Nishida's diary

トリニータを中心にいろんな試合を。

【日本代表】vsポーランド "最終的には"勝負に徹して〈ロシアW杯 グループH 第3節〉

とても退屈でクソみたいな90分。国際大会で「無気力試合」はエンタメとしては最低で、とても醜いものだった。だが、それでも決勝トーナメント進出という「結果」を残したのだから、それは評価されて然るべき。しかし、そこに至るまでの過程には首を傾げる他ない。個人としては納得いなかいゲームであった。

 

この日のメンバーは以下のように

日本代表
f:id:west242447:20180701150244j:image

突然の!4-4-2!メンバーを6人も変更した。

 


ポーランド代表f:id:west242447:20180701150400j:image

こちらは4-2-3-1。

解説者泣かせの、舌を噛み切るかのようなメンバーたち。グジェゴシュ・クリホビアクとか。(グジェゴジュって東欧っぽい)

ピシュチェクブワシュチコフスキといったドルトムントで見たことある選手はベンチスタート。とりあえずミリクが出て来たらヤバいって印象だった。

 

つまんない

90分通して日本はちぐはぐだし、ポーランドはモチベーションの低下からかパスは回せど凡ミスで奪われて……と互いに良さを出しあうわけでなし、良さを消しあうわけでもなし。死ぬほどつまらなかった。セットプレーで大外を酒井高徳がはずされて失点して負け。まだ23時にキックオフだったからよかったものの、時間を無駄にした感が半端ないって!

 

采配に疑問

この日のスタメンを見て、まず最初に思ったのは
f:id:west242447:20180702102008j:image

そして、試合を見てもこの感想は変わらなかった。

スタメンを6人変更し、フォーメーションも変えた。変わって入った6人は、岡崎以外はいずれも課されていたであろうタスクを全うできていない、もしくはそもそもタスクなんてなかったんや!としか言い様のない酷い出来。

 

 まず4-4-2の採用について。

相手が4-2-3-1。マッチアップを考えての4-4-2採用であったようだが、日本の強みであるトップ下を生かしたプレーを捨ててまで相手に「形だけ」合わせることはあまりにも無謀だった。

真ん中に人がいないため、日本の強みであるトップ下を使った中央からの崩しは皆無。サイドからサイドへ繋ぎ、どん詰まり。相手のCBはアジリティで優れているとは言えず、今まで通りの戦い方のほうが優位に試合を進められていたように思われる。

 

起用された選手の力量

前線から岡崎、武藤、宇佐美、酒井高徳、山口、槙野と6人が先発出場をしたが、岡崎以外はよく分からない起用だった。

 

武藤は、前線で相手DFと駆け引きを好んでいたが、そればかり。あれだけバイタルエリアがポッカリと空いているのに下がる素振りも見せない。それでは大柄なポーランドのDFと高さで勝負しかなくなるのに、非効率的な動きしかできなかった。決定的な場面で宇佐美にパスも出さずに横にドリブルでは怖くもなんともない。

宇佐美は、守備をしない(できない)し、攻め残りからカウンターという戦術でもなく、長い距離をスプリント出来るわけでもないため、中盤でアタフタするのみ。一番酷い選手だった。ポーランドも彼のサイドからチャンスを作っていたし、後手後手の守備はレイトチャージでファウル。攻撃でも輝きは放てず。

酒井高徳はいつもとは違う1列前での起用。軽いプレーで簡単にボールをロストして、酒井宏樹は守備にばかり回った。そんなだからサイドで厚みのある攻撃はできずにごちゃごちゃしてチャンスを潰してばかり。

山口は無策にボールサイドへ向かい、自分のカバーなんて全く見ない。自分が空けたスペースをもっと使われていたら確実に戦犯だ。柴崎との連動もできずにカウンターで相手SBに柴崎、山口がぶつかっていき宇佐美が守備をしないという地獄が完成した。

槙野は前でのグダグダのしわ寄せをくらい、1列前のカバーリング、最終ラインでの守備と頑張っていた。しかし、相変わらず手グセの悪さや軽いプレーでヒヤヒヤもの。最後、フェアプレーポイント差になったときに一番カードをもらいそうな選手だった。他に比べれば悪くはないが……

そんなこんなでいびつな形になってしまう。

 

気持ちとしてはこんな形に。
f:id:west242447:20180702130347j:image

DFと中盤のラインはぐちゃぐちゃ、サイドの距離感は離れて分断とまさに地獄絵図だった。

 

監督の修正力

こんな無秩序な地獄が続くなかで、相手を見て西野さんは修正をするわけでもなく、難しい顔をして見るだけ。

もし自分が試合中で修正をかけるならけこの形にする。
f:id:west242447:20180702130807j:image

守備で穴になりつづける宇佐美を真ん中に回して守備の負担を下げて、武藤はパラグアイ戦のように右サイドに。酒井高徳を逆サイドに回して宇佐美の裏を突いていた相手に守備力の高さで対応。フリーダムなボランチにはボールに食いつきすぎないように指示を出して中を埋める。

これができればある程度は秩序が保たれ、ゲームも落ち着いて引き分け以上を狙える気がする。しかし、そもそもこんなに修正を施さないといけない状況にあるのが意味不明だし、この試合にそんなリスクを取る必要があるのかと言えばないだろう。

結局、頑なに4-4-2を使い機能不全のまま岡崎→大迫と攻撃のリンクマンを棄てて、宇佐美→乾で結局サイドに守備が必要と判断。いくらなんでもちぐはぐすぎやしないか、と思う次第。

 

選手選考自体の破綻

ここからわかるのは、主力とベンチメンバーの差が開きすぎており、代役になれていないということ。それはつまり、選手選考自体の破綻であり、戦力になりきれていない選手が主力のかわりを担う極めてリスクの大きいものであるということ。これは西野さんとJFAの失敗に他ならない。特に田嶋は許さん。

 

なぜか漏れるメンバー

 

 

何はともあれ

糞みたいな采配、糞みたいな内容でも、ベスト16進出という"最低限"の結果は掴んだ。結果論だが、主力を休ませての予選突破。最高ではないか。しかしそれはあくまでも「結果論」での話。もっと楽に勝ち点1を手にする采配ができたと感じるし、不要なリスクを背負ってまでビハインドでのボール回しをしなくて良かったと感じる。そこらへんをもっと詰めていければより代表はスキのないものになるのではないか。とも思う。

しかし、なんだかんだ言っても、日本が勝ち上がったのはホントの話。勝負に徹して負けを許容し、リスク上等のゲーム運びでも結果がすべてだ。勝ち負けに美しいもクソもない。最後に時間稼ぎができるくらいここまでの2試合で勝ち点を積み上げてきたのだから。

今日のベルギー戦でこのモヤモヤを晴らしてくれるでしょう!

歴史を塗り替えるまであと1つ。