Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】㊗️大分から世界へ〈コパ・アメリカ ブラジル2019〉

2008年のナビスコカップ優勝の翌年。大分から「チームで」世界へ!と大きな期待を胸に始まった翌09年シーズンは怪我人の多発やコンディション不良もあり、まさかまさかの14連敗。他にも芝問題や経営難により降格。シーズン後には経営状況の改善のために多くの主力選手を手放していかなければならなかった。

そんな失意のシーズンオフ。アジア杯予選のイエメン戦西川周作菊地直哉金崎夢生の3人が選出される。これがおそらく「所属:大分トリニータ」の最後の選手達だった……

 

そこから10年。トリニータは激動の10年を過ごす。メンバーはガラリと変わり、J2で中位に甘んじ、苦しみながらJ1へ再昇格をしたかと思ったらホーム戦未勝利で再び降格。それどころかJ3まで落ちた。片野坂体制で見事に建て直されたことにより、「3年でのV字回復!」とメディアに取り上げられているが、我々からしたらJ1の舞台で「戦えている」と感じられるのは実に10年ぶりなのだ。それだけでも感無量である。

 

ほとんど忘れかけていたトリニータ所属の代表選出。イマイチ実感がなく、「ワシが育てた!」くらいの意味合いになりつつあった「大分から世界へ」というワード。それが昨日、久々に蘇ってきたように感じる。

 

小島亨介選手・岩田智輝選手CONMEBOLコパアメリカブラジル2019(6/14~7/7)SAMURAIBLUE(日本代表)メンバー選出のお知らせ | 大分トリニータ公式サイト

 

 

「日本代表」に「所属:大分トリニータ」から2名も選出。チームで活躍し、Jリーグでも注目されている高木駿や藤本憲明の選出はなかったが、久々にトリニータから日本代表に選出。それもA代表に、だ。

じんわりと実感がわいてきた。大分から世界へ。年代別の代表で正GKを務めてきた小島亨介が「ここなら成長できる」と選んでくれたトリニータ。ユースからずっとトリニータで、「育成の大分」の看板になりつつある岩田智輝。彼らの選出を心から嬉しく思う。

そして、片野坂監督をはじめチームが上手くいっているからこその代表選出だとも感じる。快くコパ・アメリカに送り出してくれた大分トリニータや所属する選手たちにも感謝をしたい。

 

 

 

今の日本代表には、正直あまり良い印象がない。ロシアW杯の後にこれからの指針も明確にせず、昨年のアジア杯ではやりたいサッカーが見えずに即興性にばかり固執。相手を全く見ていないチームには本当にガッカリした。だが、「トリニータの選手が出場する機会があり得る」代表戦はやはり気になるもの。ちゃんと特長を出せているか?チョンボしてないか?チームに貢献できてるかな?……

今の日本代表には期待より不安が大きいが、そんな先が見えないチームでトリニータの選手達がどんなプレーをしてくれるのか?楽しみで仕方ない。頑張ってほしい。継続して呼ばれてほしい。

 

 

 

今回のコパ・アメリカの召集メンバーはA代表の選出がない選手が多い。他チームや代表を中心に見る方々にトリニータの2人がどんな選手なのかをざっくりと書いていく。

 

GK 小島亨介
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今季大分に加入した大卒新人。U-16から毎年年代別の代表に選ばれ続けてきたエリート。

トリニータではリーグでの出場は無いが、ルヴァン杯で2試合に出場。GKにビルドアップを求められるため、それに順応中といったところ。

ビルドアップではポジショニングやパスにまだ課題が残るが、守備に関してはすでにほぼ完成された選手に思える。予備動作のプレジャンプが小さく、どちらかの脚が地面についている状態をしっかり作っており、シュートに対する反応が早い。プレジャンプはシュートのタイミングが合わないと着地から動き直しをしないといけないため、反応が遅くなってしまう。

13年の横浜FM戦での中村俊輔(現磐田)のFK。この場面でGKはプレジャンプをしてしまったがためにタイミングを外されて決められてしまった。こういった細かい動作にも注目してほしい。

 

DF 岩田智輝
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昨年の夏前頃から不動の右CBとしてプレー。今季もリーグ戦全試合フル出場と元気。

トリニータでは右サイドの松本怜と共にチームの攻撃を支える攻撃的なDF。サイドのハーフスペースに飛び込みボックス内からマイナスのクロスやシュートを持つ。今季は既に2得点。頑張ってる。

攻撃面に目が行きがちだが、特筆すべきは対人能力の強さ。2種登録でありながら天皇杯3回戦横浜FM戦で右SBとして出場すると、マッチアップしたアデミウソン(現G大阪)を完封する。今年は自信初のJ1でのプレーになるが、能力の高い選手が相手でも対人での強さは変わらなかった。

基本的なポジションは3バックの右と右のWB、4バックの右サイドになるが、ユースではボランチを中心にGK以外全てのポジションを経験。トップチームでも展開によってシャドウを務めるなど、ポリバレントさを持っている選手だ。

 

今回のコパ・アメリカに選出された23人の内、初のA代表となった選手は13人も居る。

前述のイエメン戦では、選出された19人の内、14人が代表初召集。吉田麻也酒井高徳大迫勇也もこの時が初の召集だった。

コパ・アメリカに召集されたメンバーもA代表ではあるが、東京五輪世代が中心のチーム。ただ、学ぶだけの場にするのではなく、ここで結果を残して継続して代表に選ばれてもらいたい。

 

いやぁ、嬉しいなぁ~!亨介!智輝!頑張って!!

 

 

写真は大分トリニータ公式HPより

https://www.oita-trinita.co.jp/match_info/gallery/