【立命館大学】vs大阪体育大 "らしさ"はあれど〈前期 第3節〉
4/18に西京極で開催された、関西学生サッカーリーグ。立命館大学は好調、大阪体育大学と対戦した。試合は接戦。らしさを見せた立命大だったが、淡白だった印象は拭えなかった。
この日のメンバーは以下の通り。
立命館大学
GK 1 白坂楓馬(桐光学園高/4年)
DF 14 西林佳祐(岡山U-18/2年)
5 上岡朋樹(G大阪ユース/2年)
20 重松勇樹(中京大附属中京高/3年)
22 塩田晃大(玉野光南高/3年)
MF 8 鷺原拓也(大分U-18/3年)
7 竹本雄飛(広島ユース/3年)
13 藤本悠太郎(阪南大高/2年)
15 藤井智也(長良高/2年)
FW 10 木藤舜介(東福岡高/4年)
39 閼伽井凜平(東邦高/2年)
SUB
DF 3 東野広太郎(広島ユース/2年)
46 山岡宏朗(洛北高/3年)
MF 4 田中康介(京都U-18/2年)
40 津田亘介(尚志高/4年)
FW 19 築山隼(久御山高/3年)
11 延祐太(JFAアカデミー福島/2年)
監督 米田隆
オーソドックスな4-4-2を使い、ボールを保持してじっくり攻めるのが特徴な立命館大学。
この日は多少の選手の入れ替えがあり、2回生が中心のメンバーとなった。
大阪体育大学
GK 1 立川小太郎(初芝橋本高/4年)
DF 15 大崎航詩(東海大付属仰星高/2年)
12 有働周平(広島皆実高/2年)
16 木出雄斗(星稜高/4年)
MF 7 浅野雄也(四日市四郷高/4年)
6 平田健人(星稜高/4年)
8 堀内颯人(奈良育英高/4年)
20 西田恵(関西大北陽高/3年)
10 末吉塁(初芝橋本高/4年)
FW 9 林大地(履正社高/3年)
SUB
GK 31 泉森涼太(鹿児島城西高/1年)
DF 24 林尚輝(立正大淞南高/2年)
3 小川明(履正社高/4年)
MF 17 立川嶺(磐田U-18/3年)
14 永吉広大(鹿児島城西高/2年)
FW 11 大田賢生(星稜高/4年)
13 古城優(堺西高/4年)
監督 松尾元太
高体連出身の選手が多く、ロングボールと球際の強さが特徴の大阪体育大学。
前節の甲南大学戦は後半に一挙8点を取って大勝。開幕から2試合で12点と好調。
起点は同じサイドでも
前半、主導権を握ったのは立命大。細かいパスから左サイドへ展開し、藤井が持ち味の脚の速さを生かして、縦へ抉りチャンスを作る。7分と8分には彼の仕掛けからの折り返しを木藤、鷺原が合わせるがゴールとはならない。一方の大体大も左サイドの浅野が兄の浅野拓磨(シュツットガルト/DEU)譲りの脚を生かしてハーフラインからドリブルでPA内まで持ち込むが、ゴールならず。
両チーム共にサイドを抉り、ゴールライン際から中に入れて、という形でチャンスを作ったが、ゴールネットを揺らしたのは大体大だった。前半34分に左サイドの深い位置で林大地がボールを受けると、ペナルティエリアに侵入。マイナスのパスを堀内が決めて先制。
立命大は失点から足が止まってしまったように思われた。サイドまでボールを運べても、そこからの崩しが出来ずに逆サイドに振って作り直すも、単調なまま。0-1で前半を折り返す。
一辺倒なまま
後半に入っても、立命大はボールは持てるがアタッキングサードに入ると渋滞を起こしてしまい、ゴール前での怖さが無くなっていた。また、大体大がロングボールを多用し、陣地の回復からカウンターを仕掛けたため、徐々にFWと中盤が間延びをしてしまう。
すると立命大は54分に木藤を下げて負傷明けの延がピッチへ。チーム全体でボールに絡むように、といった意図があったか。
60分にはカウンターから林大地が決定機を迎えるが、これはGKの白坂がスーパーセーブ。追加点は許さない。
閉塞感が漂う立命大は左サイドの藤井の走力を生かして打開を図る。イーブンなボールでも回収して縦へ縦へと推進力がある藤井に対して、大体大はCBの有働がしっかりと対応。昨年はSBをしていたためか、縦への突破に対して適切な距離を取り、最後のシュートやパスの場面で、藤井に対して気持ちよくプレーをさせなかった。
その後、立命大は途中出場の津田と築山がチャンスをつくるが、あと一歩足りず。0-1で敗戦となった。
ゲームについて、監督と。
試合後に、立命大の米田監督と話をする機会があったため、試合について聞くことができた。その中で感じたのは育成と結果の両立の難しさであった。
・ゲームの感想
試合に関しては勝つチャンスは十分にあった。しっかりとボールを持つというベースとなる部分はしっかりとできていたし、先制ができればこちらのゲームにできただろう。しかし、前半の左サイドからの崩しからで決めきれなかったのが勿体なかった、と。
大学サッカーはもちろん皆、学生のため若さが目立つ。一度流れを掴んでしまえば、その勢いのまま連続得点というのも珍しくない。実際に、前節でも大体大は後半だけで8得点。55',57',61',62'と連続で決まっており、その点、この日は失点から崩れることはなかったのは良かった。
・調子の良かった選手を変更した理由
前節で1ゴールをあげた築山と、アシストをした田中をベンチスタートにしたのは、チームで競争させたいから。延や鷺原も怪我明けでメンバーも増えてきた。ここでメンバーを固定的にすると、自ずと不満が出てきてしまい、腐ってしまうと。
自主性が大切とされる大学生。サッカー以外の誘惑も多くあり、たとえトップ登録の選手であっても突如として辞めてしまったりするのはリーグを見てもよくあること。それを考えると、プロ以上に選手の管理は難しいのかもしれない。
育成と結果の狭間で
大学サッカーのリーグ戦は前期と後期を合わせて22試合。J2の半分ほど、J1の約2/3である。その中で勝利のみを求めるのならば、メンバーをある程度固定させ、連携を向上させた方が効率的である。実際、関西で強豪とされる阪南大や関西大はメンバーを固定してリーグを戦っているため、結果が出るのは確かなのだろう。しかし、あくまでも大学。教育機関でもあるため、サッカー以外にも目を向けていかなければならない。立命館大学体育会サッカー部の目指すのは、社会に出ても通用するような人材の育成だ。そして、今年の目標は「日本一」と「愛し愛されるクラブ」の2つである。
人材の育成と結果の両立。この狭間でもがいているのが今の立命館大学だ。それは今年だけでなく、今までもそうであった。目の前で勝ち点がわずかに及ばず、全国大会がこぼれ落ちたのは1度や2度でない。
立命館大学のスローガンに「Beyond Borders」というものがある。
私たちは挑む。
Borderを超えた先にこそ、本当の喜びがあることを知っているから。
そのBorderが高ければ高いほど、喜びが大きいことを知っているから。
超えていこう。ここに集う3万5000人の仲間とともに。
Borderに立ち向かう日々こそが、新しい自分へとつながっているのだから。
全国への挑戦は、まだこれからも続いていく。結果が出るかどうかはシーズンが終わるまでわからないが、挑むことに意味があり、それが選手達の成長に繋がると信じたい。