Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】vs甲府(H) 噛み合わず、必然の敗戦〈J2 第22節〉

ここからリーグは後半戦。前期での対戦は2-6とフルボッコにされたが、今回はそれよりも酷い内容だった。走れない、ミスが多い、機能しない戦術。今季ワーストの内容。なんだこれ……

 

この日のメンバーは以下のように。

大分トリニータ
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放送では3バックと話していたが、4-1-4-1だったように思われる。

前節退場した丸谷拓也に変わり岸田翔平川西翔太から姫野宥弥と2人を入れ替え、宮阪はベンチ外に。七夕開催で誕生日、J通算250試合出場を果たした馬場賢治に期待がかかる。

 

ヴァンフォーレ甲府
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ルヴァン杯PO進出によりJ2で唯一の中2日で対戦となった。1週間前から4人、3日前から7人を変更して大分に挑む。

怪我人が多く、仕上げのリンスはFC東京へ移籍となかなかメンバーは揃わないためかほぼ0トップのような布陣に。そして0トップの中央には曽根田穣が初スタメンに。

 

ハマらない戦術

前半4分、CKをすんでの所で高木駿がセーブ、こぼれ球も星雄次が掻き出して前回対戦のような開始早々からの連続失点は防ぐものの、大分はふんわりと入った、もしくは出鼻を挫かれる形になった。

前回対戦と同様に、甲府が前から仕掛けてくる事は想定でき、それに対しての策を片野坂監督は準備をしていたが、全くと言って良いほどハマらなかった。
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大分が準備していたのは3つ

・被プレス回避の策

・相手ボランチのスペースの攻略

・サイドの強化による3バック脇の攻略

 

被プレス回避の策は、小手川が中盤底に入り4+1の形と、小手川、姫野が1列下がり、両サイドが一列上がり3+3の形を併用してパスコースの確保をする意図があった。

相手ボランチのスペース攻略は、守備でも前から仕掛けてくる甲府。だが、大分がミドルサードまで持ち上がるとボランチ島川俊郎がDFラインに入り、4バックに可変。小椋祥平の1ボランチ脇にスペースが生まれる。ここを、シャドウの國分が下がると共に、姫野が1列上がり数的優位を作って攻めるというもの。

サイドの強化による3バック脇の攻略は、大分が4バックを敷いてサイドに2枚ずつ配置をするというだけでなく、よくドリブルで上がってくるエデルリマの背後を狙う意図と、相手WBをサイド2枚で挟んでカウンターという狙いがあった。

 

しかし、この3つの狙いで重要だったダブルボランチの動きが全くと言って良いほど機能せず、甲府対策のデメリットばかりが出てしまうというものになった。

 姫野は、機動力を生かして攻守でボールに関わる事を求められたが、3+3の1ボランチではボールをロストしまくり、攻撃では國分と横に並べずにボールを持ったら前に5枚はいるというのを原則とする大分の形を作れなかった。

小手川はバランスを取る事に長ける選手という評価での起用だったが、彼は「ボールを持っている時に」バランスを取れる選手ではあるが、ボールがない場面でのポジション取りは曖昧で、特にボールを奪われてすぐの場面で棒立ちになったりしていた。

中盤の底を意味する「ボランチ」は、ポルトガル語で「ハンドル」の意味。スペイン語で同じポジションを指す「ピポーテ」は「軸」という意味だ。ダブルボランチが機能しない事はハンドルがないこと、軸がブレブレだったということだ。

 

そんなこんなであたふたしている間に20分に堀米勇輝、24分に曽根田に決められて0-2。

大分は42分に姫野を諦め、川西を投入して応急措置をして前半を終える。

 

プランBでも変えられず

流れを掴めないまま前半を終えた大分は、星を下げて伊佐耕平を投入。フォーメーションを変えて打開を図る。

松本怜を左SB、藤本憲明をトップ下に変更し、4-2-3-1へ。
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ボランチの上下の動きをなくし、中盤でのスペースを狭めて応急措置を施した。

この変更により落ち着きを取り戻し、攻勢に出た大分だったが、次の得点は甲府だった。カウンターから堀米がペナルティエリアの外からループシュートを放つがバーに当たって跳ね返る。これを佐藤和弘が頭で押し込んで3点目。

大分は74分に裏抜けをした藤本がボックス内で倒されてPK。自ら決めて2点差にして勢いが増したが、83分に小手川が自陣中央で佐藤に奪われてGKと1対1を決められて万事休す。アディショナルタイムに再び藤本がPKを貰い自ら決めるも結果は変わらず。厳しい敗戦となった。

 

甲府の印象

怪我人が多く、リンスも移籍。それに加え、ルヴァン杯の関係で試合数も多いと厳しい時期を過ごしているが、どの選手が出てもクオリティが下がらないのはやっぱりJ1で戦ってきただけあるなぁ、という印象。そんな選手達が惜しみなく走るのだから驚異でしかなかった。

この試合で、島川が負傷交代とまた一人怪我人が出た様子。ここから怪我人が戻るのが早いかリーグ戦が終わるのが早いかで成績が変わることもあるだろうが、後半戦の目玉となるだろう。大変トラウマになりました。

 

辛抱の時

大分は甲府相手に2試合で10失点。非常にしょっぱい結果となった最たる原因は、ボランチの機能不全であった。今季初、そして昨年8月の町田、ヴェルディ戦以来の連敗となってしまった。ここでブレるかブレないかは悩ましく、辛抱の時だと感じる。そして、次節は昨年J1で、前期では逆転敗けを喫した大宮。勝ちが遠い今こそ、一丸で戦わなければならない。

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第22節 大分トリニータ vs ヴァンフォーレ甲府 - YouTube