。58分に馬場を下げて小手川宏基を投入。

後半の頭からロングボールが多いとは感じていたが、ここからより消極的になっていったように思われる。

三平と小手川が曖昧なポジショニングをしていたためカッチリとしたものではなかったが、大分は自陣に網を張り跳ね返す事を選択。

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両WBを高くせずに中央は3+3で突破を許さないようにした。

 

これをみて山形ベンチにも動きが。

67分に本田拓也阪野豊史を下げてアルヴァロ・ロドリゲスと中山仁斗を投入。可変システムでCBに落ちる本田を下げてアルヴァロ・ロドリゲスを入れる事で3バックで引いた相手を押し込む事を選択し、ゲームで消えていた阪野から中山に変えて前線の活性化を目論んでいた。

押し込まれる大分は5+3(+三平)でブロックを作り、高くなった最終ラインの裏を藤本が狙う形しかなくなる。74分に三平→川西翔太でボールを持ち上げることをしたかったが、あまり上手くいかず。

山形が大分が自陣に入ってからプレスをかけてくるとわかってからは、小林成豪とアルヴァロ・ロドリゲスを1列ずつ上げて押し込む。中盤の高い位置でボールを持てるアルヴァロ・ロドリゲスと南がプレーする機会が増えて大分はますます押し込まれてしまう。81分には松本怜大→汰木康也でより攻撃に力を入れると、アディショナルタイムに試合が動く。南がバイタルエリアで裏に浮き球のパスを送ると、小林と中山が反応。中山のシュートはブロックされるが、こぼれ球をアルヴァロ・ロドリゲスがミドルシュートで一撃。土壇場で同点に追い付く。

最後に大分は藤本→林容平でなんとか追加点を狙いにいくも時間は足りず。1-1のドローで試合終了となった。

 

それでも掴む

試合終了後の整列時の大分の選手たちの表情は皆暗く、「やってしまった」感が溢れていた。他会場の結果に委ねられた順位。2~3分の静寂はとても長かった……

が、大分のゴール裏からワッと歓声が上がると同時に選手たちも自動昇格とわかったようで、歓喜の瞬間が訪れる!

他会場では町田が引き分け横浜FCが勝利したため大分、町田、横浜FCの3チームが共に勝ち点76で並んだが、得失点差で頭ひとつ抜け出した大分がJ2 2位で来期の昇格を決めた。

 

内容は悪くとも

プラン通りで先制点を奪い、無理せずにセーフティーにゲームを進めてはいたが、前半から5+4ブロックの間が間延びをしていたり、パスが噛み合わなかったりとちぐはぐな感じを拭えないまま後半に。より引いて相手にボールを持たせるが、ボールを持てる南、アルヴァロ・ロドリゲスを自由にしすぎてやりたいことができなかった。幸いにも90分まではゴールを割らせなかったため、絶望と大慌ての時間はアディショナルタイムのみで良かったが、もしあと10分、20分早い時間での失点だったら……と思うと背筋が凍る。

それでも、この試合は1/42であり、42試合で勝つときはたくさん点を取り、負けても失点数は少なかった(甲府は知らん)からこそ掴み取れた自動昇格。とにかく!よかった!

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【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第42節 モンテディオ山形 vs 大分トリニータ - YouTube

 

ひとまずは

一年間、皆さんお疲れ様でした。本当に本当に良かった!わしゃ泣いたよ。嬉しいよ。

とりあえずは2018年のマッチレビューはこれでおしまい。来週からはシーズンの振り返りをやっていきます!

【大分】vs金沢(H) 積み上げたもの〈J2 第41節〉

苦しんだ。やはり終盤になるとどのチームも(ある程度まともならば)完成度が高くなる。金沢も大分対策をしっかりしつつ、どこを狙うかが明確で、大分は後手を踏みまくった。

そんなとてもしんどく、苦しんだ試合だったがなんとか勝利し、自動昇格への望みを繋いだ。

 

この日のメンバーは以下のように。

大分トリニータ
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この日も前線の組み合わせを変更。伊佐耕平と清本拓己が先発に入り、10月の月間MVPに輝いた三平和司小手川宏基がベンチスタート。

福森直也はこの試合でJ通算100試合出場。嫁さん(彼女さん?)綺麗だな!

三平も月間MVPのセレモニーで三平父と嫁さんとパシャリ。三平息子に転生したい。羨ましい。

 

ツエーゲン金沢
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こちらは1人の変更。ボランチ梅鉢貴秀から大橋尚志に変えてきた。

前回ではWBにマンマークを敷かれて、清原翔平にやられかけた記憶。ヤンツーが監督と難しいゲームになるんだろうな、嫌だなぁ……って思ったり。多分コケるならここなんだろな……ってちょっと弱気になりつつ観戦してました。

 

中→外にやられかけ

この日の金沢は、3-6-1の大分に対して4-1-2-3でマッチアップを明確にするという愛媛などがやってきた大分対策に工夫を加えて、大分のDFを動かし、深い位置でスペースを作り出した。

金沢はボールを奪うと大橋がアンカー気味になり、SHの清原とボランチの藤村慶太が内側に絞り、4-1-2-3に可変。

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これまでのチームは3トップの左右(ここでは加藤大樹と杉浦恭平の位置)は左右に開いて大分のWBにぶつけることが多かったが、金沢は左右のハーフスペースに3トップを置き、藤村と加藤、清原と杉浦が同じレーンに入る事をしてきた。

この中央に人を寄せたことにより何が起こったか。大分のWBは意図的にフリーにさせられ、3バックは外側に引っ張られやすくなってしまった。

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金沢の3トップは内側に寄っているため対面するCBが監視するが、加藤と杉浦はゴールから逃げる動きでCBを引っ張る。

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杉浦が福森を引っ張り出すと、杉浦が居た場所に清原が上がっていき数的優位になる。

この場合、清原に対して星雄次がチェックに行くか、福森から杉浦のマークを引き継いでいくかになる。

星が内側に絞ると金沢のSBの石田峻真がフリーになりやすくなり、馬場賢治が石田にマンマークでつけば、大分がボールを回収した時に重心が上がりにくくなる。

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杉浦のマークを引き継ぐ場合は背後を取られた形での対応になるため、処理が難しい。

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ただ守るだけなら星と松本怜がベタ引きの5バックで構える事で対応はしやすくはなるが、それでは大分のやりたいサッカーはできなくなる。

 

この内→外に出るシャドウのような動きをする3トップの対応にあたふたする間に、9分にはCBから杉浦へクサビが入り、ワンタッチで清原に落とす。清原はこのクサビ→落としの間にオーバーラップした石田にパス。石田はフリーで受けるが福森に処理をされてしまう。

この場面では星が清原へ寄せていたため大外ががら空きになり、福森は杉浦から石田へとマークをずらす必要に迫られた。もし、石田が福森を振りきってしまえば中では福森が離した杉浦が浮きニアから崩されていたかもしれない。横ズレを意図的に起こさせて1枚剥がせば即ピンチになる形は、特に前半の序盤から見受けられた。

 

また、ただ大分のWBに中切るか外で受け渡すかを迷わせるだけでなく、大分のWBに金沢のSBをぶつける事でより混乱させようとしていた。(嫌がらせか!)

金沢はビルドアップでSB-同サイドのCBでパスを回し、大分のブロックを作らせつつボールに寄せる。ある程度逆サイドのシャドウ(沼田-山本からみて馬場、石田-庄司からみて清本)がコースを切りに寄ってきたらCBから逆サイドで高い位置を取ったSBへ展開してWBを引っ張り出す。SBの対応をWBがするとまたしても中で誰かが浮くのでズレが生まれる。

柳下監督は前期の対戦前のプレビューショーで「大分のストロングは両サイド。そこをシバけばなんとかなる」的な事を話していたが、まさにそれをやってきた。

 

このWB絶対攻略するマンとなった金沢に対して大分はアタフタ。誰が誰をみてどのスペースで奪いきるかが曖昧になり、崩壊しかけた。しかし、金沢はアタッキングサードでの質が高くなく、ミスが多かったためスコアは動かず。

片野坂監督も「ヤバい!」と思ったのか4バック気味に守備をする。馬場賢治をシャドウ的な位置から左のSHへとやや下げて、清本が伊佐と並びふんわり4-4-2っぽい形にしてサイドを補強。

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2トップがサイドに追い込み低い位置でのサイドチェンジを阻止し、馬場と松本怜がSBをピン止め。

金沢が自陣でボールを回せばこの4-4-2、大分陣内に侵入してきたら5-4-1のブロックを作る形で対応できたことで、一応は守備の混乱を防ぎ、落ち着く事はできた。

 

しかし、大分はこの変更により、攻撃で重要度の高いバイタルエリアで人数をかけて中央から崩す事が難しくなり、SHの馬場と松本の位置で回収されてしまう。ならばとSHに高い位置を取らせてバイタルに近い位置でプレーができるようにと4-1-2-3へとまたしても変更を加えた。(大体25分くらいから。たぶん。)

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これにより、サイドに飛び出す金沢SHは大分のSBが監視、SHの後ろから出てくるトップ下はCB、1トップはアンカーとCBが受け渡して見る、と対応をはっきりさせることに成功。

 

この日の金沢は3バック脇の攻略を執拗にするだけでなく、丸谷拓也に対して藤村をマンマークでつけてきていたため、中央からのビルドアップの制限も試みていた。それをみてアンカーに丸谷ではなく前田を配置。二人は相互にDFラインと中盤でそれぞれ被らないようにのらりくらりとプレー。25分からは丸谷を2列目、前田をアンカーにすることで藤村をゴールから遠ざけて金沢のやりたかった大分のビルドアップの制限も緩くなる。

30分からは大分がチャンスを作り出すようになったが、これは金沢のダブルボランチのマークが被ったり、藤村と大橋が共に大分のビルドアップの制限のために前に出て2ライン間が間延びをしてしまい、下がってクサビを受けに来た清本や馬場にボールが入るようになったから。

多くの駆け引きがありつつも、ゲームの入りで後手を踏み、細かい修正を加えながらなんとか無失点で折り返すことができた。

 

ハイリスク・ハイリターン

後半に入っても大分は前田と丸谷の役割を場面によって切り替えて丸谷のマンマークを剥がしにかかることに加えて、伊佐が左右に流れてサイドの高い位置で起点になるような動きをみせる。すると後半頭の49分。伊佐がそのサイド深くでボールを奪って馬場にパス。馬場は藤村からプッシングを受けたとしてペナ角という絶好の位置からFKを獲得。清本のインフロントのボールは、ファーでフリーになった鈴木義宜がヘディングで決めて劣性の大分が先制点を奪う。苦手なセットプレー(今季これで8点目?)でDFが初得点。岩田とか決めんかい!とは思うが、後半頭で脈絡なしでガツーンと決めた。

が、10分も経たずに自陣からのFK→垣田がヘディング→杉浦シュートでこぼれ球を清原に決められて同点。

つい都合の良いゴールが決まると「もらった!」となるが、おじいちゃん、前節も同じ展開があったでしょ?って感じで同点にされてしまった。うーむ。

 

得点でちょっと有耶無耶になりかけた金沢の後半の修正は、ビルドアップで4-2-2-2のように。

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2列目の加藤、清原が内→外へ飛び出すことは変わり無かったが、彼らが空けたスペースにFWが下がって(ロングボールには競り合いに強い垣田、ショートパスでは杉浦)CBを引っ張り出そうとしていた。また、ビルドアップで大分にボールを回収され、守備に回るときにダブルボランチが横並びでセットされている状態になりやすいので、丸谷と前田を監視しやすくなった。

これを見てか大分は丸谷を最終ラインに、前田をアンカーにして揺さぶりをかけるが乗ってこず。

 

拮抗したゲームで大分は大博打に打って出た。66分に馬場→三平和司と共に丸谷→川西翔太。チームの軸となる丸谷からドスケベな川西投入で「勝ち点3を取るぞ」とメッセージ。しかしこれは、大分にとっては攻守のバランスを崩すきっかけになる、リスクの高い変更であった。

 

川西投入のリスクは投入直後にすぐに表れてしまった。69分に右サイドでロングボールを伊佐が落とし、松本が受けると大外を岩田が回り、三平と星は中に飛び込み清本はペナルティアークほどでサポートに。松本のクロスは精度を欠いてボックス内で弾かれると、中央で川西が落下地点を見誤りヘディングを空かしてしまう。6人も前に人数をかけて攻撃し、第一のフィルターとなるのが川西の役目のひとつであったが、ここでの安易なミスからボール回収をできずに背後の垣田にボールが入ってしまったのだ。縦に速い金沢は垣田が福森を引き付けてボールを落とすと上がってきた大橋から裏へパス。垣田と清原、杉浦が鈴木と1vs3でカウンターを受けるという最悪の形で即失点になりうるミスだった。

71分にも同様の形からバランスが崩れて数的不利なカウンターを受ける。相手の精度に助けられたが、本当にギリギリの場面だった。

 

77分に金沢はスピードを生かせなくなった加藤を下げて金子昌広を投入。大分のビルドアップをする4枚(3バック+高木orボランチ)に制限をかける強度を下げたくなかったのだろう。

大分は金沢のビルドアップへの制限に警戒をしつつも、時間と共に金沢の前4枚の制限とフィルター役のダブルボランチの間が間延びしてくることは承知済み。これは大分のビルドアップがジャブのように効いてきていることの証左であり、次第に川西が生きてくる。

金沢の前4枚とダブルボランチが間延びをすると、ボランチ脇にスペースができ、大分のWBが高い位置から攻撃に絡むことができる。川西が中盤でボールを受けて時間を作ると、金沢の選手はボールを回収するためにプレスにいくが、川西はドスケベなのでヌルヌルとかわしてしまう。中央で1人かわすということは、必然的にダブルボランチを片方を剥がすということ。一枚剥がすともう片方のボランチも川西と対峙しないといけないため、相手は2ラインが崩されてしまう。と、なれば川西☆タイム!

両チーム疲労が溜まる80分から川西がボールを持てるようになり、金沢の寄せをひらりひらりとかわしていく。どこまで川西に寄せて良いのかを考えるうちに金沢の選手たちの身体だけでなく頭も疲労させる。じわりじわりとゴールに近づいていくと86分。右サイドの松本から川西にペナ角→ペナ角へとボールが行く。ボールを受けた川西はボディフェイントからカットインをしてファーサイドに巻いたシュートはゴールに吸い込まれて勝ち越し!川西にしかない間合いで相手ボランチは完全にDFラインに吸収されていたし、対面した大橋には一度ショートコーナーから縦を見せていたという伏線込み込みでのゴールは実に痛快だった。

試合はこのまま2-1で勝利。最終節に勝利で自動昇格という所まで来ることができた。

 

金沢の印象
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ぜんぜんスイートでもはにかんでもなく、相手の構造の骨格から殴ってくるシンプルな悪魔でした。本当にやられかけた。

戦力差はありつつも、しっかりとやることを叩き込んでピッチに送り込める名将だと思う。来期も続投という事で、他のJ2チームをいじめてほしい。あわよくばそれを上のカテゴリーから覗きたい。

しっかりとやることを叩き込んではいたが、最後のアタッキングサードに入った時。相手をうまく釣りだして……からの動きにはやや疑問で、CBをサイドに釣りだしたけどニアに飛び込む人がいないとかの細部までは煮詰まっていないのかな、とは感じた。そこのバリエーションがあればおそらくやられていたので助かったな、と……

良いチームだった。

 

「勝つだけ」という難しさ

あと1勝。あと一つ勝つだけで自動昇格というチャンスに幸いにも大分はたどり着いた。しかし、大切なのはここで勝てるかどうか(身も蓋もないが……)。そのためにどうするか。いままでやってきた1年間の継続を見せつけるだけだ。何一つ特別な事は必要ない。

 

この日のコレオはこれ。

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これは10年前のナビスコカップ決勝でしたデザイン。クラブ創設からここまで本当に紆余曲折あったが、それまでにクラブが積み上げたもの。あれから10年で色々ありましたね。トリニータが今年1年、そしてこれまで積み上げたもの全てを出してほしい。

 

……とは思うが、いつも通り、全力で。最高のトリニータを魅せてほしい。

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第41節 大分トリニータ vs ツエーゲン金沢 - YouTube

 

【大分】vs横浜FC(A) ニコニコ笑顔に刺される〈J2 第40節〉

他会場の結果により、年間6位以上が決まった大分。ひとまずは当初の目標はクリアすることができた。しかし……

 

 

 

非常に痛い、痛すぎる敗戦だった。

やりたいことはさせてもらえず、札束ビンタを食らってレジェンドまで投入。やさーしそうなタヴァレスじぃさんに刺された。それも結構エグい、致命傷になるような重い一撃を。くっそ。

 

この日のメンバーは以下のように

横浜FC
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怪我人が多く、イバは2度目の累積警告(シーズン通算で8枚!?)で2試合、野村直輝も累積で今節は出場停止とメンバーが揃わない横浜。スタメンを見てみるとレアンドロ・ドミンゲスにブルーノ・メゲネウ、戸島章に瀬沼優司と「中盤、誰すんの?」状態だったが、メネゲウと瀬沼が2列目に入った。

 

大分トリニータ
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この日も前線に動きあり。

コンディション不良で藤本憲明がメンバー外になり、ベンチ入りをした林容平は当日に横浜入りしたらしい。それに伴ってかスタメンも変更。CFに三平和司、シャドウに小手川宏基が入った。

 

一貫していた中での潰し

この日、横浜FCは大分対策として中央を閉じてサイドに追いやることを徹底。バックパスを狙い、ショートカウンターを狙うというのが効いていた。

横浜は大分がボールを持つと5-3-2でセットをして、岩田智輝にブルーノ・メゲネウをぶつけて大分の右サイドの威力を殺す。5バックは基本的には高い位置は取らずに前5人で完結するように。

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横浜の攻守の分業は大分の攻撃を間延びさせつつ、しっかりとブロックを作って跳ね返す狙いがあった。

大分はビルドアップで中盤底の丸谷拓也、前田凌佑が起点になり相手を食いつかせてできるスペースをシャドウと両WBが突く。相手にズレを生じさせる第一の手段が3バックとボランチの遊びのパス。横浜はCB-ボランチで回すのはOKだが、ボランチの身体の向きは常に気をつけていたと思われる。丸谷や前田がDFからボールを受けてターンをすると大分の攻撃のスイッチが入る。そこをまずはカバーしてしまおうというのが横浜の狙い。

次に丸谷、前田が前を向いても速攻や疑似カウンターにならないように致命傷になりかねない中央をクローズ。これでボランチからのパスコースはWBかDFに戻すしかなくなる。リスクを負ってCFに浮き球を配給する事もできるが、横浜の5バックはすでにセットされており、CFが受けるスペースはない。

ここまででボランチの2人は前を向けない、前を向けたとしてもパスコースが限定されているためサイドに回すか作り直すしかない。という形。

次にWBにボールが回ったらどうするか?だが、横浜はミドルサードで大分のWBがボールを持つことはOK。むやみに北爪健吾、永田拓也にプレスに行かせずに5バックとしてプレーをさせることで、ボールを受けたWBが持ち上がった際にはマッチアップ、ボールを受けに来たシャドウには3バックが監視をしてブロックが崩れないようにしつつ中を閉める。これで大分のビルドアップからの攻撃を完全に殺せた。

大分のWBは深い位置でプレーをしてマイナスの早いボール、逆サイドも絡んだ幅を使った攻撃が魅力だが、深い位置には横浜のWBが構えているためそこを崩すには工夫が必要だった。他にも松本怜、星雄次からのアーリークロスは優先度が低く、中でターゲットマンになりうる選手もいないため、横浜のセットした5バックは極めて有効な手段であった。

 

攻撃ではレアンドロ・ドミンゲスがフリーマンとして自由に動き、大分のDFと中盤の2ライン間でフラフラすることで、スペースを埋める事を優先する大分はレドミを誰が見るか?という問題を起こさせる。

大分のビルドアップでやり直したいときは無理せずバックパスを狙うが、戸島、瀬沼がそのバックパスを狙うことで大分にボールは持たせるが、自由を与えない。

 

ボールは持てるが効果的なプレーができない大分は、3-4-2-1からボランチの片方を落として4-1-2-3に可変をして両WBに高い位置を取らせて岩田につくメネゲウのマークを振りきろうとしたり

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三平が下がってきて0トップのようにしたりと工夫はすれど、5バックと引いた横浜DFを揺さぶることはできず。

25分には後ろ向きのボールを鈴木義宜が珍しくミス。戸島がボールを奪うと、鈴木からのパスを受けに高木駿がペナルティエリアから大きく出ておりゴールはガラ空き。戸島にロングシュートを打たれるが枠を外れてなんとか一安心も、バックパスは狙われて攻めの形もできないまま前半を折り返す。

 

先制するも……

後半に入り、大分が早速動く。前線で積極的にボールに関わろうとしていた三平だったが、中央を閉じられたためか終始消えがちでこの日はお役御免。伊佐耕平を投入して前線での収まりどころを作る。

また、攻撃でも修正を加える。横浜はレドミの気まぐれで5-4-1にもなるが、基本は5-3-2でセットした守備をすること、WBはある程度自由にボールを持てることからWBからシンプルに伊佐にボールを付けてしまうという形に変更。中で勝負をすることで多少ボールは奪われても良い。リスク管理をしっかりしようという指示があったように思われる。 

やや強引ではあったが、前で時間が作れるようになったため、前半よりはチャンスを作れるようになった。が、最初のビッグチャンスは横浜。低い位置からのアーリークロスのこぼれ球を佐藤謙介が豪快にミドル。ボールの中心よりやや下でミートしたボールは福森直也にあたり下から浮き上がるようになったが枠に嫌われる。

あわやスーパーゴールかというシュートが外れると59分、右サイドで伊佐が田代真一を釣りだすと身体を入れて入れ替わる。深い位置まで持ち込むと、中でプルアウェイをしてマークを外した馬場賢治がしっかりとファーに詰めて待望の先制点を奪う。

 

こういう上手くいってないけど選手交代で相手の隙をついて先制。今年は先制後の逃げ切りも多かったため「もらった!」と思ったが、そんなに甘くはなかった。

 

60分に横浜は岩田を監視していたメネゲウから齋藤功佑を投入。勝たないと自動昇格の可能性が低くなる横浜は、後半からボールを持つと積極的に両WBを上げて攻め込んでいた。それが功を奏する形で同点にする。DFからボールを受けたレアンドロが前線に浮き球のパス。ボックスの外にこぼれたボールをレアンドロがダイレクトで右足アウトに回転をかけたシュートを放つがまたしても枠に嫌われる。そのこぼれ球を永田が押し込んで同点に。

 

同点にされた大分は失点直後に小手川→國分伸太郎で前線での動きを増やそうとするが、次の得点も横浜だった。失点から5分後、左サイドで國分がファールをしてFKに。

レアンドロの早いボールにヨンアピンが合わせて横浜が逆転に成功すると、79分には同じような位置からまたしてもFKを与えると、次はニアに早いボール。田代が頭で合わせて2点差にされてしまう。

 

このFK2つが大きく響き、大分は敗戦。勝ち点を伸ばせずに、1節で首位を松本山雅FCに明け渡す事になってしまった。

 

横浜FCの印象

前期も今回もしっかりと対策された。前期の対戦では3ボランチで中を閉めて、大分を外に外にと追いやっていたが、なぜか後半からはそれをやめて同点に。そのせいかあまりやられた感覚はなかったが、大分対策を一番できていたのは多分タヴァレス監督だろう。優しい顔してエグい人やで……

選手起用でも高い選手を使うことでクロスからの得点を狙うだけでなく、2列に並べる事で時間差での飛び込みをさせたりといやーな配置だった。デカイけどなんか高さのイメージのない選手として使いづらい印象があった瀬沼(ちょっと違うけど小松塁指宿洋史タイプ)の良さが出ていたなぁ、と。ジェフリザーブスや町田でそんな点取ってなかった戸島も動いて収めて飛び込んでと捕まえにくく、下手に倒してFKを与えるとあとはレドミさんで、って形でまんまとやられた。悔しい。

札束でスーパーな助っ人ほしい!と無い物ねだりをしたくなる……

 

危うさを感じつつも

ハイライトだけみればレドミのスーパーなミドルとFK2つでやられたが、直接得点に関わらない部分でも準備がされていた横浜FC

中を閉じられるとWBが良さを出しにくい状況になり、ビルドアップに終止し、ダイナミックさを欠いた大分。前半戦の大きな課題であったビルドアップのコースが読まれることは3センターの採用で上手く行ったが、中を閉じられた時のアウトサイドの引き出しの少なさは改善されないままに終盤の上位対決でそれが炙り出される結果になった。残り2試合でこの課題に対して100点の回答は難しいだろう。そして、続く金沢、山形は共に中位に甘んじるが「曲者」として上位から勝ち点を奪っている。

残りの試合が少なくなると、欲張ってちょっと先を見ちゃうもの。その気持ちをグッと抑えて目の前の90分に全力を注げるかが勝負の分かれ目だと思う。馬場ブログでもあったように、

僕たちには決して過信ではない、今までみんなで積み上げてきたことへの揺るぎない自信があります。

だから今から特別なことをするわけでもなく、今まで積み上げてきたことをしっかりやれるように準備する。

自分たちが積み上げてきたことを信じて闘う。

これが大切。

いつだって修羅場上等なトリニータなので、この時期での2位は燃えないわけがないと思うのです。まずはホーム最終節。自分は会場にはいけないけれど、最高の雰囲気で選手を後押ししてほしいな、と思います。自分はDAZNから後押しします。

 

先のJ1よりも目の前の90分。30人全員+サポーター、スポンサーみんなで勝利を掴みとってほしい。

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第40節 横浜FC vs 大分トリニータ - YouTube

【大分】vs松本(H) 層の違いを見せつけて〈J2 第39節〉

町田戦での悔しい敗戦から2週間。再び訪れた「天王山」は試合をコントロールし続け、1-0で勝利。点差は1しかなかったが、内容では大きく上回った大分。どう松本の攻撃を凌ぐかをしっかりデザインしており、会心の勝利となった。

 

この日のメンバーは以下のように。

大分トリニータ
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前節から1人の変更。國分伸太郎がベンチに下がり、キャプテンの馬場賢治がスタメンに。

この日で鈴木義宜がJ通算150試合出場。おめでとう。

 

松本山雅FC
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リーグ最小失点の松本は、橋内優也が怪我から復帰。左のストッパーに今井智基が入る。

試合の前から「前田大然とセルジーニョが怪我か?」とのウワサが出ており、またまたぁ~。反町さんのアジジ作戦か~?と思ったが、二人ともベンチ入りもせず。シャドウには石原崇兆岩上祐三が入った。

 

強みを生かして

キックオフ前から駆け引きは既に始まっていた。コイントスで松本のゲームキャプテンの橋内はエンドを変更。攻撃力のある大分が攻めた時にペナルティエリア辺りに日が射し込むように、という狙いがあったと思われる。

 

松本はボランチ藤田息吹が前に出ていき、ビルドアップの起点となる3バック+GKにプレスがかかるようにした守備。1トップの高崎寛之が鈴木にマークをするが、GKの高木駿にパスが渡されるとそのまま追いかける。それと同時に鈴木のマークを藤田に受け渡す。大分が焦れてロングボールを前線に放り込んでも松本のDFは高さと強さがあるため容易に跳ね返せる。また、大分がボールを持って押し込む時に左右のストッパーが前線に顔を出すため、それを制限する意味合いもあった。

それでは大分は3バックを飛ばしてWBにつける、という形を目指すが、両者共に3-4-2-1とミラーゲームになるためWBどうしがぶつかる。球際の強さは松本の方に分があるとして、大分の3バックへの制限を準備したのだろう。

大分のビルドアップが阻止できなければ、自陣で5-4-1でブロックを築き、スペースを潰す形で対応していた。

 

大分は3バック+GKの4枚での組み立てにマンマーク気味で対応されると、ボランチ丸谷拓也が最終ラインに入り、数的優位に立つと共に相手のプレスを剥がしつつ、松本は大分のビルドアップを許すか、前からハメていき強力な大分FWと自陣で1対1を作られるかを迫られる形となった。

 

松本は大分DFへのビルドアップの制限を緩めて、5-4-1の撤退守備でスペースを埋める。自陣で自由にボールを持てるようになった大分は、ボールを回してチャンスを伺う。

 

この日の大分は、敵陣でボールを奪取しても速攻は仕掛けずに味方の上がりを待ってじっくり攻めることを意識していた。

遅攻となるので松本にブロックを作る時間を与えてしまうが、大分はボールを動かして崩す事は今季、一貫して取り組んでいること。また、松本のカウンターの威力を殺す意味合いがあった。

松本のカウンター封じは攻守でのシャドウのポジションの違いを利用したもの。

守備ではシャドウの石原、岩上はサイドハーフとして振る舞う。

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そして攻撃に転じた際には高崎の近くでプレー。

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となる。

松本がボール奪取から全体を押し上げる際にボールを繋ぐ事ことよりもロングボールで高崎に当ててからセカンドボールを回収して一気に押し上げる形を取る。

もし大分が速攻を仕掛け、松本の守備に引っ掛かってカウンターを受けるとなると、シャドウは高崎の近くでプレーできるが、遅攻をすることで開いた位置でボールを受ける大分のストッパーについていかざるを得なくなり、カウンターに転じても高崎が孤立する。

大分がボールを持ってじっくり攻める時に、高崎は左右の繋ぎ役となる前田凌佑につく事で組み立ての邪魔をしていたが、出来ることはそれくらいしかなかった。

 

大分がボールを持って試合をコントロールしだした32分。ついに得点が生まれる。

右サイドを崩しにかかった大分は、三平和司パスミス。今井が回収するも果敢にプレスバックして三平が再びマイボールにすると、前田→丸谷→藤本憲明とテンポよく1タッチで繋ぎ、藤本はヒールでスペースにボールを置く。これに三平が利き脚とは逆の左で強烈なシュートを決めて、大分が先制。

三平は嬉しいシーズン10点目となった。

 

その後、スコアは動かずにリードして折り返す。

 

大人なゲーム展開

後半に入っても、松本は3バックからロングボールを高崎に当てて……という攻撃を目指すが、シャドウとの距離が変わらないため、バイタルエリアスクランブルを起こせないまま。ロングボールの出し手が角度をつけてサイドから放り込んでチャンスを作るが、波状攻撃とはいかない。

62分に松本は高崎を諦めて永井龍を投入。左右に流れてのプレーができる永井が入ったことにより、シャドウとの距離感が改善されてシュートに持ち込む形を作ることができた。しかし、CFとなる永井が左右に動くため、肝心な中央でのスクランブルは起こせない。波状攻撃ができずに単発での攻撃のままだった。

一方の大分は、ビルドアップの形を工夫して3バックに高木、丸谷、時には前田が絡んで前からハメてくる松本の網を掻い潜る。そうなると松本は撤退してスペースを埋める5-4-1に移行するので、ブロックを作らせてカウンターの威力を下げるというやり方を徹底。サイドからサイドへ、サイドの奥行き(CB↔️シャドウ)を使ってボールを動かし、相手がボールを奪いにくい、奪ってもカウンターがしづらい形を意図的につくる。

71分に大分は馬場、三平を下げて後藤優介、伊佐耕平を入れてシャドウのタイプを変える。同じタイミングで松本は岩間雄大岡本知剛。空中戦が少なく、パスが繋がらないためここを変えてきたのだろう。

 

その後、松本は3バックは固定しつつ、前線を増やして3-1-3-3気味にしたり

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下川陽太から三島康平へ変えて高さを増やして無理やりスクランブルを起こしにかかるが

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大分DFがしっかり対応。相手が前がかりになったのを見てカウンターから星雄次が惜しいシュートを放つなど、終始試合巧者ぶりを見せつけて1-0で勝利。天王山をモノにした。

 

松本の印象

力こそパワー、パワーこそ正義。

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キレイな京都みたいなサッカーだったが、セルジーニョと前田大然の不在が大きく響いた。上手さと早さがある両者がいないため前線でスクランブルが起こせない松本は次の策が全く見えないままただひたすらにボールを蹴り込む。ボコ蹴りサッカーで策を封じられるとしんどいなぁ、と。

フィジカル重視なサッカーのためか怪我人も警告も多く、終盤にベストな11人を組めない。J2でもこのサッカーは限界に近いとも感じるが、失点は少ないしなまじっか点が取れてしまう。それ故下手にカテゴリーが上がっても、強度の差でやられてしまう。J2では勝ち点が取れるためにカウンター、フィジカル重視のサッカーが続く。それはそれで楽しいならいいが、チームとしての積み上げがあるかと言われると、この日の試合をみると疑問符がつく。

天王山は落としたが、まだまだ自動昇格の可能性は充分にあるためここから踏ん張れるかは注目だろう。

 

層の違いを見せつけて

大分はこの天王山をモノにして、J2で単独首位に躍り出た。「準備不足」だったのは片野坂監督の喉くらいで(本人談)、今年は2桁得点が4人(後藤、藤本、三平、馬場)となり、岩田もスタメンに定着。選手層の厚さを1年を通して作り上げ、怪我も警告・退場も少なく、試合毎に様々なチャレンジをしての首位。感慨深い。だが、あくまでもこの試合も1/42でしかなく、まだ何も手にしたわけではない。混戦のJ2リーグで気を抜かずに残りの3試合、まずは上位対決の横浜FCを叩きたいところ。

 

また、この試合でトリニータJリーグ参入から20年で450万人を動員。大分市陸からビッグアイへと立地が変わるだけでなく、様々なカテゴリーで色んな試合を経験してきた。

明日の11/1でナビスコ杯戴冠からちょうど10年。2008年からは本当に激動につく激動だった。新たな10年を素晴らしい形でスタートさせるために、残り試合も全力で勝利に向かって取り組んでほしい。

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第39節 大分トリニータ vs 松本山雅FC - YouTube

 

 

 

 

【大分】vs千葉(A) 背後を突いて〈J2 第38節〉

運動の秋!ハイラインを引く千葉のDFは裏抜けマシーン藤本と楽しくかけっこ!みたいな試合。

何言ってるかわからないと思うけど、実際にそんな試合だった。この時期になんてサッカーをしてるんだ……ってのを見せられた。しかし、大分はそんな相手に付き合う事なく、大の苦手な千葉を粉砕。

 

この日のメンバーは以下のように

ジェフユナイテッド千葉

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予想は4-2-3-1だったが、実際は小島秀仁が2列目に入った4-1-2-3。それまではロドリゲスと佐藤優也がおよそ半分ずつスタメンをしていたが、9月からGKの大野哲煥が先発。怪我人が多発!というわけではないのにシーズンで3人のGKが出場と珍しいことに。

この日の結果次第でJ1参入PO圏内の6位以下になる可能性がある大事な試合に。

 

大分トリニータ
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前節は天王山を落とした大分も、これ以上の取りこぼしは許されない。

先発の3トップを総入れ替え。シャドウに入った國分伸太郎は第24節の栃木戦以来の出場となった。

 

ドタドタ、バタバタ

リーグ1位の67点を叩き出している大分と、65点でリーグ2位の千葉の戦いは、バタバタした入りに。

開始27秒でキックオフから鈴木義宜が前線にクリアしたボールを千葉DFが見送り、GKの大野がPAの外から中に入ってボールを取ろうとしているところで三平和司が押し込んで先制。

試合前に姫野宥弥から「ワンチャンアルデ」と言われていた予言が当たった。

 

珍しすぎる形で先制した大分だったが、その後は千葉のハイプレスに晒されてビルドアップがしにくい状態になると、11分。ゴールキックで高木駿から福森直也にボールを渡すが、少し浮いてしまい処理を誤る。慌てた福森は高木に戻すが指宿洋史がプレス。こぼれ球を町田也真人が奪いシュートを放つとこれが決まり、両チームとも全く崩しの形を見せないまま11分で2点も生まれるという世にも奇妙なゲームになった。

 

そこからもハイプレスでイケイケの千葉、それに慌ててバタつく大分、プレスを大分が外すとカウンターでバタつく千葉、というドタバタした、落ち着きの無いゲームは続く。

16分には矢田旭がドリブルでボックス内に入りキックフェイントでDFを剥がしてシュートに持ち込もうとした所で福森がクリア。中盤を大きく越えたボールは千葉のハイラインの裏に転がり、裏抜けをした藤本憲明が独走からGKを交わしてゴール。再びリードを奪った。

 

この日の千葉の大分対策は3トップが3バックに積極的にプレス、大分のWBを千葉のSB、ボランチにトップ下が付いて……とフルコートでハイプレスを仕掛けるための4-1-2-3の配置にしたのだろう。

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高い位置でプレスを仕掛け、奪ってショートカウンター!として、大分のパスの出し手、受け手両方にフタをしてきた。

しかし、大分のビルドアップではGKの高木も積極的にパス回しに関与するため、中央の指宿は鈴木だけでなく高木にもプレスをかけないといけない。

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どちらかにつけばどちらかが空くことはわかりきっているが、こうなったときの策を千葉は持ち合わせていなかった。

指宿が高木に寄せて、船山貴之下平匠が1つずつスライドして寄せるが、大分は中央に3枚いるため、近藤直也はゴールに近い中央を締めるのを優先しないといけないため大分のWB(この場合は松本怜)がフリーに。

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すると大分の速攻を遅らせるために中盤の選手はボールサイドにスライドしていくが、逆サイドの大外がフリーに。シャドウの選手がサイドに流れるだけでCBは簡単に釣り出されてしまうし、大分が攻めるだけのスペースも広大だ。守備をする千葉からするとその広すぎるスペースで3人で大分の4選手を捕まえないといけないためどうしても無理が生じてしまう。

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守備時のケアをしないといけないため上がれないアンカー、中央突破をされないようにするためマークを放す事ができないCB、広大なスペース。千葉の「第1の網」がかからなかったときの対策、リスク管理は全くといって良いほどなかった。

また、左右に揺さぶられてマークする人がスライドによって複数回入れ替わり、下がりながらの守備で千葉のDFはどうしてもボールウォッチャーとなってしまう。これでは守備は野ざらしと言っても差し支えないだろう。なんだこれ……

 

この構造的な欠陥を突いて大分は少ないタッチでボールを回し、37分には國分からサイドに流れた藤本のグラウンダーのクロスに三平が合わせて2点差に。GKを加えたビルドでプレスにズレを生じさせ、WBをフリーに。敵陣に入ってからも相手の背後を連続して突いての得点。まさに狙い通りだった。

 

43分にはまたしてもペナルティエリアの外で足下でボールを処理しようとした大野。藤本に身体を入れるも交わされてボールを奪われるとまさかのボックスの外でハンド!決定機阻止で退場も有り得たが、角度がなかったこと、中にDFが居たことから得点になる可能性は少ないとして警告で済んだ。もしこの軽率なプレーで千葉に退場者が出ていたらハイライン、ハイプレスがどうなったのかは見ることはできなかった。

 

落ち着かせて締める

後半に入り、千葉は指宿→為田大貴

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為田は左サイドに入り、船山が中央にポジションチェンジ。

大分は5-4-1でスペースを埋めてブロックを築き、2ラインの間で千葉の選手を捕まえる守備へ。なかなかチャンスは作れなかったが、相手にボールを持たせればハイプレスに晒される事はないので、ゲームを落ち着かせる事ができた。

その後大分は52分に三平→伊佐耕平、千葉は63分に小島→茶島雄介、71分に町田→ラリベイとお互い攻撃的なカードを切る。

攻めあぐねる千葉は締められた2ラインからボールを引き出しに下がってくるが、入れ替わって中を突く動きは全くなかったため大分のブロックの前でボールをぐるぐる回すのみ。71分からはなぜかダブルボランチに変更とちぐはぐな采配も響いた。

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80分にはじわじわと高くなった千葉DFの背後を突いて3バックの一角を務める岩田智輝が右サイドを駆け上がり、ボールを残してハーフスペースに侵入した伊佐へパス。伊佐は逆サイドでフリーの星雄次に低く速いクロスを送ると、星が冷静に押し込んで4点目。

その後、アディッショナルタイムに素早いリスタートで背後を取られ矢田のクロスをラリベイに押し込まれるも4-2で勝利を手にした。

 

千葉の印象

そもそもの策が欠陥だらけで、ハイプレス、ハイラインの裏を取れば簡単に失点。加えてGKの信じられないミスが2回もあったらそりゃ勝てないよ……と言いたくなる内容。これで可能性が僅かにあったPO進出もなくなる呆気なさ。

前節は勝利したものの、サポーターが居残りをしてクラブからこんな声明が出されたり、試合前にはこんなツイート

が流れていたりとゴタゴタしていた様子。

監督はほぼ無策、選手は連動性を欠き、サポーターは見えない未来に憤慨する。みんなどこか他人事のように感じた。チームに「ユナイテッド」と名があり、「WIN BY ALL」と掲げているがここまでバラバラだと最早皮肉でしかない。どうしたもんかね。

全てはマッドなサッカーモドキで昨期終盤に怒涛の7連勝でPOに滑り込んだ幻想の再現を夢見るフロントと、対戦相手の対策ができない、ボールを持っても策がないサッカーを1年通して続けているエスナイデル監督が元凶ではないか?このままではとても悲しい。

 

大一番を前に

初対戦から通算34回目の対戦でやっとのことで千葉にシーズンダブルを合計8-2という大差でやってのけた大分。とても感慨深いと思ったが、それ以上に千葉が弱かったなぁ……と感じるのはちょっと欲張りかもしれない。しかし、町田との天王山を落としたことを引きずらずに天敵から勝ち点3を奪えたのはとても大きい。西京極で虹を見て、千葉にシーズンダブル。これでJ2の御祓は済んだはず。直接対決で反町さんを泣かせてJ1まで突っ走ってほしい。

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第38節 ジェフユナイテッド千葉 vs 大分トリニータ - YouTube