Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】2019年シーズンレビュー Go!Forward!〈選手編④ ~FW編~〉

エルゴラも選手名鑑出したしもう開幕じゃんか!!!!早すぎ!

※書くのが遅いという意見は受け付けません!

 

19年振り返りラスト!FW編!です!

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9.後藤優介

16試合 717分(2G1A)

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俺たちのゴレアドール

トリニータの若きバンディエラ。ユースからずっとトリニータを知るごっちゃんは苦悩の連続であった。上手いけど気弱でどこかプレーも遠慮がち。でも持ってるモノは本物。なんか器用貧乏さがあったが、J3優勝時からメキメキと伸び、そこから3年連続で2桁得点。ついたあだ名は「覚醒王子」だ。

クラブと共にカテゴリーを上げながら結果を残し、J1へ。期待された2019シーズンであったが、前線のメンバーが大きく変わったこともあり、出場機会をあまり得ることは出来なかった。

ごっちゃんの長所はスペースを敏感に捉えられる事と、パンチ力と精度のあるシュート、そして献身性。一方でチームに求められたFW像は、CFではポストプレーをしつつ広大な裏のスペースに抜けられるスプリント力。シャドウではボランチとサイドを、サイドとトップを繋ぐゲームメイク力とハーフスペースに飛び出す認知能力であった。

どれもごっちゃんは器用にこなすことはできるが、CFではオナイウや藤本に分があり、シャドウでは小塚や三平がこなしており、ごっちゃんはオプションより上になる機会はあまりなかった。

まさに逆境。普通であればちょっとへこたれるし、一昔前のごっちゃんならば怖じ気づいていただろう。しかし、トリニータを知り、トリニータと共に育ってきたごっちゃん。サポーターは逆境上等!の精神で見てたし、本人も出た試合でインパクトを残した。

FWながら得点数は僅かに2。しかしその2つは共に勝ち越しゴールであり、ごっちゃんらしく、胸に熱い想いがこみ上げるものだった。

1つめは3節の磐田戦。シーズン初先発のごっちゃんは藤本のゴールをアシスト。数的優位に立ちながらも同点弾を喰らいもどかしい後半。福森からのアーリークロスに対して藤本がニアサイドに飛び込んでDFを引き連れるのを見て、ファーサイドに流れて難しいボールをしっかり当ててのゴール。スペースの把握と技術力が凝縮されたものだった。

2ゴール目はシーズンハイライト。29節の浦和戦。アディッショナルタイムで自陣から長いスプリントをしての劇的な決勝点。2005年のマグノの「大分はまだ死んでない」の名言が生まれたあの時以来の埼スタでの勝利。それも浦和のGKは同じトリニータユースの周作から、2008年のナビスコ杯決勝で高松が決めたゴールを彷彿とさせる形で奪ってみせた。このドラマチックな展開で「後藤優介が」決める所が実にトリニータらしかった。

多分この時に、期待が確証に変わったというか。押しも押されね大分の顔。後藤優介こそがこれからの大分トリニータの象徴であり、高松大樹から背番号13を引き継ぐんだろう。今年はJ1で2桁得点して名実共に大分のエースになると勝手にだだっ広い青写真を掲げてしまっていた。2020年は後藤優介の年だと。

 

しかし現実はそう上手くはいかない。シーズン末には知念が加入し、渡、野村、町田と前線がフレッシュになった。CFではより収まる選手が入り、シャドウは中盤色が強くなった。そんな中でごっちゃんは清水へ完全移籍と大きな決断を下す。

産まれ育った九州をはじめて飛び出して、結婚して1年ちょっとでの新天地。簡単な決断では決してない。とてもとても寂しいが、「象徴」としての枷から解かれた、かつては人見知りで気弱だったごっちゃんがどこまでいけるかはとても楽しみである。ごっちゃんの活躍する姿をトリニータのユニフォームで見れないのは悲しいが、新たな地で福森と共に清水エスパルスでも愛される選手に、そしてエースになってほしい。だっていつもいつまでも俺たちのゴレアドールなのだから。

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10.藤本憲明

21試合 1686分(8G2A)

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昇る男

開幕男が開幕から点決めて全国メディアになったときはそれはそれは「J1やなぁ~」と感じた。

プレースタイルは絶妙な裏抜けやワンタッチゴール、こぼれ球への反応やPKなどまさにゴールマシーン。ボックスストライカー。そんな藤本だが、注目したいのは身体の使い方の上手さ。一昨年だと熊本戦、昨年だと11節の湘南戦で見せた身体の入れ方が象徴的だった。ボールと相手の間に軸足を入れて踏ん張って腰捻ってシュートか切り返し。裏抜けでスピードに乗ってる中でいきなり静的な動作は体幹がないとできない。上手い。そして「当然でしょ?」とサラリとしちゃうのがカッコいい。

 

彼の抜け目のなさとトリニータの疑似カウンターはとてもマッチしていたし、それ以外でもゴールの匂いが常にする、相手からすると嫌な選手だった。当然主力であったし、少ないチャンス数の中で得点を重ねた藤本は前半戦のMVPであった。それだけに、夏での神戸移籍は、年齢と移籍金を考えればとてもありがたい話ではあったが、戦力的な話だと替えの効かない存在であったため大きな痛手になってしまった。藤本放出後はオナイウがCFになって穴埋めはされたが、「藤本がいなくなって点取れなくなったね」とはよく聞いたもの。それだけインパクトも強かった。

 

また、ピッチ外でも存在感を発揮。藤本憲明はコンテンツ。発信力が凄い。ラブトリニータポーズとかTwitterとか本当に。明るくて気を配れる優しさと不快にさせない配慮もさりげな~くやれる。心身共に若い。今年も賑やかなゴールハンターはJでもアジアでも輝く事だろう。

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18.伊佐耕平

5試合 90分(1G1A)

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ムキムキ

失意のシーズン。怪我に悩まされ、期待とは程遠い1年であった。出た試合では前線からのチェイスを怠らず守備のスイッチをこなすだけでなく、相手を背負ってのプレーだったりとある程度は伊佐らしさが見えた。そして短い出場時間ながらも26節湘南戦では1ゴール1アシストと結果を残してくれた。その時にラブトリニータポーズをやってくれたの、めっちゃアツかった。

 

伊佐の魅力は強引な反転。一昨年の横浜FC戦でのシャドウ起用はサプライズであったが、攻撃の起点として大きな役割を果たした。CFらしい身体を張ったプレーで時間を作り、サイドを上手く使うだけでなく、強引な反転で相手を引き摺って剥がす。これで対面すれDFがピン止めされて、それまでやや手詰まり感のあったサイドからの展開が増えた。

今期は知念、渡など実力派のCFが加入。伊佐もCF争いをするだろうが、シャドウなど別のポジションで伊佐の良さも見てみたい。とにもかくにも、健康第一。月並みだが、怪我なくシーズンを終えることがトリニータにとって最大の補強。やったれ!

 

23.高山薫

20試合 1164分

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ウクレレオネェ

実はFW登録だったウクレレオネェ(ポロロン…

しかし主なポジションは左WB。シーズン開幕前はJ1経験豊富な高山が来た事に盛り上がった。4節横浜FM戦では自陣からのロングボールをワンタッチで裏に飛び出して広瀬をぶっちぎった場面はまさに湘南仕込みのプレー。これから疑似カウンターでこんなプレーが増えるんだろうな~と期待したし、攻撃面でのクオリティを魅せてくれると思っていただけに、アイデアの乏しさと積極性のなさにはかなり驚いた。ボールを持ったらカットインして密集でオロオロしてバックパス。サイドで寄せがキツイのにわざわざ右に持ち替えてクロス。本職ではない逆サイドだとしても、昨年はバカスカシュートを撃っていた星が比較対象だったため、非常に物足りなかった。せめてクロスだけでも左で蹴って。

 

ヤキモキした前半戦。非常に不満が残ったが、やはり実力と魅力がなければ主力にはなり得ない。高山の魅力は守備意識の高さとロングスプリントを90分ほぼ続けてできる事だった。前半戦の大分の守備はまずは5枚ブロックを作り、シャドウとボランチの動かし方を工夫してやりくりしていた。そのためWBは「まずは下がってスペースを埋める」事が基礎。オープンな、カウンター合戦にならないように慎重に慎重にゲームを進めていても試合終盤にはテンポが上がりがちになる。そんなときでも守備に綻びを作らないためには長い距離をたくさん走ることができる高山が1stチョイスでなければならなかった。

攻撃面での貢献が少なかったためか、後半戦ではG大阪から田中達也が加入。左足でのクロスとキレのあるカットインからのシュートでガッツリスタメンを確保されてしまった。

やや余剰戦力的な扱いになってしまった後半戦だったが、片野坂監督は大胆なコンバートにより新たなオプションに仕立ててしまった。それはまさかまさかの「限定的な」左CB起用であった。

17節神戸戦でのビハインドで迎えた後半。確か80分前後からだと思うが、左CBの三竿が大外に、左WBの高山がインナーレーン低めにポジションチェンジ。三竿のクロス精度の高さを生かすための苦肉の策だったと思うが、交代枠を使わずに攻撃力を高め、それでいて被カウンターの場面で相手を遅らせるためには高山のCB起用はうってつけであった。その後はチラッとやったりしていた記憶はあるがおぼろ気。しかし相当インパクトのあるコンバートであった。

疑似カウンター対策がなされ、攻撃に手詰まり感のあった昨季終盤の教訓を基に、今期はよりボールを保持して攻める姿勢が全面に出るシーズンだと考えている。そのためボールを持って「崩す」ための手立ては補強によりできた。一方でそれを支える守備では補強もあったが、現状維持が主軸である。高山も守備の人として生きる道は十二分にある。

31歳の年。まだまだ成長。新たな一面を期待したい。

 

27.三平和司

17試合 765分(4G1A)

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秋の季語:さんぺー

夏過ぎて盆明けくらいからは三平和司のパーティータイム。ひょうきんなパフォーマンスだけでなく、プレーでも輝いた。

昨季開幕前のキャンプでは、吉坂圭介GKコーチと共にインフルエンザにかかってしまい大きく出遅れた。デジっちでも思ったより出番はなく消化不良なスタートに。(それでもデジっちをキッカケにくまだまさしさんと縁ができたりとやっぱり持ってるお祭り男)

ルヴァン杯ではCFをやったりするもゲームから消えがちになったり、シャドウでもあまりインパクトを残せず。リーグ戦でもほとんどインパクトを残せなかったため、とてもとても心配した。

それでも21節鳥栖戦からはちょっとずつ途中出場を果たすと、26節湘南戦でやっとスタメン復帰。この試合で古巣相手にDFの股を抜いた技ありのコントロールショットでシーズン初得点を決めると、そこから3試合連続ゴール。31節G大阪戦ではシーズン4点目を決めただけでなく、交代を告げられると「俺?」と変顔。バッチリDAZNに抜かれてたし、これで片野坂監督との不仲説が流れないあたりからもチームの雰囲気の良さが伝わってきた。

夏過ぎて盆明けてからのさんぺー。秋の季語として抜群の存在感だった。

今期はキャンプで病気にかからず、デジっちでもちゃんと暴れていてシーズン開始時からやってくれそう。今年を振り返ったら「さんぺーの年だった!」と是非言わせてほしい。

 

 

30.吉平翼

※19年 7月 育成型期限付き移籍(→藤枝)

0試合0分

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元気印

ユース時代は「東京五輪のかくし球」なんて言われていたらしいが、大分でその才能が花開く事はなかった。

坂井と共にトリニータでリーグ戦、カップ戦共にベンチ入りはなし。夏に藤枝に移籍も僅か1試合しか出場できなかった。が、その1試合で2得点。"持ってる"のは確かだろう。

2種登録された2015年に4試合に出場。翌16年には岩田、江頭と共にトップ昇格を果たしてJ3での開幕スタメンに選ばれるほど期待をされていた。契約満了が発表された時に「もし開幕でビッグチャンスを決めきっていたらその後は大きく変わってただろうに……」というのを目にした。自分もそう感じる。

カテゴリーが上がる中でトリニータの戦力になりきれなかったのはとても切なかった。そんな中でも常に明るく振る舞えるのはチームスポーツで大切なこと。プロフェッショナルだ。

特徴は前線からの守備と豊富な運動量。岡崎慎司みたいな泥臭いプレーができる選手だ。

 

FWらしく得点を量産できれば良いのだが、プロ6年目。生き残るためには手段は選べないはず。新たな覚悟を得点という結果に結びつけられるか、はたまたハードワークさを生かして新たなポジションで輝くかはわからない。だが、吉平翼はしんけんにがむしゃらに頑張るのは確かだろう。そんな翼が大好き。報われてほしい。藤枝でやったれ!翼!

 

 

45.オナイウ阿道

31試合 2293分(10G2A)

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異能:反転使い

チームトップスコアラー。久々のJ1で2桁得点の計算できるストライカーはJ1残留をする上で滅茶苦茶キーだったと思う。

阿道の特徴はシュートレンジの広さと打点の高いヘディング。これは19節札幌戦で存分に魅せてくれた。多分真似できる選手はうちには居ない。それ以上に魅力的だったのは相手を背負ってのプレーだった。

 

シーズン序盤はパスの受け方、ポジショニング、アングルなどガチャガチャしててこりゃCFだなんとか誤魔化すしかないかな……と思っていたが、ルヴァン杯で着実に経験を積んで徐々にフィット。7節仙台戦でシーズン初ゴールを決めてからは主力として活躍。ここら辺から阿道のパンチ力のあるシュートや守備をサボらない献身性が良い方に作用していった。夏場から疑似カウンターからボール保持にゆっくりとシフトチェンジをしていくと、阿道最大の魅力、「反転」がチームとしても大きな武器になっていった。

前線でボールを受ける、ということは相手のDFのチェックが厳しくなるということ。ここでボールを奪われてしまってはチャンスは潰えてしまう。が、DFを剥がせば守備に綻びが生まれる。阿道はセンターサークル近くでボールを受けると身体を上手く使いキープができるだけでなく、なんかヌルッと反転してひっくり返してしまう。足首が柔らかいからか、深い切り返しを反転しながらやっちゃうから、いつの間にか相手の背後にボールを置けてしまう。

疑似カウンターに対策が講じられ、ビルドアップに無闇に食いついてこなかったり、プレスを掛けずに自陣にどっしり構えられたりしたが、オナイウ阿道という「個」で無理矢理前線でタメを作ってしまった。J1復帰初年度で相手の個の質に苦杯を嘗めたシーズンであったが、阿道はほぼ唯一といって良いほど質で劣らなかったプレーはトリニータの中でも異質であった。

今期は王者横浜F・マリノスに移籍。ポゼッションが高く、攻撃に迫力のあるチームの中央で「違い」を見せる事だろう。恩返しはやめてね。

 

35.小浜耀人

0試合0分

天皇杯のみ2種登録

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知る人ぞ知る2種登録の小浜くん。天皇杯のみでの登録かつトリニータ公式サイトも恐らくお知らせはなかった。そりゃ最終戦での選手全員のコールでもごもごしちゃう。ユースからの2種登録でJリーグでの登録なしはレアケース。多分一昨年は東京Vの森田晃樹くらいしかなかったはず。

なんでこんな事が?を考えるとルヴァン杯にベンチ入りの見込みはなかったが、天皇杯で勝ち上がってるうちに移籍で登録枠が空いてるかつ、対戦相手との実力差がある、みたいな。天皇杯の選手変更は8/13で、翌日の3回戦の相手は鹿屋体育大。この試合でベンチ入りを果たしていたし多分そんな感じだろう。

プレーについてはまたまたプリンスリーグ日章学園戦から。だいぶ記憶が薄くなっているため3トップのどこかまではハッキリ覚えていないが多分CFだった……かなぁ……

とにかく前線からのプレスをしんけん頑張っていたのと、サイドからのボールに果敢に飛び込んだり、打点の高いヘディングだったりをみせてくれたのは覚えている。あとはこぼれ球への執着だろうか。伊佐とか吉平翼っぽさをそこはかとなく感じた。

進学先は九州産業大田中達也の後輩になる。頑張って1年からトップチームでの活躍をみたい。そしてまたトリニータのユニフォームを着てプレーする姿が観れたらとてもステキ。楽しみにしてます。

 

写真は大分トリニータ公式HP藤枝MYFC公式より