Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】vs栃木(A) 積み上げとマイナーチェンジ〈J2第1節〉

今更ながらダゾーン民になったので1節から振り返って行こうじゃないか!ということでまずは栃木戦から。

 

カテゴリーの差を感じられた一戦となった栃木戦。開幕から様々な工夫が見られたこの試合は課題こそあれど、会心の勝利であった。

 

期待の開幕スタメンは以下の通り。

 

栃木SC
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3年ぶりのJ2となった栃木は、開幕直前で加入した田代雅也と新加入の西河翔吾がCBに入り、ボランチにはヘニキ、2トップをペチュニクと天敵の大黒将志が組む。メンツだけでみればJ2でもやっていけそうな感じ。

 

大分トリニータ
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上福元が東京Vに移籍したGKは高木駿、ダブルボランチを新加入の丸谷拓也宮阪政樹が組み、左サイドには星雄次。注目のFW、藤本憲明はCFとしてスタメンに名を連ねた。

 

 

カテゴリーの差を見せつけた前半

試合開始のホイッスルと同時に大分が栃木を圧倒する。

ボールと共に選手も流動的に動き、栃木DFがバタつくと藤本→三平と繋ぎ、裏に抜け出した後藤がGKを交わして流し込み、4分に早くも先制。11分には左サイドの選手が5人が次々にパスを繋ぐと後藤が振り抜き一気に2点差とする。

23分にはCKのこぼれ球を藤本が決めて3点目。この時点で勝ち点3をほぼ決めてしまう。

 

修正により起点を作った栃木

前半は連動して動き左右に展開する大分に翻弄された栃木だったが、後半は大分がテンポを緩めたこともあり、少しずつ攻撃の形を作りはじめた。後半からの栃木の工夫は、大分が守備の5-4-1の形になる前にSBが早めにボールを受けること。これによりプレス回避をしつつ数的優位を作り出そうとしていたのかな、と感じた。56分には左サイドを深く抉ったSBの温井駿斗にマークをしていた後藤がDFラインに吸収されて、マイナスのボールをプレッシャーがない状態でヘニキが受けるとセンタリング。大黒のバックヘッドが決まり一矢報いる。

その後、大分はカウンターから三平がサイドからカットインをして伊佐へパス。これを冷静に流し込み再び3点差に。後半ラストプレーできるで西谷和希がドライブシュートで豪快に決めるもここまで。4-2で大分が3年連続の開幕戦勝利を飾った。

 

 
昨年からの2つ変更点

大分は昨年から取り組む3-6-1。今期は移籍などにより選手はボランチ2枚、左WB、CFが開幕から変更となったが、注目したいのは3バックの並び。

昨年は右から鈴木、竹内、福森という並びであったが、開幕は鈴木と竹内が位置を変えていた。左右のCBは疑似SBになるため攻撃もできる必要がある。昨年の群馬戦(3:45~)のようにいいクロスが上げられれば……とも思うが、攻撃面より守備面で重要視していることが変わったのかな?と感じた。

竹内は空中戦で、鈴木はシュートブロックでそれぞれ特徴がある選手だ。昨年はクロスからチャンスを作られる事が多かったため、真ん中で弾き返すことのできる竹内を真ん中で起用していたが、今期は真ん中で守備を掻い潜ってくる場面が多くなると予想して鈴木を真ん中で起用した様に思われる。今節では、ボールを保持する時間が多く、サイドから起点を作られたため両者が守備面で目立つことはなかったが、ながーいシーズンで考えるとこのマイナーチェンジは大切だと感じる。 

 

また、もうひとつ大きな変更点は三平がCFからシャドウの位置にひとつ下がった事だ。

昨年は最前線で楔を受けたり相手を背負って味方を生かしていたが、今期は相手SBのマークのためにボランチの近くまで戻りプレーエリアを下げた。これによって、フリーでボールを受ける頻度が高くなり、相手DFとボランチに難しい選択を強いていた。開幕では1点目のスルーパス、4点目のカットインからのラストパスなど一番厄介な選手あり続けた。

 

栃木の印象

チームとしてボールの奪いどころをうまく決められなかった印象。その中でも修正をして我慢強くプレーをできたからこそ、3失点とほぼ大勢が決した後にも集中を切らさずに得点できたのだろう。

個人で気になったのはラストプレーでゴールを奪った西谷和希選手。推進力がありドリブルからチャンスを創出していた。ペチュニクへのパスが上手く入っていたり、そのままシュートだったりしていれば、結果は変わっていたのかもしれない。J2初年度ながら堂々とプレーができていたし、得点後も喜ばないところから負けん気が強い選手だと感じた。

 

開幕を終えて

相手を圧倒して開幕を飾ったが、課題も多い。2失点とも守備陣からすると難しいものであったことを差し引いても、早い段階からゲームを殺す術を持つことが必要だと感じた。可変システムの3-6-1で攻→守の切り替えの際に「シャドウ脇」をどうするかはシーズンを通して頭を悩ますだろう。

 

課題も散見されたが、攻撃陣の充実っぷりも感じた開幕戦。鬼門のホームでも勝ち点を重ねれば、明るい未来が待っている。そう感じられるゲームであった。

 

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第1節 栃木SC vs 大分トリニータ - YouTube