Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【京都】vs讃岐(H) 光を掴め〈J2 第7節〉

やっぱり試合は生で観た方が面白いし、気づきも多いもの。出来ればトリニータの試合を毎試合みたいけどそれは難しい……だが、たまたま前節試合をしたカマタマーレ讃岐と次節の対戦相手の京都サンガF.C.の試合があるということで西京極へ。

サンガサポーターの友人と観たので京都側から観ての感想を中心に話していければ。

 

 

試合前のあれこれ

西京極、桜が綺麗でした。春ですなぁ~
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そして先週食べることができなかったカマコロ(¥250)
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天気もよく、絶好の観戦びより。

 

それではこの日のメンバーを

京都サンガF.C.
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今期は4-1-4-1を採用。アンカーの宮城雅史がベンチ外。その位置に前節途中からアンカーを務めた田中マルクス闘莉王が入る。連敗の中で迎える今節、讃岐には未だに無敗と相性の良さを生かしたい。

 

カマタマーレ讃岐
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前節から佐々木渉が怪我でベンチ外、麻田将吾が契約上の理由で出場できないため、右SBに武田有祐、CBに中島大貴がスタメンに。4連敗の中で希望の光を見いだせるか。

  

 アンカー、闘莉王

この試合、良くも悪くも目立ったのはアンカーの闘莉王だった。

試合は前半から、京都がボールを支配し、讃岐側のピッチでゲームをする。サイドバックが高い位置でプレーをし、SH、2枚のトップ下と協力してサイドを抉り、中へ折り返して合わせる事を繰り返し行い、押し込んでいく。それに対し讃岐は、ブロックを築き、跳ね返して耐える。讃岐はロングボールからチャンスを伺うが、押し上げに乏しく、なかなか相手陣地に入る事ができなかった。

しかし、先制をしたのは讃岐だった。カウンターから抜け出した佐々木匠がドリブルで仕掛けると、ペナルティアーク手前で京都DFが思わずファールを犯す。このFKを原一樹が直接決めて先制。

京都はその1分後、味方のシュートのこぼれ球を小屋松知哉が押し込んですぐさま同点に。

この2分で大きく試合が動いたが、その後はまた攻める京都、守る讃岐という形のまま変わらず、1-1で折り返す。

 

前半、目立ったのは「良い」闘莉王だった。CBの前でフィルターとしての役割をしっかりとこなした。ロングボールで位置を確保しにくる讃岐に対して、高さでそれを阻止。ビルドアップでは、トラップこそやや雑であったが、左右に正確なパスを散らしてゲームを組み立てていた。運動量こそ無いが、動き回らずに真ん中でどっしりと構えていたために讃岐は押し上げすらままならない様に感じられた。

 

カードを切るごとに強くなる手詰まり感

後半、先に動いたのは讃岐。右SBの武田有祐を下げて荒堀謙次を投入。流れを掴むためにまずは守備からと感じたか。

京都は後半もボールを持ってサイドからクロス、跳ね返りをミドルシュートと攻めるが、停滞感が強くなってくる。58分に沼大希を下げて、岩崎悠人を投入。岩崎はサイドに入りり、湯澤洋介が内側へポジションチェンジ。

岩崎がサイドからゴリゴリと仕掛けてクロス以外の変化をつける。今までなかったカットインに対して讃岐は多少手こずるも、しっかりと対応する。

讃岐は木島徹也重松健太郎を下げて森川裕基、高木和正を投入し、カウンターの強度を増すようにし、「点取るぞ」とメッセージ。京都は仙頭啓矢に変えてエスクデロ競飛王を投入。エスクデロは怪我からの復帰戦となった。

讃岐はカウンターが機能しだして、原の落としを2列目がつないで単発の攻撃でなく、2~3本シュートシーンが連続する場面が見られた。一方の京都は、サイドからクロス、跳ね返りをミドルを繰り返し、エスクデロとカットインした岩崎がぶつかり渋滞になるだけでなく、闘莉王が前線に顔を出さないために外→内ばかりでその逆の場面を作り出せなかった。

 

後半の闘莉王は「悪い」闘莉王だった。

先述のように運動量がないため、アンカーを採用している京都では闘莉王が中盤の押し上げをしなければいけない場面で、それができない。空中戦でほぼ負けなしなのにCKでは何故か攻め上がらなかったり、ボールサイドに不用意に寄っていき、逆サイドに振られて守備に追われるのも散見された。前半は動かないことでリズムを作っていたが、後半は動けないが故にリズムを失っていた。

 

結局、後半は互いに決定機にも乏しいまま試合終了。西京極は非常に微妙な空気に包まれた。

 

質で勝負ができないが故に

京都サンガF.C.は今、非常に難しい状態にある。一昨年にPO進出をした石丸清隆監督を切り、招聘したのは監督未経験の布部陽功さん。昨年は一度もPO圏に絡む事なく12位。そして今期は7試合を終えて20位と成績が全く良くない。京都の深刻さについてはこちらのブログに詳しくあるので是非。

京都が抱える問題は大きく2つ。1つは選手編成の歪さ。そしてもう一つは監督の問題。

 

 選手編成の歪さについては主にボランチについて。現状では宮城、闘莉王、カセラス、重廣、仙頭、望月、エスクデロの計7名がボランチができる、もしくはボランチをした選手だが、宮城と闘莉王の本職はDF、仙頭と望月は守備面で難有りでもう1列前の選手の様に思われる。カセラスは試合に絡めておらず、昨年からコンバートされたエスクデロと、大卒新人の重廣が計算できる選手となるが、前者は怪我明けで後者は負傷離脱中だ。と、なると中盤の底は手薄になる。だから苦肉の策でアンカーを採用している様に思われた。

 

監督の問題については、「勝つための道筋」たるものが全く感じられないのが気掛かりだ。昨年は闘莉王とオリスのツインタワーに依存し積み上げに乏しく、今年の開幕戦でもビルドアップすらおぼつかないという体たらく。多少の改善はあるものの、この日のように選手交代の度に渋滞を起きて、役割が整理できない。どうやって点を取るのかが見えないのは観ている方からして非常に苦しいものである。これで昇格できる!と判断し、2年目も続投させた上層部の闇は深い。

 

光を掴んだのは?

内容に乏しく、状態が上向かない両チームだったが、試合で光明が見えたのは讃岐であった。

今年の讃岐はSBが起点になれるか否か、というのが大きな課題であり、試行錯誤している様に思えた。右SBの武田を下げた事に対するコメントからも、SBの位置取りの大切さが伺える。

-ハーフタイムで右SBを変更したが、その狙いは?
1週間、ビルドアップのトレーニングをやってきたが、あまりタケ(武田 有祐)がビルドアップを意識していなかったので代えた。荒堀(謙次)にして高い位置を取って、そこで本多(勇喜)くんがだいぶ苦労したと思う。前半からああいう形をとりたかった。前半のほうはアレックスがああいう(高い位置を取る)形をしていたので、石櫃(洋祐)くんがだいぶ苦労していた。前半にも、武田にもああいうことをしてほしかった。石櫃くんなんかああやって前半から動かされて、最後は足がもつれていた。そういうことが狙いだった。

京都-讃岐 監督コメントより

後半はある程度オープンな展開になったが、讃岐は連敗のせいか、逃げ腰でなかなか中盤の押し上げができなかった。そこをもっと自信を持ってリスクを犯せるようになれば調子が上向く様に思われた。実際、前線が潰れたセットプレーからしぶとく得点ができているので我慢強くやっていくに限ると感じた。

 

一方の京都は苦しい状態が続く。前線で収まるレンゾ・ロペス、突破力のある湯澤、小屋松、CBの層の厚さと決して個の力で劣るわけではない。それを生かして、「勝ちの道筋」を監督が提示できていないのがもどかしい。残りはまだ35試合あるが、監督の残り時間は少ないだろう。

 

【公式】ハイライト:京都サンガF.C.vsカマタマーレ讃岐 明治安田生命J2リーグ 第7節 2018/3/31 - YouTube