Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【G大阪】vs仙台(H) ボールを刈れれば〈J1 第12節〉

前半と後半では全く違うチームだったこの日のガンバ。ゆるふわだった守備から一転、球際に激しく、労を惜しまないプレーを披露し、しっかりと勝ち点3を奪った。
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この日のメンバーは以下のように。

ガンバ大阪
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ダービーで負傷した東口から林瑞輝がGKに。一方で今野泰幸長沢駿と負傷していたメンバーが復帰し、選手層も厚くなってきた。

ここまでホームで3連勝も、アウェイで勝ちきれず連勝は無し。前節からのホーム2連戦を勝利で飾り、今季初の連勝を狙う。

 

ベガルタ仙台
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第7節の名古屋戦を最後に勝ちがなく、5試合で勝ち点はわずかに「2」。連敗は1度しかないが、いまいち流れに乗れずに状態が上がらない。この試合で悪い流れを絶ち切りたい。

 

間を通され続けた前半

前半序盤から仕掛けたのはアウェイの仙台だった。ボールを持つと選手間の距離を広く保ち、両WBはタッチラインほどまで広がり、ガンバのSBの攻め上がりを阻止。サイドに大きく振ったり、ロングボールからSTの野津田岳人、西村拓真に縦の楔を入れて、ガンバのCBとボランチの間、SBとCBの間を上手く突いてチャンスをつくる。特に自陣深い位置からのカウンターは脅威で、決定機になる場面が見られたが、ゼロで抑える。

仙台にボールを持たれると、4人のDFラインに3トップ+両WBの合計5枚をぶつけられてサンドバッグ状態になりだしたところから、ガンバも対応に変化を持たせた。キャプテンの三浦弦太がDFラインを高くするように指示。オフサイドトラップの意識と中盤との距離を縮めて間延びを防ぐ意図があったと思われる。

それでも攻撃が大好きなマテウスが適切な位置を取れておらず、中盤でボールを絡め取る事ができずにいた。中盤で後手を踏むため、前線にはロングボールしか入らず、厚みのある攻撃はできなかった。

 

 メリハリがついた後半

HT明けにガンバが早速交代カードを切る。オ ジェソクを下げて今野泰幸。第4節以来の出場となったが、彼が入ったことによりボールを前半より高い位置で奪う事につながった。
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 今野はボランチに入り、米倉が1列下がり、藤本がサイドへ。遠藤がボランチの前でプレーをした。

後半からは仙台を誘い込み、前がかりになる相手の裏を狙う形が上手くハマった。CBとボランチの距離を狭めて相手のシャドウを挟んでフリーにさせずに、苦し紛れのパスを奪ってスペースのファン ウィジョを走らせてチャンスに。仙台は3バックがハーフライン近くでプレーしていたため、ウィジョと同じほどの距離をヨーイドンで走らなければならない。そこに少し遅れてガンバの2列目、特にサイドの倉田秋藤本淳吾がなだれ込んでくるために、仙台のボランチは適切な位置はどこなのかを惑わすことになった。

カウンターからチャンス、それもほぼほぼ決定機となるような時間帯が続くこと15分、ついに試合の均衡が崩れる。右サイドをダイレクトプレーで崩すと、中盤の今野からのパスをペナルティエリアでフリーで受けた倉田がトーキックで決めて先制。

 その後もウィジョのバー直撃のシュートや、GKとの1対1などハットトリック未遂があったり、マテウスミドルシュートなど終始攻め続けたガンバがホーム4連勝と、今季初の連勝を飾った。
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一辺倒だった仙台

この日、チャンスは作れど得点にまで繋がらなかった仙台。相手を自陣に引き込ませてのカウンターは脅威になったが、失点後は前がかりになって攻撃は詰まり、後ろの広大なスペースを狙われてしまった。

思えば前半も、ガンバはサンドバッグ状態になっていたが、ミドルサードから前でのパス回しにはブロックを作って中を閉じて対応をしていた。また、相手を誘い込むように、DFラインで回す場面も少なかった様に思われる。ここ数試合勝ちがなく、攻め急ぎたい気持ちが出ていたが、それが裏目に出ていたように感じた。

 

連続した守備ができれば

ガンバは後半から今野の投入で中盤からのプレスが連動した。大阪ダービーでも、ルーキーの髙江麗央が中盤で精力的に動いて、ボールを奪えたことにより、相手をサイドへ追いやる事ができた。裏を返せば、遠藤とマテウスボランチでは運動量で疑問が残るとも言える。今野の復帰により、ガンバはこれから復調するように思えた。

 

ヴィーガンバの策とは?

選手交代により、試合の流れを引き寄せたガンバのレヴィークルピ監督。しかし、前半の内容を見る限り、仙台に対して綿密な対策を持っているようには思えなかった。DFラインの4枚に対して仙台は5枚をぶつけて数的優位を作ってくる。これに対して、相手ボランチを封じてパスコースを絞ることも、DFの人数を合わせるわけでもなく、相手に気持ちよくプレーさせていた。前半途中から三浦がラインを上げるように指示していたが、あれも選手の判断だったのでは?と感じた。

監督の中には「その時の最高の11人を並べれば結果はついてくる」という考え方もある。実際、ガンバには遠藤や今野といった百戦錬磨のプレイヤーがゲームの流れを読み取ってコントロールをしているが、彼らもキャリアの終盤。積極的な若手器用は評価されて然るべきだが、どんな意図を持ってピッチに送り出すかは監督の仕事。そこがしっかりとできなければ、後々に響くだろう。

大阪ダービーの後に、誰かのブログ(わかる方教えて下さい)にて「今のガンバに自由はいらない」といった旨が書かれていた。

自由とは一見聞こえは良いが、規律がなければ、それは単なる無秩序ではないか。

 

「胸に光る星」に増やすために、若手の器用だけでない"レヴィーガンバ"の独自性を見たいと感じるゲームだった。
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