Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】vs讃岐(H) 完璧!完勝!〈J2 第33節〉

今月唯一のホームゲームはゲームプラン通り、どころか「良すぎた」くらいのデキに。前半に3点、後半に2点とタコ殴りにして無失点。大変良い結果となった。

 

この日のメンバーは以下のように

大分トリニータ
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試合前は馬場賢治がシャドウに入った3-4-2-1の予想だったが、蓋を開けると馬場は3センターの一角に入っていた。FWに藤本憲明がスタメンで出場し、國分伸太郎、姫野宥弥、林容平が久々にベンチ入りを果たした。

 

カマタマーレ讃岐
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ここまで勝ち点25と最下位に甘んじている讃岐。前節で連敗を5でストップさせたが、ここまで6試合無得点と苦しい状態が続く。この日は契約の関係で大分から期限付きで加入の竹内彬はメンバー外に。岡村和哉がCBを務めた。

 

理想的な形で

大分は前半頭から讃岐陣内でプレー。これは讃岐も想定内であったが、馬場のプレーエリアに関しては北野監督はやや慌てたか。

この日の大分は3-4-2-1ではなく3-3-2-2だった理由は、讃岐がカウンター主体でラインが高くなく、押し込むことも挙げられるが、一番はマッチアップの面だろう。

3-4-2-1では相手をおびき寄せて裏へドカーンというのがハメ技だが、相手はその誘いに乗ってこない。前に5人を並べて4バックに対して数的優位を作れないのならば、4バックに2トップと両WBをぶつけて讃岐の最終ラインを押し下げ、中盤のスペースを3センターが攻略をして中を崩す算段だったのだろう。

 

これに対して讃岐は、4+4のブロックを準備し、左右の距離をペナ幅に設定。中を締めて大分の得意とする間受けやフリックといった攻撃をしっかりと受けて、前がかりになった大分の広大な背後を取ることを目論んでいた。実際、大分は押し込めど押し込めど得点が奪えない展開が徳島、福岡戦と続いていたためスカウティングは理に敵っていた。

しかし讃岐はサイドでの対応で大きなミスを犯してしまう。

讃岐の4バックに対して大分は2トップ+両WBをぶつけ、1対1を意識させると共に両WBはできるだけ幅を取って対面するSBを釣り出すというのをスタートからしていた。大分のWBの守備をSBがしてしまうとCB-SBの距離が離れてしまい、自陣深くでスペースを作ってしまう。先制点の場面に象徴されるようにここを有効に使われてのものだった。

 

 

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右WBの松本怜にボールが入り、対面する麻田将吾がチェックに向かう。ここで麻田-岡村間が間延びをしてしまう。


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麻田は松本のクロスをブロックしてスローイン。大分は三平和司がボールサイドに寄ってCBを釣り出し、それに伴い三平の位置にポジションチェンジをしていた松本が中央のスペースへ侵入。


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深い位置でのワンツーで讃岐の守備は完全にボールウォッチャーとなり


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三平のカットインで右SHの西弘則がボールへチェック。


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三平は相手を引き付けてフリーになった馬場へパスをし、これをアウトサイドで引っかけてGKから離れるボールで先制点。

 

動画はこちらで

 

サイドでのマーキングを誰がどこまでやるかが甘く、そこのズレ、スペースを大分がしっかりと突いて崩しきった完璧な形。讃岐は大分のWBにSHをぶつけて最終ラインの4枚は動かさないのを理想なのだろうが、岩田智輝が高い位置を取るためそちらにピン止めをされてしまい、サイドで数的同数、もしくは数的不利な状態で守備をどうするのかが明確でなかった。そこをしっかりと見逃さずに開始15分で先制点を奪えたのはとても大きかった。

 

21分にもCKからのショートパスで、同じようにサイドにスペースを意図的に創り出し、裏抜けマシーン藤本憲明がしっかりと背後を取って追加点を奪った。

 

早い時間で2失点を喰らった讃岐は、FWの木島徹也、佐々木匠も自陣のミドルサード入り口に構えての守備に変更。これはこれ以上傷口を広げないための消極的なものでなく、佐々木匠は左サイドの守備の補強で岩田のチェックができるようにするため、木島は配球役の丸谷拓也に付いてサイドチェンジの阻害を目的としていたようだ。

これによりサイドの深い位置から作り直す大分のバックパスを奪って両SHが一気に押し上げて高い位置に多くの人数を割いた大分の背後を狙うことができ、決定機を2つ作った。

 

大分は讃岐のカウンターを受けて面食らったようで30分辺りから中盤が間延びをしてしまい、効果的なポゼッションができにくくなっていた。残り15分を守って後半に繋げるか、攻め込んだまま讃岐を守備に追いやるかで曖昧になっていたように思える。

そんな悪い状態に陥った大分だったが、追加点を奪った。西のシュートのリプレイが流れていたためわからないが、恐らくロングボールで左サイドに展開をして馬場→三平→星雄次と繋がり逆足の右で放ったシュートは相手に当たりGKの裏を突く形になり3点目。これでゲームは完全に決まってしまった。

 

容赦なく

後半に入り、讃岐は2枚替え。左右のSBである武田有祐、麻田将吾を下げてアレックスと重松健太郎を投入。

西が1列下がり渡邉大剛が右へ周り重松とアレックスが左サイドで組む形に。
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チームとしても後半はライン設定を高くして前から、という形に変えてきた。

その中でも一番の変化はSBに高い位置を取らせるための可変だろう。ベースは上記の4-4-2だが、攻撃に転じると重松が1列前に上がり、中盤3人が横にスライドして4-3-3に。

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中盤を3枚にしてその脇をSBが上がっていくスペースを作ると共に大分の3センターの脇を突く意図があったと考えられる。SBが高い位置を取るためその分守備が薄くなるが、3失点なのだから構ってられない!ということかもしれない。

また、前半は4+4のブロックの強度を保つためにペナ幅での守備だったが、選手の間隔を広くして大分のサイドチェンジに対応していくことも想定しており、決して全裸特攻ではなかった。

 

しっかりと修正をした讃岐だったが、次の得点も大分だった。またしても右から崩して岩田の浅い位置からの正確なクロスを藤本がヘディングで合わせて4点目。岩田のクロスは同郷の先輩、松原健(現横浜FM)を思い起こさせるようなものだった。

 

大分は4点目を奪ったが、その1分後にピンチ。3センターの脇を使われ、サイドの佐々木匠からクロス。中央で中島大貴がヘディングで合わせるも高木駿がビッグセーブ。

マンオブザマッチタカーギーにはならなかったがこの週末のベストセーブに選出された。

 

3センター脇を狙われだした大分は三平が様子を見ながら中盤に下りて5-4-1に変更。これにより守備も安定できた。

その後、讃岐は西→市村篤司、大分は三平→清本拓己。

大分は馬場が一列上がり3-4-2-1へ。

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点差が大きかったこと、警告を受けていた事もあり75分には岩田から岡野洵へと交代。

もうこれで試合も終わるだろうなー、という83分。ビルドアップで讃岐を誘きだして高木がロングフィード。中島の背後を取った藤本が持ち込んでアレックスを引き付けて清本へパス。清本はGKとの1対1をしっかりと落ち着いて決めて5点目。

その後は馬場→姫野宥弥で試合をクローズさせつつ藤本が裏抜けからハットトリック未遂で試合終了。今季最多の5得点、そして無失点という最高な形で勝ち点3を手にした。

 

讃岐の印象

この日の終了後のインタビューで北野監督が話していたように「ブロックを組んで安心しちゃってる。ボールに行けていないんで……」というのが全てだろう。ブロックはシュートブロックにあらず。シュートを打たせないためにどうするか、があまり見られなかったのが残念だった。

チームとして成長をするため、今季はカウンター一本槍からの脱却を目指し、SBを起点にしたビルドアップを試しているようだが、なかなか難しい様子。未だに最下位だが報われてほしい。

選手で印象に残ったのは西弘則と佐々木匠。カウンターの場面ではナナメに走り渡邉大剛からのパスを引き出したり、ヌルヌルのドリブルだったりと、怖さがあった。相変わらずのシュート精度だったがそれはご愛嬌ということで……。

佐々木匠は前期での対戦では線の細い選手だなぁ、と思ったがちょっとがっちりした印象。守備もサボらず、長い距離を走ってのカウンターもできて、今の讃岐の希望なんだろうなと感じた。

 

出来すぎ

ゲーム展開は攻めあぐねる前に点が取れ、悪い時間にゲームを終わらせる追加点にゴールラッシュ。他会場では上位が軒並み足踏みとちょっと怖いくらい出来すぎであった。(解説がいつも以上に酷すぎたからそれでバランスが取れたのかも?) 増田忠俊氏の解説()は中身がない、分析もできない、リスペクトもないとハットトリック。もう結構なので自ら身を引いてほしい。マジで。

 

この試合で馬場は自身のキャリアハイの10得点を記録。相手が苦しむ古巣だっただけに思うところがあるだろうが立派な成績。残り試合でもモリモリ点取ってほしい。藤本もハットトリック未遂とFW陣が好調。林容平もベンチにひょっこりはんしていたのでこれからのスタメン争いも楽しみだ。

 

そしてこの日から本格的に?3-1-4-2と3-4-2-1の併用をはじめた様子。馬場が3センターの1角を務めることでゲーム内での選択肢が増えたのは本当に大きい。上位との対戦も残っているためこれからどう戦うかも楽しみで仕方がない。

残り試合、この勢いをもってJ1へと突き抜けていきたい。

 

そしてこの試合から、浅田飴さんがトリニータのスポンサーになっていただきました。

 

堀内社長が大分を楽しんでいただけたようで何よりです!

 

サポーターからも歓迎のダンマクだったりと

 

 

これからもいい関係が築ければいいなぁ……

 

戦うのどに浅田飴!!!!

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第33節 大分トリニータ vs カマタマーレ讃岐 - YouTube