Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】2018年シーズンレビュー 掴んだもの、足りなかったもの〈選手編④〉

シーズンレビュー、選手編の④です!

FW登録の選手!

 

第1弾(GK編)はこちら

第2弾(DF編)はこちら

第3弾(MF編)はこちら

 


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※詳細ポジションはフットボールラボJリーグ公式を基準(先発出場時のポジション)に、得点はJリーグ公式、アシストはゴールの2つ前のパスまでとしてます。大体の数ですので悪しからず……

 

 

FW

9.後藤優介

Pos:OH,CF,RH

10G7A

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昨年は42試合中41試合に出場し、2度のハットトリックを含む17ゴールと飛躍。「大分のエース」となった後藤だっただけに、今年は物足りないシーズンとなった。

開幕スタメンを勝ち取り、2ゴール。第25節愛媛戦までで19試合に先発も、そこからはベンチスタートしかなかった。得点も第25節までで8ゴールと順調だったが、ベンチスタートが増えた後半戦は第28節岡山戦の2ゴールのみ。

後半戦からは好調な選手が増えたことによりFWの選択肢が増えたことや怪我も影響をしたが、守備面での課題があった。前半戦では3-4-2-1をベースに守備では5-4-1に可変。シャドウの守備での役割はリトリートをしてサイドに開く事が求められた。しかし、後藤がベンチスタートになった第26節岐阜戦からは3-3-2-2へと基本のポジションが変わり、守備のやり方も「まずはサイド」ありきではなく、全体を見ながら5-3-1-1で中を固めたり、全員が自陣に戻り5-3-2で守り、ロングカウンターを狙う形も増えるなかで、コースの限定やポジショニングが課題になったのだろう。

シーズンを通しては10ゴールと2ケタ得点を記録。技術の高いコントロールショットアクロバティックなゴールがあっただけに、物足りないシーズンになってしまった。守備の改善ができれば、来年も得点数を重ねることができるだろう。

 

10.藤本憲明

Pos:CF

12G7A

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J3で2年連続で得点王に輝いた藤本は開幕から1ゴール1アシストと確実に結果を残すも、第4節東京V戦を最後にベンチとメンバー外が続く。第19節松本戦で久々に先発に復帰すると早速ゴール。そこからは伊佐、三平、馬場などと熾烈なFWスタメン争いを繰り広げた。

シーズンで12ゴール、7アシストとカテゴリーを1つ上げたがしっかりと2ケタ得点。すごい。

チームとしても彼のプレーを理解できたことが大きかった。開幕からの数試合ではCFの役割は相手を背負ってのポストプレーがメイン。シャドウを助ける動きを求められていた。しかし、第17節松本戦からはポストプレーよりも裏抜けやスペースに飛び込むタイプのFWとして松本からのロングスルーパスなど、相手の背後を突くパスが増えた事により、藤本の長所が出やすくなった。

藤本の凄さは引き出しの多さと抜け目のなさ。ポストプレーは得意ではないが、いつも最終ラインとGKのスペースを見ており、そこにボールを引き出すためのポジショニングは秀逸の一言。第32節熊本戦でのゴールでは攻守の切り替え→ボールを呼ぶ→裏抜け→GK交わしつつ身体入れてボールを隠す→体勢を崩しつつもゴールとたくさんの要素が含まれた得点をしたり、第34節山口戦では後ろ向きのボールむっちゃトラップするもん!そんなんできる?できひんやん普通!な半端ないゴールをしたり、第22節甲府戦では百発百中の落ち着いたPKをやったりとたくさんの引き出し持ってる。これがストライカーなんだなぁ~!と日々感心するばかり。来期はJ1の舞台。JFLから駆け上がってきたストライカーがどこまで通用するかとても楽しみ。

 

 

11.林容平

Pos:CF

2G1A

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2014年に途中加入ながら7得点と最多得点を上げインパクトを残して惜しまれつつFC東京に復帰。昨年に完全移籍で加入し、開幕スタメンを勝ち取るが怪我に泣いた。復活を期する今季は第5節水戸戦でスタメンを獲得すると1ゴール1アシストと活躍。特に得点は微妙に浮き球でGKからも近かったが、脚を振らずに当ててニア上に決める。器用。そこからはCFとして出場も、第15節山口戦での先発を最後にベンチ外がほとんどに。前線からのバタバタプレスと伊佐スタグラムでやったコチュジャンマンが印象に残ったが、ハイレベルなFW争いに敗れる形となった。

馬場との熱い会話を交わしたり、第7節千葉戦では得点後になんか「ッシャオラー!」みたいなアクションと結構ギラギラしてた。この冬にJFAの自由交渉リストには掲載されてはいなかったが、トライアウトに参加していたことから多分退団になりそう。頑張れる選手でCFができる選手だから勿体ない気はするが、選手は出場してナンボでもあると思う。頑張って!

 

18.伊佐耕平

Pos:CF

4G9A

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大分の広報兼FW。今季は4得点と2ケタ得点カルテットが居た分数字面でのインパクトには欠けたが、後期からの戦術では大きな役割を担っていた。前期(第25節愛媛戦)までは途中出場が大半で、後藤、林、三平、そして伊佐の4人で回していた印象。しかし後期(第26節岐阜戦)から2トップの一角、そして3-4-2-1のトップとして機能した。伊佐が後期で重宝されたのは前線からのハードワークに加え、自陣に引いてからカウンターの際に馬力があること、攻め残りで攻撃の起点になり時間を作る役割が果たせたから。明確にポストプレーができるタイプが居なかったというチーム事情でフィジカル面が強い伊佐がその役割を果たした、という事だろう。どちらかと言えば適正はシャドウなのだろうが、その機動力を生かして左右に流れてボールを収める事ができるというのはチームにとってはビルドアップの逃げ所としての役割も果たしていたため、大きな意味があったと考える。試合の流れの中、交代で藤本をトップ、伊佐がシャドウをする場面も見られたがボールキープで時間を作り全体を押し上げたり逆サイドからのボールに飛び込んだりと迫力あるプレーは1トップでなくても存分に見ることができた。

一方で、決定力は課題。第37節町田戦ではしっかりとデザインされた攻撃でGKと1対1の場面を前半早々に2度も作ったが、得点ならず。ゴール前での落ち着きが必要だろう。

ピッチ外でも活躍した伊佐。伊佐スタグラムでは勝ち試合の後のバス内の選手やスタッフの様子、練習後の悪ガキたち(藤本、岩田、岡野)を連れて喫茶モンテに行ったりと選手の素の顔も伊佐から知ることができた。クラブ広報とは違う形で選手やチームのことを知るコンテンツとしてとても楽しかった。来年も楽しみにしてる。

ピッチ外の個人の出来事では肉食獣だった伊佐が、野菜も多く摂取。野菜たっぷりの豚汁を作るなど好き嫌いも克服した模様。

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伊佐スタのストーリーをよくTwitterでスクショしたものが流れているけど、それってどうなんだろ?と思ったり。24時間で消えるからこそ書いてくれる側面も大いにあると個人的に思うから、サポーターがそれを無闇に広めて伊佐本人が思ってない形で広まる事は怖いな、考えものだな、と要らん心配はある。が、伊佐の伝え方が上手く、賢いから気苦労で済む気もするからなんとも言えない。クラブ、選手とサポーターが共に楽しめるコンテンツとして大きな役割を果たしている「伊佐スタ」とサポーターの関わりはちょっと考えるべきなんかもなぁ~って思ったり。

 

27.三平和司

Pos:OH,CF

10G6A

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大分のムードメーカー。お調子者っぽいイメージがあるかも知れないが、根は真面目。DAZNのプレビューインタビューで「全部勝ーつ!!!」的な発言を元気に言って躓いたのは良い思い出。多分気にしてたんだろうなぁ~なんて思ってる。

今季は30試合に出場。第2節から約1ヶ月ほど離脱をしたが、そこからは主力として定着。意外にもフル出場はなく、55~75分程で退くのがほとんどであった。京都で大木監督(現岐阜監督)と出会い技術力が向上し、器用な選手になった三平は3-1-4-2と3-4-2-1のトップとシャドウを行き来して、臨機応変なシステム変更を可能とした。技術力の高さがうかがえるのは第26節岐阜戦だ。丸谷のミドルシュートをワントラップでDFとGKの間に置いてシュート。あの強さのボールはコントロールから難しいのでめちゃくちゃ上手かった。シーズン後半につれてコンディションが上がっており、天王山の第39節松本戦では切り替えの早さ、スペースを見つけてのシュートをしたり、第41節金沢戦では得点こそならなかったが左サイドをヌルヌル抜けてシュートと足下の上手さが光った。

今季末に契約を更新。前回の昇格時は京都に移籍をしたためはじめてのJ1挑戦となる。三平と共にJ1行けるのが嬉しい。来年、まずはデジっちからトリニータを魅せてほしいな……!

 

48.川西翔太

Pos:CH

2G2A

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取れそうで取れない独特のドリブルで異彩を放つボランチ。山形時代にFWからコンバートされて中盤の選手となったが、常にボールを自分の真下に置いて左右どちらにも動けるようにしており、対峙する選手にとっては非常に間合いの詰めにくい選手だったはずだ。

昨年は鈴木惇(現福岡)と共にダブルボランチの一角として主力だったが、今季は先発4試合、途中出場が19試合と出場機会が激減。夏場からはベンチ外になる機会も多くなったいた。それでもシーズン最終盤の第41節金沢戦では約2ヶ月ぶりに出場をして価千金の決勝ゴール。川西らしさがよく出たヌルヌルドリブルからの巻いたシュート。本当にエロかった。

ドリブルで運べること、決定的なチャンスになるスルーパスなど得点の匂いがする選手だっただけに、川西がベンチ外で負けると決まって川西待望論が出ていた印象。しかし、「まずは守備から」と考える片野坂監督からしてみると、運べる川西よりも球際で戦える前田、というチョイスだったと思う。チームの調子に関係なく懐の深いドリブルで相手を剥がせる川西は、チームの重心が低い時には持ち上げる起点になるが、チームの調子が良い時は球離れの悪さが目立ち、持ちすぎるという風にみえた。

ボールを触ってリズムを作るタイプ。それ故に彼が中心から外れると非常に難しい立ち位置になってしまうのだろう。チームとしては残ってほしいがあくまでもオプションのひとつ、となりそうな事を考えると来年は大分に居ない気もする。またドスケベなドリブルで抜いていく姿をみたいが……

 

レンタル組
吉平翼

→秋田(loan)

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(※写真は2017年のもの)

今季はJ3の秋田へ武者修行中のFW。プロ入り3年でJ2で8試合、J3で13試合2ゴールと伸び悩んだ中での移籍となったが、今季は17試合出場で得点なし。数字の面での結果は残せなかった。

しかし、前半戦は途中出場しか無かったが、シーズン途中に監督交代や、夏場での1ヶ月間の中断期間で3-4-2-1から4-1-2-3へと大幅な戦術変更を経験。ラスト4試合ではトップ下としてフル出場を果たした。選手としての幅を広げること、途中出場が多かったがシーズンの過半数に出場と成長できたのではないだろうか。

来期の更新はまだ発表されていない。ルヴァン杯などを見越しての復帰をしてほしいなぁ……

 

 

総評

ST(シャドウ)

ゲームによって馬場、後藤、三平、國分、清本、(小手川)と様々なタイプが居たポジション。小手川以外は主戦場をこのポジション。馬場、後藤、三平が2ケタ得点を記録した事により清本と國分はなかなかスタメン出場は叶わなかった。

非常に高いレベルで行われたポジション争い。夏場からは2トップとの併用により守り方をはじめとするポジショニングが変わる中で、トップと中盤の繋ぎ役としての役割が強くなる。その上で2ケタ得点を記録した馬場と三平の評価は高いものだった。

チームの中で一番充実しているこのポジションがどこまでJ1で通用するかにより明暗は大きく別れるだろう。来期もコンスタントに得点を重ねていく事を期待する。

 

CF

ゲームの狙いによって裏抜けの藤本、フィジカルの伊佐と使い分ける事ができたが、いかんせんこの2人に林の3人では心許ない。一応、三平や馬場、後藤もできるがポストプレーができるタイプが伊佐以外居ない所は大いに気になる所。Jリーグ全体としてもポストプレイヤーが居なくなっている印象なのでもう1人居れば違ってくるかもなぁ~とか高松が若返ってくれれば……なんて思うが、ポストプレイヤーを生かせないのもJリーグの課題な気もする。片野坂監督なら上手いことやりくりしてくれるだろうが……

来年、このポジションにどんな役割を求めていくかも注目していきたい。

 

写真はトリニータ公式HPより

 

 

今年中にもう1つ頑張って記事書きたい「気持ちは」あることを記してとりあえず選手のまとめを終わります。