Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【G大阪】vsC大阪(H) 流れを変えた司令塔〈J1 第9節〉

対照的なチーム状況だったが、ダービーに調子など関係ない。両チーム共に球際激しく、ヒリヒリした展開になった一戦を分けたのは、ゲームの流れを読み取る司令塔がいたホームのガンバだった。

 

この日のメンバーは以下のように。

ガンバ大阪
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"レヴィーガンバ"はリーグ戦1勝1分6敗とまさかの最下位。前節は長崎を相手に0-3で敗戦と、調子がなかなか上がらない。

この日は藤春廣輝が久々の先発。ボランチにJ1初出場の髙江麗央が先発となった。

 


セレッソ大阪
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ミッドウィークに開催されたACLチャンピオンズリーグ広州恒大を相手に1-3と敗戦し、グループステージで敗退が決まったセレッソだが、リーグ戦ではここまで4連勝。

この日は怪我人以外で組めるベストなメンバーで吹田スタジアムに乗り込んだ。

 

ペースを握られ、アクシデントも

前半、まずペースを握ったのはアウェイのセレッソだった。高い位置を取るガンバのSBの裏を取り、得意のサイドアタック。特にガンバの左サイドの藤春と倉田秋の所で詰まっているのを見逃さず、縦に速い攻めを見せた。ガンバのダブルボランチの髙江とマテウスは運動量があるためよく動いてはいたが、試合序盤では攻め急いでいたのかミスが多く、高い位置でロストをしてピンチを招く場面が見受けられた。

流れを掴めないガンバに更なるアクシデントが重なる。前半10分に、キムジンヒョンの蹴ったロングフィードが流れるとそれを処理しようとした三浦弦太東口順昭が交錯。プレーはそのまま続くが、三浦はその場で倒れたまま。東口もゴールマウスに戻るも、審判の笛と共に倒れ込み試合は一時中断をする。

三浦は立ち上がりプレーが続行出来たが、東口は顔面の右側が大きく腫れ、前半16分で無念の交代に。東口に変わって投入されたのは林瑞輝。髙江とともにダービーでJ1初出場となった。

プレー再開後もセレッソは守備の際に3ラインでブロックをしっかりと作り、ボールを奪うとサイドからクロスでチャンスを作る場面が目立つ。ガンバはサイドでマンマーク気味で対応をするもスペースを見るのが疎かになってしまい、そこを上手く使われ、人は居るが守備には疑問符がつく場面が目立った。また、セレッソアタッキングサードに侵入すればタイトに寄せに行くが、ミドルサードではフリーでボールを持たれる場面が多く、丸橋祐介松田陸が低い位置からクロスを入れたり、楔を入れたりと起点を作られていた。

それを見てか、一時的に遠藤保仁が1列下がり、マテウスとポジションを変える。マテウスが1列前に居ることで、ボール奪取をした際にマテウスが落ち着かせて、守備位置を下げさせない意図があったか。

この小さな変更によりガンバは落ち着きを取り戻し、攻勢へ転じる。サイドの倉田秋藤本淳吾の外を藤春廣輝、オジェソクが崩していく。すると38分、倉田からのパスをファンウィジョがペナルティエリアの角で受け、中へ仕掛けると、マテイヨニッチが思わずファール。盛り返すガンバがPKのチャンスを得る。ファンウィジョはこのPKをしっかりと決めて、ガンバが先制をする。

得点が動いてから、両チーム共にSBが高い位置を取ってチャンスを作るもスコアは変わらず。1-0で折り返す。

 

自滅に追い込む強かさ

後半に入っても、ガンバが主導権を握る。

サイドからの分厚い攻めと幅を使った攻めで的を絞らせない。押し込まれても、ロングボールをファンウィジョが収めて押し上がる時間を作って、ベタ引きにならないようにしていた。

63分には藤本→米倉恒貴。SBもできる米倉を入れて上下動の強度を増す狙いがあったと思われる。ここからゲームはオープン気味になり、目まぐるしく攻守が変わっていく。両チームともボールを奪ってサイドに展開し、突っ掛けてロスト→サイドへ、となっていく。そんな中、セレッソは徐々にFWと中盤が間延びをしていくのに対して、ガンバはSB、SHの攻め上がりを中盤の選手やFWのファンウィジョがサポートしていく。

徐々に押し込まれたセレッソは77分に水沼→清武、丸橋→片山と修正。間延びを防ぐために清武を入れて、片山のロングスローで手数を増やし押し返す意図が見受けられたが、サイドの深い位置でプレーはできず、攻め急いでしまいほぼ良い形ができなかった。スコアは1-0のまま動かず、好調のセレッソを相手にガンバがシーズン2勝目を飾った。

 

"司令塔"の差

劣勢だった状況をひっくり返したのは、ガンバに絶対的な司令塔が居たからに他ならない。その役目を淡々と、確実にやってのけた遠藤保仁の凄さを改めて感じた一戦だった。

押されていた前半途中で、マテウスとポジションチェンジによりボールの収めどころを前に置き、相手ボランチを牽制。自らは低い位置でボールに関わり、SBとSHがよい距離感でプレーできるようにしていた。また、ダービーで初出場を果たした髙江のカバーもこなしつつ相手のアーリークロスには、タイトに寄せてDFに対して「ここでやらせるなよ」と自身のプレーでチームを引っ張っていた。

彼のようにゲームを読む力に長けた選手はセレッソには居なかったし、Jリーグを見渡しても数えるほどしか居ないだろう。そんな選手が居たからこそ、この日のガンバは防戦一方にならず、結果として勝ち点3を掴めたと感じた。

 

上昇をしていくために

試合序盤は劣勢だったガンバだったが、盛り返しての勝利。ガンバサポーターとしては痛快なゲームだったことだろう。

この日の勝利により、ガンバは1つ順位を上げて17位となった。しかし、未だに降格圏内であるし、最下位の名古屋との勝ち点差はない。ここから順位を上げるためにはゲームの入りが課題になるだろう。

ガンバの持ち味はサイドからの崩しだと考えるが、この日の様に試合の入り10分でいい形ができないまま、SBが無謀なオーバーラップをし、その裏を取られてバランスが崩れてしまいバタついているのでは?と感じた。

ダービーでしっかりと修正ができたのは確か。この経験を生かすためには、まず連勝をして勢いをつける事ができるかが大切になるだろう。

 

2018年4月21日 J1リーグ【第9節】ガンバ大阪 vs セレッソ大阪 DAZNハイライト - YouTube