Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】vs京都(H) マンオブザマッチコテガーワー‼〈J2 第36節〉

 

 

古都のつまらぬ蹴鞠では、豊後のハイカラなふっとぼぉるには太刀打ちできぬ。

終始バラバラで、個の力でゴリ押しする京都を大分はしっかりと往なして勝ち点3を手にした。

 

この日のメンバーは以下のように。

大分トリニータ
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いつものメンバー。ボランチ兼アンカーの前田凌佑がスタメンなので3-4-2-1、3-1-4-2、4-1-2-3と相手の出方によって後出しジャンケンができるように。

4戦6発と大爆発の「PAが実家」こと藤本憲明スーパーサブとしてベンチからスタート。

 

京都サンガF.C.
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布部体制2年目は、積み上げがほぼ見られずに途中解任。ボスコ・ジュロヴスキー監督に変え、夏場に大量補強をしてドーピングをした京都。春先に小島社長から「落ちひん!」というパワーワードも飛び出し、バドゥらへんから千葉と共にネタクラブの最先端になった印象。

小屋松知哉がこの試合でJ通算100試合の出場。めでたい。

 

アクシデント

互いに思ってもみなかった形から失点をしてしまう。前半6分に京都は中央を田中マルクス闘莉王→重廣卓也→仙頭啓矢と繋がりクロス。中央で大分DFが弾くが、こぼれ球をカイオがボックスの外からダイレクトボレーで決めて京都が先制。大分からするとしっかり人数もかけていたし、スーパーなゴールだったためまさにアクシデント、といった形の失点だった。

しかし大分も13分に同点に追い付く。京都自陣でのスローインからGKの清水圭介にバックパス。タッチライン際からライナー性のキックをすると味方の本多勇喜にあたり、ボールは小手川宏基の前に転がると、冷静に無人のゴールに流し込み同点に。

 

ここから試合は、京都が攻守での意図がバラバラだったこともあり、大分が押し込んでいく。

試合後に重廣が

--積極的にプレッシャーにいくのは持ち味だが、今日は食い付いた後ろのスペースを狙われていた?

特に前半は狙われましたね。僕の独断の動きにみんなが付いてこられていないと捉えるべきなのか……。トゥーさんからは「上げてこい」、後ろからは「ディレイだ。コースだけ切っておけ」という指示が出ていた中で、僕自身も(プレスに)行くなら取らないといけなかったですし、もっとコースを限定しないといけなかったです。

大分-京都 選手コメントより

 

とあった様に、大分のビルドアップに対してのリアクションはまちまちで、3バッグ+ダブルボランチに対して京都は前線の6人がコースの限定に行くが、運動量のない闘莉王が中央で守備の方向づけができないため鈴木義宜と高木駿が容易に縦パスを入れたり、左右のストッパーにボールが入ると、仙頭、小屋松が長い距離を走ってプレスに行くが、その背後を取られて簡単にWBに繋がる。京都は前プレが全くハマらないだけでなく、人数をかけているため、大分が丁寧にボールを繋ぐだけで疑似カウンターみたいな形になり、左右を大きく使って相手を揺さぶる事ができた。

 

京都はブロックを作った守備でも明確な決まり事は「SHが相手WBをマークする」の1点のみの様で、両WBが上がる大分に対して最終ラインに6人ないし7人が居る有り様に。ペナ幅に4人、WBにマンマークを敷いていたためハーフスペースは人海戦術により埋められ、大分のシャドウが背後を取る形は起きにくくなっていたが、いかんせん守備に人数を掛けすぎているためカウンターにすらならないという地獄。前から仕掛けて裏を取られ、後ろで構えて攻められない。なんだこれ……

 

京都の攻撃はロングボールをメインにビルドアップで庄司悦大が左CBに落ちて両SBを上げる。それと共にSHを中に絞らせて……とリヴァプールみたいな事を試みる。

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しかし、闘莉王がフリーダムなため中央で渋滞を起こしたり、ロングカウンターで走れずに重廣がかわりに飛び出してなんとか体裁を保とうとするが、ロングカウンターでは大分DFに簡単に処理をされ、ショートカウンターでは闘莉王と重廣がごちゃごちゃしてカイオが下がってよりゴチャゴチャして奪われる。なんだこの地獄……

 

大分は京都の惨状を横目にロングカウンターをしっかりとケアすれば失点になるような場面はあまりない。ビルドアップでしっかりと相手を釣りだして、後手を踏ませ続ければチャンスはあると焦らずにゲームメイク。押し込めば最終ラインに6~7人置く京都の1列前で岩田智輝、前田、丸谷がフリーでボールを回して揺さぶりをかけ……というのがずーっと続きドローで後半へ。

 

相手の変更にも焦らず

後半に入ると京都が修正を加える。後ろに6~7人いたブロックの人数を減らしてバランスをよくするため、ボールサイドのSHのみDFラインに下がり逆サイドはスライドして5枚で守る!と。この時期でやる修正としてはとても稚拙としか言いようがないが……

60分には闘莉王の介護で大分の右CBとWBの間を馬車馬のごとく走りまくった仙頭を下げてジュニーニョを投入。解説できない解説でお馴染みの増田は「左右の位置を変えてきましたねぇ~」や「5バッグは考えづらいんですが~」と根拠の無いことを話していたが、3バックという名の5バック。前節のプレーとの比較すらできない解説者モドキ()に小屋松が今季左WBでプレーしたことがあるなんてわからないでしょう。

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小屋松を左WBにして守備では5バック。スライドをさせないことでDFラインの体力のセーブを行うこととマッチアップを明確にすることが目的だろう。

 

動いてきた京都。しかし大分のビルドアップにフタが出来ていないために大分は自由にプレーでき、その結果逆転という結果に繋がる。岩田からのクサビのパスを伊佐がヒールでDFラインの裏のスペースに落とす。走りこんだ小手川が冷静に流し込んで逆転!

喜ぶ三平の「マンオブザマッチコテガーワー!」が聞こえたりと待望のゴールだった。【ゴール動画

 

大分は京都の変更直後にリードを奪い、焦らずにボール回し。相手のプレスもあまりないため、3バックが広がり、その前のダブルボランチの5枚で回して攻撃に人数をかける。京都は変更直後の失点でプランが崩れたか、ボードを使って監督とコーチが話をする。

78分に小屋松→レンゾ・ロペス、80分に庄司→岩崎悠人と攻撃的なカードを切って4-4-2に戻し得点を狙う。

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同じタイミングで大分は松本→岡野洵、三平→藤本憲明とし、高さで跳ね返す事と高くなった相手のバックライン裏を狙う。

岡野がボックス内で岩崎を倒したのはPKのようにも見えたが、流されるという運も味方し?勝ち点3を大分が手にした。

 

京都の印象

関西在住で度々サンガを見ることはあるが、昨年からの進歩が全くなく、なにをしたかったのかが全く見えず、終始選手が判断してプレー!と、連動した動きは皆無であった。途中で慌てて3バック、失点からの4トップ、闘莉王の気ままさでトリプルタワーのファイヤーアタック。あまりにも自チームに過信があるか単にスカウティング不足ではないか。あまりにもサポーターが可哀想である。

闘莉王は高さや上手さがあるため局面で優位に立てることはある。先制点の場面でも重廣へのリターンパスは上手かったし、後半アタマのFKではドンピシャで合わせたりと見せ場はあったが、それ以上にデメリットが大きかった。基本的に機動力・体力がないため1stDFの役割が果たせない。そしてその皺寄せが大きすぎる。闘莉王が守備の方向づけができないため仙頭、小屋松はCB-WBを長い距離を走らないといけなくなり、闘莉王が組み立てに参加するため、庄司、重廣、カイオがバランスを取るためにポジション移動をしなければならない。あまりにも闘莉王の介護に負担がかかるのは歪という他ない。大野耀平のように走れるFWの方が収支はプラスになるのではないか?とも思う。「精神的支柱」として獲得した闘莉王がピッチにいないとサンガは成り立たないのか?そうであればもう宗教の世界だ。

たとえ「落ちひん!」かったとしても、今のサンガに魅力はあるのか?どんな意図を持っているのかが全く見えない現状で明るい未来はあるのか。

選手で印象に残ったのは重廣卓也。闘莉王の介護をしつつ中盤に穴を開けないようにプレー。よかった。

 

ここにきて

大分は第5節水戸戦~第8節京都戦までの4連勝を超える今季初の5連勝。この時期に調子があがって結果がついてくることは実力がついてきたこと、チャレンジ&エラーがしっかりと出来ていることの証左だと感じる。

次節は町田との天王山。この時期にこの順位である幸せを噛み締めながら大分のこれからも追っていきたい。

 

【ハイライト】2018明治安田生命J2リーグ第36節 大分トリニータ vs 京都サンガF.C. - YouTube