Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【大分】2019年シーズンレビュー Go!Forward!〈選手編③ ~MF編~〉

MF登録の選手、多いのね……

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なんとか1月中に選手振り返りブログを消化したい!という強い気持ちでしたが!開幕前!終わんのか???

 

4.島川俊郎

22試合 1425分(1A)

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ムッツリ笑顔

影のMVP。序盤戦では9節の仙台戦で初出場。そこからは前田凌佑や長谷川雄志とボランチを組み先発に。岩田智輝の負傷離脱の際には右CBに入り、ポリバレントな選手であることも知らしめた。

夏場からは小林裕紀の加入。小林ゆとはじめて組んだ25節松本戦では、ずっと昔から組んでたかのようなチャレンジ&カバーを見せて、フィジカルに強みがある松本にトランジッションの強度と球際での勝負で危なげなく完封。終盤戦では長谷川にスタメンを奪われてしまったが、昨年の影のMVPである。

昨年のボランチに求められたのは、球際の強さと、ビルドアップの出口となる事+αだったように思われる。

序盤戦の島川は球際の強さ、読みの鋭さはあったが、なかなかビルドアップの出口になれずに、相手FWに隠れたままであったりボールを受けてもターンできなかったり……不安感が拭いきれなかった。しかし、さすがはプロ。しっかり修正をして動いて顔を出してパス受けて散らして。安田さんにロングボール蹴りすぎと言われたり……

島川が魅せた+αは気の利いたポジショニングとポリバレントさ。組んだボランチが動きやすいように、気持ち良くプレーできるように上手い位置取りでチームを支えた。また、緊急時には1列下がってCBとして振る舞ったり、島川の1列下ろし+三竿のWB化、中盤に小塚で3142に変更してパワープレーをしたり(28節磐田戦)と戦術面でも幅を広げる大きな要因になった。

昨年のハイライトといえば11節湘南戦。この年唯一のアシストを記録した場面だ。島川のロングボールに藤本が抜け出して交わしてゴール。得点に繋がった綺麗なアシストだったが、ハイライトを見てみると実況の方から指摘があったように本当はサイドのオナイウ阿道を狙ってたんだろう。島川の「んも~」ってジェスチャーだったり、引きの画でベンチメンバーがシュート前にガッツポーズしてたり、決まった瞬間にDFラインが両手を上げてたりでいいチームなんやな、って思える芸術点の高いゴールハイライト。なんか憎めない島川、すき。笑った時になんかムッツリスケベ感があるのも大変良いと思います。

 

6.小林裕紀

※19年夏 完全移籍で加入(名古屋→)

11試合 944分

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認知の鬼

夏に加入したスーぺル助っ人。なんか気難しそうで拘りがあって仕事を淡々とこなしていく感じがすごくかっこよかった。

半年間見たが、ハイライトとなる特徴を掴んだ「これ!」というプレーは特にない。が、常に85点以上を叩き出すハイクオリティーさ。中盤でビルドアップの出口としてパスコースを確保したり、豊富な運動量で中盤の底からマーカーに鬼プレスをしたり、密集でボールを貰い引き付けて散らしたり、組んだボランチの相方(特に長谷川)に身振り手振りでコーチングをしたり。たった半年で片野坂サッカーを理解し、チームの軸になった。

そんな彼の最大の魅力は切り替えの早さと正確さ。ボールの位置、敵味方の位置を常に掴んでおり、2手3手先まで読んでるかのようなプレー。自分がボールを受けたときに、どの相手が寄せてくるかを見定めて、そこからどのエリアにスペースができるかがかなり正確に判断できているからこばゆ起点にチャンスになる場面は多かった。逆に守備ではボールホルダーに味方の誰が寄せてどこにスペースができるかを把握してカバーリングをしたりコーチングで味方を動かしたり。スペース認知の鬼であった。

 

加入時には名古屋サポーターから「こばゆをよろしく」とたくさんのメッセージが。ぶっきらぼうでも伝わるものは伝わる。大分でも既に愛される選手になった。男は背中で、プレーで語る。今年も淡々と中盤を引き締める小林裕紀から目が離せない。

 

 

7.松本怜

34試合3026分※全試合出場(2A)

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イケメン

顔が良くてサッカー上手くて男気あってアシストまでできる。しかし神はそのかわりに決定力を与えなかった……

忘れた頃に点取る元FWのレイチェルだったが、昨年は得点ゼロ。一昨年に点を取り過ぎたせいかもしれない。一番得点に近かったのは29節浦和戦。小塚のスルーパスに完璧に抜け出してのシュートだったが、枠に嫌われてしまった。

昨年は実況や解説の方に「クロスに定評のある」って紹介をされてなんだかむず痒い。昨年は岩田智輝とサイド攻略→ニアに低いクロスが効いたが、徐々に対策もなされた。今年はクロスのバリエーションにも期待したい。

 

 

8.丸谷拓也

6試合 118分

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孫の手

痒いところに手が届くというか。気の利いたポジショニングでさりげなーくチームを助ける。一昨年はバリバリの主力で、昨年の開幕でも多くの方がスタメン予想をしていたが、まさかまさかのベンチスタート。その後もルヴァン杯での主力とはなったが、リーグ戦ではなかなか絡めず。スタメン出場がないままシーズンが終わってしまった。この悔しさをバネに今期はさらなる奮起を期待したが、30歳の若さで現役を引退することに。J1昇格の立役者がピッチを去るのはとても寂しくはあったが、大分トリニータをキャリアの最後の地に選んでくれて嬉しい。セカンドキャリアは広島のスタッフに。またスタジアムで、ピッチの外ではあるがサッカーに関わってくれる。指導者として元トリニータダービーとかできたら嬉しいな。お疲れ様でした。

 

11.馬場賢治

※19年夏 期限付き移籍(→岐阜)

2試合 16分

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暑苦しいオトコ

一昨年は2桁得点にプロ初のハットトリックなど「日々成長」している姿を見せてくれたベテラン卑弥呼さま。しかし昨年は2試合の途中出場。それもクローザーとしてだったため極端に出場機会に恵まれなかった。シーズンが進むにつれてシャドウの選手が日によって変わる中でチャンスを掴めないまま夏に岐阜に期限付き移籍。勝負の世界は厳しい。

岐阜では左SHとしてスタメンを勝ち取るも、ゴールはなし。「もしあの時……決めていれば……」な場面が少なからずあった。

シーズン終了後には岐阜、大分ともに契約満了でフリーに。未だに所属先は未定。

馬場賢治の魅力は貪欲さ。いくつになってもハングリーで、どんな場面でも「勝つために」必要な最善なプレーを選ぶために、もがく事のできる選手だ。それは時に不恰好で泥臭くもあるが、ベテランとなる年齢でこれだけがむしゃらで暑苦しいプレーができるのは才能だし、チームにとって必要不可欠な存在。本当に頼りになる。

本人は現役を続ける意思をブログなどでみたのでピッチで輝く馬場賢治をもっとみたい。早く次の所属先が見つかってほしい。

 

14.小塚和季

33試合 2581分(1G5A)

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大分のエロ

J2オールスターズの中でも最もトラウマだった小塚。加入の噂が出た時はまたまた~って思ってたけど来ちゃいました。

トラウマの記憶どおりのスルーパスはJ1でもちゃんと通用。それよりも驚いたのは献身性だ。ビルドアップの時にはパスを受けるためにやや下がり気味な位置取りをして、攻撃時にはスペースを見つけていつの間にかフリーで受ける。ここまではありがちな司令塔タイプだが、攻守の入れ替わりでも高い強度でボールにガツガツ行って相手のカウンターを未然に防いだりもしてくれた。

創造性溢れるパスと献身性で主力になったが、そこからボディフェイントというもう1つ色を付け加えた。緩いボールを迎えにいって相手を引っ張り出してターンして剥がす!みたいなのが上手くなり、大分のシャドウのポジションをより確固たるものにした。

夏場にはボールを持ってから考える場面が増えて時間を貯めるよりボールをコネてる印象が強くなって数試合ほど途中交代やベンチスタートもあったが、秋口にかけて吹っ切れた様子。31節G大阪戦では小憎いヒールでのクイックリスタートから同点弾を演出。エロかった。

シーズンオフのインタビュー記事やオファーの噂で退団やむなしと覚悟はしていたが、残留を決断してくれた。焦らしもエロい。今年はより数字にこだわってプレーしてほしい。

 

20.小手川宏基

6試合 122分

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大分のスケベ

地元産ムッツリスケベ。今期は19節札幌戦と20節川崎F戦で小塚と変態な?シャドウを組んで個人的にとてもたまらんかった。小塚が上がればコテがカバー。逆もしっかりするだけでなく、サイドのケアやボランチの補助まで手広くやった。詰まるところポジションの循環がとてもスムーズだったことと試合の機微を読むのがとても上手かった。しかしここはJ1。ポジションの循環と試合の機微を敏感に読んでも川崎には勝てず。これがターニングポイントになったかもしれない。試合の流れを先読みすることよりもトランジッションを重視する傾向へ。小手川は一昨年のトラウマ、甲府戦でトランジッション勝負でボールロストが増えて「らしくない」プレーをしてしまっていた。そんなこともあり、受難のシーズンではあった。それでも契約は更新。今期の目指すであろうサッカーに必要であるからこそ、だろう。もっとスケベなプレーやゴールとかみたい。

 

25.小林成豪

7試合 280分(2G)

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スーペルゴラッソ小林成豪~!

一昨年は2桁得点でブレイク。ピッチ外ではシャイで、加入時には福森から「シャイなヤツですが……」と語られるくらいだが、ピッチでは勝ち気。積極的に1対1を仕掛けるし、ちゃんとぶち抜く。期待された昨年のはじめは意外にもWBでの出場であった。昨年中盤戦以降で、サイドの打開力、推進力は課題にもなっていた。それを見越してのWB起用だったのだろう。しかしあまりハマらないまま3月末から行方不明に。

そして忘れられかけた6月の古巣神戸戦。久々にベンチ入りを果たすと、途中出場。ビハインドのなかで最初のプレーから魅せてくれた。ダンクレーのスライディングをひらりとかわしてサイドをエグってクロス。得点にはならなかったが、空気をガラリと変えてみせた。その試合のロスタイムに劇的な同点弾(スーペル)を決めると、翌17節浦和戦では途中出場から豪快なミドルシュート(スーペル)で追加点。スーパーサブとしての地位を確立したが、そこからまた行方不明に。

そこからまた3ヶ月空いた9月末。27節磐田戦でスタメン出場。フル出場を果たしたが、自慢の積極的なドリブルは鳴りを潜め、中盤でフラフラ漂うだけに。オフザボールの時のポジショニングやアングルが悪く、ボールを受ける準備ができていなかった。今期はポジショニングを意識して内側でシャドウとしてプレーするのか、1対1の突破力を生かしてWBをするために滅茶苦茶走るか。どちらかと言えば前者な気がするが、ボールを持った時の期待値はチーム1。ぶち抜いてほしい。

 

28.坂井大将

※19年6月 育成型期限付き移籍(→群馬)

0試合 0分

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#坂井大将を諦めない

昨年は全試合でベンチ入りすらできず。夏に無念のレンタルになった。シーズン開幕前から適正がどこなのかがハッキリせず、ボランチにしては力量不足と見られたためか、練習試合では右CBやWBでも出ていたらしい。群馬ではボランチよりも4-2-3-1のSHとして数試合に出場もインパクトは残せないままとなった。しかし、今年も契約を延長。期限付きで今年は鳥取でプレーをすることに。ポリバレントさが器用貧乏に映るのは歯がゆい限りだが、それは本人が一番感じているはず。大分と同じ3-4-2-1の鳥取のどこでプレーするのか、どこで個性を光らせるのか。今年は恐らく最後の1年。頑張って這い上がってほしい。#坂井大将を諦めない

 

32.前田凌佑

20試合 1613分

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ダル絡みキング

昨年、福森並みに明暗が別れた選手。前半戦では鋭い読みと素早い寄せを武器にアグレッシブを全面に出して多くのインターセプトを記録。ボールを奪っては相手を小馬鹿にしたかのようなキープをしたり、プレスを「外す」動きで主力に。磐田戦での川又とのマッチアップは前田の強心臓さがよく出た憎いプレーだった。

しかし、夏に入る前辺りから状況が変わってくる。それまでボランチはまず前田を主軸にその相方探し、だった印象だが、島川やティティパンのフィット、長谷川の台頭もあり序列が変わってきた。

ボランチの選択肢が増えてくると、前田の良さよりも足りなさに目が行くように。前田の良さは前述の通り細かいポジショニングでビルドアップの出口になれることとトランジッション勝負に強いこと。そして特筆すべきはインターセプト。一方で展開力やシュート意識が低く、ミドルシュートを打っている姿はほとんど印象にない。

チームは夏場から疑似カウンターから徐々に徐々にポゼッションに傾いていったため、ボールを刈り取る位置がより前方になっていった。トランジッション勝負に強くとも、奪った後の選択肢が乏しいと判断された部分が大きいのでは?という印象。また、チームもトランジッションを重視するのは変わらないが、引いて構える事から前から積極的に奪いに行く。つまりボランチからしたら単純に走る距離が長くなり、前田は中・長距離でのスプリントでの強度を見せることができなかったのではないかと推察される。今期は追う立場でのスタート。より積極的に前線に絡んでいく姿が見られれば、もっと活躍ができる。頑張れ凌佑。

 

37.嶋田慎太郎

※19年夏 期限付き移籍で加入(大宮→)

8試合 282分

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ヌルヌルドリブル

夏に期限付きで加入したしまたろう。熊本在籍時にはタナタツと共にトラウマでした。

加入した時は「え!そこ取んの!?」くらい意外な、充実したシャドウをもっとムキムキにする移籍だった。

加入してすぐの22節神戸戦からコンスタントに試合に絡んだ。加入3試合目の24節広島戦、翌25節松本戦では先発出場を果たす。ボールを受ける動きはイマイチ把握できなかったが、違和感はなく。一度ボールを持ったらヌルヌルっと密集を縫っていった。守備ブロックの打開に手詰まり感を感じつつあった夏場での加入はまさにドンピシャであった。

そしてもう1つ。裏テーマとしてあったであろう事は「小林成豪をなんとかしよう」説。

小林成豪はポジショニングに難があり、中央での密集で個性を出せないでいた。そこで同じドリブラータイプの嶋田を引っ張ってきて、ボールを受けるアングルの大切さを感じてほしかったのかな、と。

同じドリブラーでも嶋田は2列目、カットインタイプで、成豪はスピード、ウインガータイプと役割がやや異なるため編成でダブつかないというのも魅力だった。嶋田は結局半年で大宮に戻っていったが、彼が居たことって割りと大きな出来事だったと思う。ヌルヌルのカットインから左足で巻いたシュートとかヨダレものなので大宮でもっともっと輝いてほしい。

 

38.高畑奎汰

※19年8月 育成型期限付き移籍(→鳥取)

6試合 296分

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ずぶとかわいい人

卒業したばかりのユースっ子はインパクトを残した。2節松本戦終盤でリーグデビュー。たった5分間の出場であったが、左サイドを活性化してスピードに乗ったドリブルからニアサイドへのピンポイントクロスで停滞感のあった前線に活気を与えた。その後はルヴァン杯で両WBや左CBなどで出場。ポリバレントさもみせた。

10節鳥栖戦では初のスタメン出場。3バックの左右が智輝と奎汰という結構ファイヤーでエモい形に。その試合で高山薫を大外から抜いてクロス。相手のクリアミスからオナイウ阿道が決めてダービーでの先制点をアシスト。まさにノリノリなルーキーだった。

しかしその2試合後の清水戦で軽率なミスからPKを献上したりパスミスが散見されたり。昨年で一番早い38分というタイミングでの交代。ベンチに戻ってからは馬場が寄り添って話していた。翌13節川崎F戦では左WBで先発も前半で交代。これは調子ではなく守備意識の問題。浮き沈みの激しい前半戦だった。

9月には三竿が左CBで、夏に加入した田中達也が左WBでスタメンをガッチリ掴むタイミングで鳥取期限付き移籍。ここでは初ゴールも決めるなど、インパクトを残した。

奎汰の良さは攻め上がりのタイミングの良さとトップスピードでも精度が落ちないキック。トップスピードでのクロスは流れがちというのは松本怜田中達也を見ても解るとおり主力選手でも難しい。大きな武器だ。一方で課題ももちろんある。対人の守備とバランス感覚だ。フィジカルコンタクトでは見掛けによらず案外負けないが、対人ではボールに行くのか人に行くのか迷う場面もあった。まぁプロ1年目だし対人激強の智輝センパイもいるしなんとかなるはず。バランス感覚についてはボランチとCBがスライドしてお守りをしてくれるため攻撃面での特徴は存分に出せたが、そこからの守備はもっと意識しないといけないような。トランジッション勝負になると基準がボールの位置になりがちで、本来埋めるべきポジションに居ないという場面をなくしていけばもっと上にいける。

今年も三竿や田中達也だけでなく、香川勇気なども加入。ライバルは増えたがユースっ子だし贔屓目にみちゃう。頑張って!

 

40.長谷川雄志

19試合 1359分

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ピッチに虹をかける人

一昨年6月くらいに特別指定に登録されるも、Jリーグでの登録はなく、Twitterの更新もなくめっちゃ謎だった大卒ルーキーは、ルヴァン杯でいきなり魅せてくれた。

ミシャ式ボランチで最終ラインに落ちてフリーな状態からピルロさながらの高精度ロングパスをバンバン配給。ショートパスもダブらず丁寧。その上ほぼ両利き。最強じゃん!

パスは申し分なく、ハードワークもできる。ルヴァン杯ではボールの受け方も(元々上手かったが)より上手くなり、11節湘南戦で満を持しての初スタメン。そこからは疑似カウンターの「砲台」として主力に。夏場からは対策がなされてメンバー外にもなったが、終盤戦では巻き返した。

嬉しかったのは20節川崎F戦の同点弾に繋がる起点になったプレー。ボールを受けるとスッと反転。相手のプレスを往なしてハイラインの裏にボールを落とすタッチダウンパス。それまではパスを受けてから判断、というのも多かったためパスの受け方だけでなく、前田のような外し方もしてほしいと感じていただけに素直に凄い!と思えるプレーだった。

後半戦からは小林裕紀も加入し、より細かいポジショニングやコーチングを間近でレッスンを受けている。今年も期待される選手だ。

 

43.西城響也 ※2種登録

0試合 0分

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サイドのソース顔

同じユースの工藤大雅と共に天皇杯鹿屋体育大学戦で出場。出場時間が短く、台風も近づいておりピッチコンディションも良くない中でインパクトは残せなかった(そりゃそうだ)。

西城をしっかり見れたのはプリンスリーグ日章学園戦。左WBとして出場していた。スプリントに長け、逆サイドでの組み立てから大きく展開されたボールをファーサイドで詰める!みたいなプレーが上手かった。一方で試合中にプレーの質が不安定で集中できてないのかな?とか思っていたら負傷交代。筋肉系だったような。結局90分フルで見られないままであった。

トップ昇格はなく、恐らくは大学進学。ちらほらと新入生の一覧が出ているので探してみる。4バックのチームならどこで起用されるかとか含めて継続して追っていきたい。

 

44.ティティパン

20試合 1022分

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アドレナリンタックル

まさかまさかの開幕スタメン。みんな予想できなかった。映像資料ではモリモリ警告を受けるファイターな印象だったため思ったよりクリーンじゃん……となった。

開幕からそのハードワークさとトランジッションの強度の高さ故に重宝された。3節磐田戦辺りからはミドルシュートも打ちはじめて積極的な選手だなぁ、と。ルヴァン杯では積極的な前プレをしてGKのミスを誘い来日初ゴールも決めて見せた。

夏場に入りボランチのスタメン争いが苛烈になりはじめた時期から1列前のシャドウでプレーをするようになった。シャドウではハイプレスのスイッチ役として1stDFをやったり、ハーフスペースに入って智輝対策の対策となったりして片さん仕込んだなぁ~とワクワクした。が、23節鹿島戦ではその積極性が裏目に出てしまう。序盤から積極的にアフタータックルをかまして警告をうけると、鹿島はティティパンの前でボールをちらつかせて2枚目を誘発させようとしていた。鹿島の強かさといえばそれまでだが、勢いよく突っ込んで退場するか自制するかを迫られて落ち着くしかなかった。その試合でのシャドウのハーフスペース攻略は再現性があり、鹿島の4バックの間を縫うものだったためゲームプランを崩してしまっていた。裏抜けのタイミングとそこからの展開に引き出しと精度はあったが……

代表戦での怪我もあり、8月以降は消えがちに。最終盤で出番はあったが1年でのレンタル満了となった。ボランチからはじまり、そのハードワークさから1列前で起用され、選手としての幅が広がる実りの1年だったと思う。代表戦でのアシストではハーフスペースからマイナスクロスという形で、「これ、ウチで掴んだんですよ!」となった。次会えるのは恐らく代表戦。タイのトリニータ代表として頑張ってほしい。

 

46.伊藤涼太

4試合 144分

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ツンデレ

勝手にアウォーズのMIPで話したいことはだいたい……

マジで21歳!?ってくらい大人びててプロフェッショナルでハングリーだった涼太郎。どこか陰があるような佇まいがとても印象的だった。恐らくプロとは何ぞや?みたいなのを内側に内側に拡げていってるからなんかぶっきらぼうに見えた。かわいいぞ!

サッカーは団体競技。内側に矢印を向けるのも大切だが、それと同時に外側に、周りに矢印をもっと向けてほしいな、と。孤高であることは強さだし、ブレなさ。そこにもっと柔軟性をもってほしい。「オレはこうだから」と引っ張るのも強さだが、まだ21歳。もっと周りに委ねるのも大切なんじゃ、と勝手に心配をしてしまう。贔屓目だが、うちは委ねる所としてはわりと整ってると思う。ここでもう1年頑張るという選択肢をみてみたかった。

今期は浦和に復帰。槙野や周作をはじめ先輩らにたくさん弄ってもらうともっともっとプレーも変わると思う。

浦和から世界へ。伊藤涼太郎はウチでも育ったと言いたい。頑張れ。

 

47.工藤大雅 ※2種登録

0試合 0分

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矢野、西城と共に2種登録。西城と共に天皇杯に出場。工藤に関してもプリンスリーグ日章学園戦での印象を書いていく。

ポジションはボランチ。ボールをを受けてからの展開力が印象に残っていて、前を向いたら右足からサイドや裏に浮き球で配球をメインに攻撃を組み立てていた。プレスを受けても味方とのワンツーやダブルタッチで背後を取ったりと判断上手いな~と。一方で強度、トランジッションに関しては未知数。ボールを受けるときも展開力ある選手あるあるなのか最終ラインなど相手のプレスが届きにくい所で受けたがっていた印象。トップの選手たちは内側で受ける事に躊躇しないタイプばかりだったため、そこがネックだったか。

ボランチ以外にもシャドウでスルーパスをバンバンしてたりとボールを持ってからのクオリティは確か。大学生でもやってくれると思うので早く進学先を知りたい。情報待ってます。

 

50.田中達也

※19年夏 完全移籍加入 (G大阪→)

15試合 1324分(1G2A)

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一昨年喉から手が出るくらい欲しかった選手。補強するならまず左WB!で!田中達也!と思ってたから夏に加入が決まった時は「つ、ついに……」と滅茶苦茶嬉しかった。マジJ2オールスターズ。

加入してすぐの20節川崎F戦からずっと先発出場。川崎F戦ではキレッキレでサイドを抉ってクロス、カットインからシュートとホントに加入して数日?ってくらいハマっていた。左WBだけでなく、シャドウでもプレー。豊富な運動量と強気な仕掛けで前線を活性化しただけでなく、ポジションチェンジで戦術の幅や交代カードの幅を大きく広げた。

戦術に興味があるためか、自分が動いたら味方がここにいる、というのを把握している。そのため「この時はこう!」みたいなプレーで味方がそこに居ないとまぁブチギレてたようなw成豪や岡野は鍛えられてたなぁ……

32節清水戦では待望の初ゴール。右サイドから繋いで繋いでスルーパスからファーサイド田中達也が決めるという美しい形。わかってないとそこに飛び込めない。決めた後に選手に行くのかゴール裏に行くのか迷ってたくさんガッツポーズするのは慣れてなくて笑った。かわいい。

調子が悪い時はひたすらクロスが流れたりカットインが突っかかったりするが、自分で建て直す事ができるのが大きな強み。ゴールを決めた清水戦でも前半は消えかかっていたが、プレスで気をはいてスライディングをしてからはノッてきたのが印象的だった。

今季のキャンプでは弄られキャラの1面が。ゴールパフォーマンスやキツいイジリにももっと対応してもらいたい。

 

 

國分伸太郎

期限付き移籍(→北九州)

小林塾、やはり鍛えられるようだ。昨年は442の左SHとしてプレー。J3きってのチャンスメーカーとして多くの決定機を演出した。特にサイドからのクロスは右足、左足共に精度が高く、驚異に。また、嬉しいJ初ゴールを含む2得点。大分では課題であった決定力も徐々についてきたはず。来年は北九州との期限付き移籍を延長。J2の舞台で爪痕を残して、来年に「トリニータの」シャドウの1角として輝く國分をみたい。

 

姫野宥弥

期限付き移籍(→群馬)

シーズン前に育成型ではない期限付き移籍という事で、チームから「1年間で結果を残してこい!」という期待の現れだったはず。いざ、シーズンが始まるとそれまでの正ポジションのボランチよりも3421のWBや4231のSHなど、サイドのプレイヤーとして起用されていた。豊富な運動量が魅力な選手なだけにサイドで使われたんだろう。しかし主力にはなりきれなかった。今年は藤枝に期限付き移籍。これが片道切符となるか帰還できるかのラストチャンスなはず。ポテンシャルは充分なだけに殻を破ることを期待したい。

 

江頭一輝

※育成型期限付き移籍(→盛岡)

一昨年から期限を延長して盛岡で武者修行も、昨年末に無念の契約満了。

181㎝の大型ボランチだったが、盛岡ではWBで起用されたりと定位置を掴めなかった。それでもこれまで所属した鈴鹿、盛岡でコンスタントに出場していたことから戦力としては考えられていたはずだが、「えがちゃんじゃなければ!」という強みを見せるまでには至らなかったのかも。プロは厳しい……

そしてなんと21歳の若さで現役引退を決意。まだまだやれるとは思うが、それは大分ではない。青春を過ごした場での活躍を誓ってトップ昇格をした選手にとってこれほどきついことがあるだろうか。佐藤昂洋もだが、ユース卒だから贔屓目にみちゃうけどトリニータのユニフォームを着て出場できたのは極々僅か。一番悔しい形での引退だろう。しかし、人生はまだまだこれから。 セカンドキャリアでトリニータに関わる事もできるし、サッカー以外でも色んな世界を知ることができる。加部未蘭の様に大学行ってもう一度サッカーやるもよし、全く違うことをやるもよし。可能性は無限大。エガちゃんお疲れ様でした。

 

野上拓哉

期限付き移籍(→VONDS市原)

この冬一番最後の移籍発表だったのがちょ。3年間でトリニータに在籍したのはわずか半年。プレーを観れずじまいで移籍となってしまった……

VONDS市原では左SHだった様子。うちならシャドウのポジションだと思われるが、そこは魑魅魍魎がうじゃうじゃいる場所。プロって厳しい。

移籍時のコメントで誠実さというか想いを言葉にできる選手なのは伝わってくる。ここから這い上がってほしい。頑張れ!

 

川西翔太

期限付き移籍(→岐阜)

チームに閉塞感?そんな時は!川西だ!(ドン!)といったように一昨年から麻薬のように言われてる「いざとなったら川西」論。それはボール持ってヌルヌル持ち上がってスルーパスなんてのをたくさん見せてくれたからこその評価だ。実際、昨年の序盤戦では、なかなかチャンスの作れなかった広島や松本戦後には川西待望論が散見されたが、サポーターは現金である。シーズンも折り返す時のボランチ談義はやれ長谷川だ前田だと、川西待望論はトーンダウンしてしまった。

ワクワク感溢れるロマンの塊ではあるが、使いづらく、起用法が限定されやすいのは昨年も指摘した通り。より強度の高くなるJ1ではリスクが大きくなると踏んだのだろう。

今年は放出やむなしくらいな雰囲気であったが、期限付き移籍を延長。岐阜の10番としてプレーする事になった。頑張ってほしい。

 

写真は大分トリニータ公式HP超WORLDサッカーより